文春新書

文春新書の公式noteです。「新書の魅力を知ってもらいたい」「新書を通して生活を豊かに…

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文春新書の公式noteです。「新書の魅力を知ってもらいたい」「新書を通して生活を豊かにしてほしい」との思いから、自社本、他社本を問わず、オススメの新書を紹介します。文藝春秋の社内紹介や編集者の顔が垣間見える記事なども掲載していきます。

最近の記事

国際女性デーに読んでもらいたい文春新書のご紹介!

清水晶子『フェミニズムってなんですか?』 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166613618 女性たちが日以上生活の中で、「あれ?」と疑問に思うこと、 何気ない言葉や行為に抵抗を覚えること。 それはフェミニズムのきっかけになります。 「私が我慢すれば」と抑えこんでいた怒りや不満を、 いつかどこかにぶつけたくなるかもしれません。 でも、誰に、どうやってぶつけたらいいのか? それを考えるためのヒントをくれるのが、フェミニズム

    • 「わたしも憂き世を生きているのだ」“内向的で暗い”イメージの紫式部が『源氏物語』で見せた“名誉挽回”

      紫式部の評判  紫式部は、彰子サロンに軽妙な会話を楽しむような気風がないことをつまらなさの原因だとしているにもかかわらず、あんなにも楽しげな定子サロンを盛り立てた清少納言については、つまらないことを大袈裟に言い立てただけの軽薄な人だと貶める。しかし、そもそも紫式部自身はおもしろい人だったのだろうか。一般的に、清少納言は外交的で明るい性格、紫式部は内向的で暗い性格だというイメージがある。 『枕草子』で清少納言が世を憂う姿は、ほとんどみられない。例外的に「殿などのおはしまさ

      • 2024年2月の文春新書ラインナップ!

        毎月20日発売の文春新書。2月のラインナップ4冊を簡単にご紹介!気になった1冊をぜひお手に取ってみてください。 ①小川寛大『池田大作と創価学会』平和の使者か、俗物か? 誰よりも人の心をつかんだ男の魅力に迫る 日本最大の新宗教、創価学会の池田大作名誉会長が2023年11月15日に95歳で死去した。創価学会内で「永遠の師匠」とされる池田は、さまざまな毀誉褒貶に彩られた人物だった。 赤貧の出身だが、20代後半に創価学会に入信し、1960年に32歳の若さで第3代創価学会会長に就任

        • ウクライナ戦争から2年――ロシア・ウクライナ戦争を振り返るための3冊

          こんばんは。ウクライナにロシアが侵攻した2022年2月24日、ロシア・ウクライナ戦争の始まりから早くも2年が経とうとしています。一刻も早い終戦を願いながらも、まだ戦争の終わりが見えません。 この間、文春新書編集部ではロシア・ウクライナ戦争をめぐる本も何冊か刊行してきました。この戦争の時代にあって、私たちは何を、どう考えたらいいのでしょうか? 国際ニュースをどう見ればいいのでしょうか? 考えあぐねているときに手掛かりになってくれればと、ロシア・ウクライナ戦争を振り返るための文春

        国際女性デーに読んでもらいたい文春新書のご紹介!

        • 「わたしも憂き世を生きているのだ」“内向的で暗い”イメージの紫式部が『源氏物語』で見せた“名誉挽回”

        • 2024年2月の文春新書ラインナップ!

        • ウクライナ戦争から2年――ロシア・ウクライナ戦争を振り返るための3冊

          編集工学者・松岡正剛と数学者・津田一郎が語り合う「言語の起源の謎」。『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』

          「言語の起源」の謎 松岡 世界中の言語はバベルの塔が崩れて以降、各地各様のローカルな言葉が派生してきたわけですが、今日地球上に残っているものでも3000以上の言語があって、数世紀前は1万以上もの言語が林立していたわけです。メインになる言語と「消滅していく言語」との攻防がたえず局地的に繰り返される中で、ではなぜ言語はこんなにもたくさんあるのかということは、あいかわらず謎なんですね。もともとヒトの群れの中で言葉が交わされるようになったころからの謎でしょう。それでも「言語の起源

          編集工学者・松岡正剛と数学者・津田一郎が語り合う「言語の起源の謎」。『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』

          なぜ多様性が台湾の“コアな価値観”になりつつあるのか? 台湾はどこへ向かうのか。

          いま、台湾をめぐる国際関係史を書く ――今回の本を書かれるまでの経緯をお話しいただけますか? 家永 私がそもそもパンダや国宝に着目した研究を大学院で始めたきっかけ自体が、中国外交を勉強しようとする中で、台湾をめぐる問題が中国外交にとって極めて重要だと気づいたからなんです。その際に、中国政府の対台湾政策を正面からやるのではなくて、内戦で台湾に逃れた中華民国のことに関心を持って、中華民国史の文脈から戦後の台湾を見てみようと思い、パンダ外交や故宮博物院をめぐる問題を題材にして

          なぜ多様性が台湾の“コアな価値観”になりつつあるのか? 台湾はどこへ向かうのか。

          『光る君へ』をもっと楽しむためのブックガイド+α 紫式部をスカウト。名キュレーターの藤原道長

          古典は現代アートや純文学と同じ、数をこなして見えてくる 木村 現代アートや純文学なども同じですが、古典作品の狙いや面白さというものは、ある程度数をこなさないと見えてこないんです。多くの作品を鑑賞することで文脈がわかり、面白さがわかってくる。だから、私は『源氏物語』はいまがいちばん面白いです。若いときはあまりに高い山で、自分が何合目を登っているのかもわからず、下ばかり向いて必死に登っていた感じでした。『源氏物語』研究はとにかく歴史が厚いので、有名な人たちがすべてを語り尽くし

