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旅日記

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エマニュエル・トッド、磯田道史が“衝撃”を受けた「日本の歴史人口学の父」速水融とは【新刊ちょい読み】

エマニュエル・トッド、磯田道史が“衝撃”を受けた「日本の歴史人口学の父」速水融とは【新刊ちょい読み】

 本書の著者、速水融氏(一九二九―二〇一九)の生涯は、常に〝学問〟と共にあった。

 そもそもが〝学者一家の出〟である。父、速水敬二(養子に出たので「速水」姓)は哲学者で、伯父、東畑精一は農業経済学者で、叔父、東畑四郎は農林事務次官を務め、叔母、喜美子は、哲学者の三木清に嫁いでいる。

 戦時中に居候していた東畑精一の家には、政治学者・蝋山政道など「昭和研究会」のメンバーが出入りし、当時一五歳だっ

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大雨の中で 猫さん

大雨の中で 猫さん

 翌日は大雨だとわかってました。でも、行きたかった河井寛次郎記念館に向かいました。祇園と京都国立博物館と五条坂の間にあり、土地勘のない人には行きづらい場所です。登り窯の遺構がある場所でもあり、じっくり見たいところでもあります。

 写真でもわかると思いますが、一見普通の古い京町屋に見えます。ところが中にはいると吹き抜けと離れやがいくつもある近代建築です。京都は、町屋が結構そういう改造があり、訪れる

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大雨の中でも マンガミュージアム

大雨の中でも マンガミュージアム

 バスをJR二条駅でおり、地下鉄を経由して、ホテルが近い、烏丸御池駅に行きました。時間があまったので、駅ちかの京都国際マンガミュージアムによることにしました 職安が近くにあり、若い人が外まで並んでいました。現実はきっついなあ。

 夫が京都に住んでいるとき、二度ほど、訪問したことがあるのですが、ともかくに、展示が濃い。へばっていたので、グッズだけでも、お土産に買っていこうという主旨なのですが、ぜひ

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大雨の中でも 栂ノ尾の里

大雨の中でも 栂ノ尾の里

 高山寺には明恵が居住し、仏教を指導していた鎌倉時代からの石水庵が、有料公開されています。かつてはもっと広い境内だったのですが、荒廃し、杉が生えたりしたので移築されたようです。大分、修理が入っているのですが、回廊は元のままなのかな、古い木材の感じが残っています。きよらかに掃き清められ、レプリカもありますが、古い時代に心を込められた、寺宝たちが飾られています。もう、魂が入ってる感じです。

 山にか

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大雨の中でも 高山寺に行く

大雨の中でも 高山寺に行く

 やっとこさコロナが落ち着いたので、用事で大阪に行ってきました。こりゃ、疲れるなってことで、せっかくなので、コロナ、梅雨に合間をくぐって、京都に一泊して、かねてから行きたかった、高山寺に行ってきました。

 高山寺を実質的に開山した明恵上人のことは、中学生のころ、新聞で初めて知りました。若いころに自分は死んだと叫んで、片耳を切り落とした、えらいお坊様がいる。そういうことが書かれていて、思春期で、自

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高野山の旅4

高野山の旅4

朝、奥の院行きます。何度も行ったことがあるのですが、やはり、お墓だらけで少し怖い、この空間こそ高野山の中心だと思います。ぐうぜん、日曜日と弘法さんの月命日の重なった日だったのでにぎやかでした。まず、入り口でお茶とお菓子のサービス。テントの下の椅子に座って、みなさん、なごやかです。えらい武将大名、お金持ちの大きなお墓がある湿った空間を空海さんの御廟に進みます。途中、白い装束の巡礼すがたのひとたち、案

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高野山の旅 3

高野山の旅 3

高野龍神スカイラインで龍神温泉へ。山が深い。何年か前に秋田から盛岡に山越えしたのですが、そう変わらないです。三味壇山という山の頂上に竜神タワーというとっっぴな建物があり、そこからいくつか写真をとりました。表題は高野山方面、下は修験道で有名な大峰山系です。

