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崩壊のロジックと負のデザイン

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Wireless wire Newsで連載中の「ネガティブの経済学」と連動。価値観の反転と崩壊について考える。
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記事一覧

ファクトかフェイクか 前編

ファクトかフェイクか 前編

■■2人のドナルド・トランプ
 ドナルド・トランプが度々口にする「フェイクニュース」。これは2017年1月に大統領選後初めて行われた記者会見の場で、アメリカのCNNの記者に対してトランプ大統領が言い放ち、日本でも話題を呼んだ。自らに批判的なテレビや新聞に対する攻撃手段としてこの言葉をツイッターで連発するトランプ大統領は、気が狂っているのではないかという受け止められ方がほとんどであった。しかし実際に

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“E”の問題

“E”の問題

■■漠然とした不安「このままでは地球は長くは保たないのではないか–」。

この警告はすでに50年も前に発せられていた。1972年に出されたローマクラブの「成長の限界」という研究報告には、地球の許容量に比べて今の文明があまりに多くの課題を抱えていることが既に指摘されていた。それから半世紀近く経ったが、地球が抱える問題は一向に解決しそうにない。20世紀には私たちはまだ解決すべき問題が何かが見えていた。

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コンビニと微生物

コンビニと微生物

変な問いかけだが、ゴミは“いつから”ゴミになるのだろう。最初から最後までゴミであるようなものはあんまりない。使っている間はゴミとは呼ばれないからだ。しかし使い終わって不必要になると、それはゴミと呼ばれるものに変わる。だからゴミは元々あるものじゃない。どこかの段階でゴミに「なる」のだ。

例えばコンビニでお弁当を買うとしよう。ご飯とスパゲティーの上に乗った唐揚げの横には漬物が銀紙の小皿に盛られ、緑の

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アウトキャスティング思考

アウトキャスティング思考

いつの世も、のけ者やよそ者、村八分やならず者というのは居る。協調性がなく、和を乱し、誰からも相手にされない人々。いや“人々”というのは適切ではないかもしれない。それぞれは孤立した者たちだからだ。こういう人々のことを英語では「アウトキャスト(outcast)」という。このアウトキャストの立場から見ることが時に必要なことがある。

現在立っているところから、未来を見ることを「フォアキャスティング(fo

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ポジティブの罠

ポジティブの罠

私たちはとにかく“ポジティブ”を好む傾向にある。ポジティブな思考とは物事を前向きに考えることであり、明るく楽しく素晴らしいことである。一方でネガティブな思考というのは後ろ向きに物事を考えることで、暗く陰気で鬱に満ち、退廃的で後退するような考え方を意味している。人はポジティブに考えるべきであるし、それが物事を前に進める。昨日よりも今日は一歩前進しているべきだし、明日は今日よりもっとより良い未来となる

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グローバリズムから「インターローカリズム」へ

グローバリズムから「インターローカリズム」へ

2020年1月より世界中に拡散したといわれる新型コロナウイルスと、それに端を発するパンデミック現象は、半年経った今でも世界中を席巻している。この新型コロナウイルスという存在そのものや、その危険性についてはまだよく分かっていない部分も多い。その中でWHO(世界保健機関)によって早々と出されたパンデミック宣言や、世界各地で都市封鎖が行われたことで様々な影響が現れている。

果たしてこの封鎖を行う必要が

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パンデミック後のまなざし「A・B・Cの選択」

パンデミック後のまなざし「A・B・Cの選択」

※2020年4月27日の時点で、WIreless Wire Newsに掲載した論考です。

■■元の世界は二度と戻ってこないが前の論考「パンデミックをつくったのは誰か」では、「新型コロナウイルス」という“自然現象”と「パンデミック」という“社会現象”の二つを分けて、「まなざしのデザイン」の観点から考えた。その中で、今回のパンデミック現象は新型コロナウイルスそのものよりも、ウイルスの情報に反応して起

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パンデミックをつくったのは誰か

パンデミックをつくったのは誰か

2020年の4月14日時点での新型コロナウイルスのパンデミックについての論考として「パンデミックをつくったのは誰か」を、Wireless wire newsで連載中の「ネガティブの経済学」のページに掲載した。
予想以上の大反響であったので、こちらのブログにも再掲する。

■■だれもが同じ方向を向いているとき今やどこを見ても人々の口からは新型コロナウイルスの話題しか出てこない。各種の大手メディアやイ

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モビリティと難民問題

モビリティと難民問題

 私の思考の旅は思えば小さい頃に身体・生命・自然というものへ抱いていた好奇心から始まっている。それは環境デザインを経由して風景(ランドスケープ)のデザインへと繋がった。
 ところが、ひょんなことからコミュニケーションデザインに関わるようになり大きく方向が変わった。私の中での風景という概念は、哲学と芸術によって濾過された結果、「まなざしのデザイン」という滴として落ちてきた。
しかし何の因果か「観光」

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欧州での各国のテロ発生状況

日本の公安調査庁が2015年6月以降のテロの状況をまとめている。この調査によると、欧州で最もテロが発生しているのはフランスの8件。
(参考はこちら)

フランス(8件)
2016/7/26 ノルマンディー:刃物を持った男2人が教会に押し入り。死亡1人、負傷1人。
2016/7/14 ニース:トラックがフランス革命記念日の花火見物の群衆に突入。死亡84人、負傷202人。
2016/6/13 パリ西部

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8月17日のバルセロナの"テロ"の今までの整理

観光地でのトラックの暴走。何名かの観光客(13名と報道)が死亡。大勢(報道では100名ほど)の負傷者が出る。警戒体制が敷かれたくさんの人々が現場から避難する...。
↑ここまでは事実。

車に"なぜか"残された実行犯のパスポート。実行犯として報道された人物はまた"イスラム系"。人質を取って"トルコ料理屋"へ立て篭もり警察と交渉中であるという詳細な"誤報道"。"声明の前"にテロであるとの首相の宣

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観光、テロ、そして未来

観光、テロ、そして未来

http://www.worldwatch.org/tourism-terrorism-and-tomorrow

◼︎2001年の状況

Tourism, Terrorism, and Tomorrow

As fewer overseas travelers pack their bags this holiday season, millions of tourism industry wo

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テロの後、観光客はどれぐらいで戻るか?

How long do tourists stay away from a location after it has been attacked? 
Condé Nast Traveler  
March 31, 2016
http://www.cntraveler.com/stories/2016-03-31/how-terrorism-affects-tourism

In the past

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