どちらも山にしか見えません。ここから10キロほど下ると、龍神温泉です。なかなかに広くて、お湯のよい共同湯がありました。重曹泉が濃く、お肌によさ

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高野山への旅 2

高野山への旅 2

 夫も私も真言宗で、学生時代ゼミやらで、宿坊にも泊まったことがあるのだけど、きちんとお堂を拝観したのははじめてだった。というか、やっと、宗教がある意味、身にしみる年齢になった。建物は落雷が多い地域で新しいのだけど、見ごたえあった。まず、金堂へ。お坊さんの集会所のようなところらしい。まあたらしい講堂のようなところでお茶をいただく。裏手にある古いお台所が印象に残った。囲炉裏のある下町長屋に遊びに行って

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高野山への旅 1

高野山への旅 1

 友人から和歌山県の竜神温泉の評判をきき、レンタカーで行ってみることにした。コースをさぐってみると高野山が途中だった。山深く、海にぬけるより往復した方が楽なので、高野山をじっくりと見てみようと思った。そうだ、こっている空海をえがいた漫画「阿吽」にも出てきて、大好きな白洲正子の「西行」にも出てくる丹生都比売(にうつひめ)神社のある天野の里にも行けるチャンスかもと思った。

 まず、両親の墓に参った。

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長崎への旅

長崎への旅

長崎の旅への想いをつらつらと書きました。こちらのサイトでも書いています。実験的にnoteに張り付けてみました。坂道がお花で満ちていてよい感じでしたよ。

まずは、二十六聖人記念館への想いから

六義園

六義園

 六義園は一度いったことがある、将軍綱吉の側近だった柳沢吉保の庭園です。ドラマなんかでは悪いひとですが、それだけではない。権力者になる宿命を負った人なんだなあと思います。田舎育ちの親の縁がうすいひとで、それをいやすために、能楽、和歌、宗教などを、とても、勉強したひとらしいです。

 ここは、歌まくらだった、和歌山の和歌の浦を再現した庭です。ああ、旅にでたい、ひとと喜びを分かち合いたいという気持ちが

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上野あたり 弥生美術館から谷中へ

上野あたり 弥生美術館から谷中へ

 不忍池にそって10分ほど歩くと、弥生美術館です。バレエ漫画アラベスクで有名な漫画家、山岸凉子の展覧会から、気になっていたところです。展示は夏のあいだ、京都の漫画美術館に巡回しているようです。

 今回の展示のスタイル画の元祖、長沢節については、セツモードという画塾で多くの弟子を育てたこと、戦前の美術家の集団、池袋モンパルナスの頃からのひとであること。そして、その頃から描き方は変わらないことを知り

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上野あたり 岩崎邸

上野あたり 岩崎邸

 不忍池の裏手から10分ほどに、三菱の創業家の岩崎邸があります。残念ながら、外装工事中の平日で人の気配がありません。

草刈り中で、盛りのどくだみの香りがたちこめています。でも、窓口のひとがにこやかに対応してくれて、ほっとしました。

中にはいると、木の使い方もですが、壁紙とかタイルとかのテキスタイルがぐっときます。

二階のバルコニーにはられたイギリス、ミントン製のタイル。かわいい。ここのキュー

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上野のあたり

上野のあたり

 先日、ブリューゲル展で、上野に行ってきました。そのころ、ぼんやり、手帳をみてると、水木しげるの元ネタですというのにひかれ、五年ほど前の展覧会にも行っているのです。まあ、うちから遠いからいいかと思ったのですが、有名な「バベル」が来るというので、泊りがけで出かけてきました。最近、年をとってきたためか、もう二度とみれないかもっていうのに弱い。

 上野は雨だったので、拍子抜けするほど、空いていました。

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