          『光る君へ』をもっと楽しむためのブックガイド+α 紫式部をスカウト。名キュレーターの藤原道長

          紫式部は世紀の天才! 悲しい思いをさせるより実直な男がいい?人生というもの深く問いかける『源氏物語』を読まない手はない

          ――『源氏物語』の物語世界と、『源氏物語』が描かれた平安宮廷社会とを行き来しながら『源氏物語』の書かれた平安時代を立体的に描き出すような冴えわたった筆致で、読み応え満点の仕上がりですね。摂関政治という色好みが力をもった時代の複雑な面白さというものも、存分に書かれていると思いました。そこでは男たちの権力闘争と女性たちをめぐる性愛の関係が表裏一体になっています。まさに木村さんが長年書かれてきた〈性と権力〉という切り口そのものですよね。 木村 摂関政治の時代、面白いんですよね。

          紫式部は世紀の天才! 悲しい思いをさせるより実直な男がいい?人生というもの深く問いかける『源氏物語』を読まない手はない

          「新書大賞2024」で識者の方々におススメいただいた文春新書9冊!

          毎年2月頃に『中央公論』3月号で発表される新書大賞。今年も昨年に続き文春新書のベスト20入りは残念ながらなかったのですが、「新書大賞2024」、「目利き49人が選ぶ2023年私のおススメ新書」(各人が5冊のおススメを論評ととともに発表)で紹介いただいた文春新書9冊を、評者の方々のコメントとともにご紹介させていただきます! ぜひ読書ガイドとして活用ください。 家永真幸『台湾のアイデンティティ』 川島真(東京大学教授)さん、安田峰俊(ルポライター)さんに評していただきました。

          「新書大賞2024」で識者の方々におススメいただいた文春新書9冊!

          もっと知りたい「紫式部とその時代」!木村朗子さん『紫式部と男たち』を徹底ガイド。

          藤原道長(三郎)と紫式部(まひろ)の恋の行方は? ようやく官職に就いた父・為時を介して、赤染衛門と仲間たちの会に呼ばれるまひろ。今後、宮廷社会と紫式部との関係はどうなる? 『源氏物語』が描かれる系譜にある女たちの作者による物語とは? 清少納言と紫式部はライバルだったのか? 回を重ねるごとに見どころが増え、男たちの政と才覚ある女たちの物語の筋が交錯して走り出す予感に満ち満ちた大河ドラマ『光る君へ』ですが、ドラマの展開はこの先どうなるのでしょう? 「この命を燃やす使命が欲しい」

          もっと知りたい「紫式部とその時代」!木村朗子さん『紫式部と男たち』を徹底ガイド。

          最後の〝備え〟は「お別れのセレモニー」〜文春新書『ペットロス いつか来る「その日」のために』より③ 伊藤秀倫〜

          「お別れのセレモニー」の重要性 「ペットロスへの備えとして、実は最後の『お別れのセレモニー』を納得できる形でできるかが、すごく大切なんです」と語るのは、前出のグリーフケアアドバイザーの阿部氏だ。  お墓と霊園探しの検索サイト「ライフドット」が直近3年間にペットを亡くした人たちを対象に行ったペットの供養に関する実態調査(2020年)によると、亡くなったペットの遺体の弔い方は、「民間施設での火葬」が45.8%で最も多く、「公営施設での火葬」(26.1%)、「自宅の庭に土葬」(1

          最後の〝備え〟は「お別れのセレモニー」〜文春新書『ペットロス いつか来る「その日」のために』より③ 伊藤秀倫〜

          アメリカにおける「ペットロス」最前線〜文春新書『ペットロス いつか来る「その日」のために』より② 伊藤秀倫〜

          オレゴンから届いた一通のメール  では、欧米ではどうやってペットロスと向き合っているのだろうか──そんなことを考えているとき、私がネット上に公開している仕事用のメールアドレス宛に一通のメールが届いた。 〈はじめまして。米国オレゴン州ポートランドよりお便り差し上げています〉  差出人はポートランド在住の中田理恵さんで、私が『週刊文春』に書いたペットロスについての記事を読んでの感想をメールで寄せてくださったのである。私は知らなかったのだが、オレゴン州は犬を取り巻く環境が恵まれて

          アメリカにおける「ペットロス」最前線〜文春新書『ペットロス いつか来る「その日」のために』より② 伊藤秀倫〜

          最初の備えは「よきホームドクター」〜文春新書『ペットロス いつか来る「その日」のために』より① 伊藤秀倫〜

          グリーフケアを知るホームドクターの重要性 「私はよく獣医の皆さんに、ペットが亡くなった後でも『病院においでください』と言える動物病院であってほしい、とお願いするんです」  そう語るのは「動物医療グリーフケアアドバイザー」として、全国の動物病院の医療関係者を対象にグリーフケアの講習などを行っている阿部美奈子氏だ。獣医師でもある阿部氏は、ペットを亡くした人が最初にその悲しみを打ち明ける第一候補者として、そのペットが最後にかかっていた動物病院の獣医師や愛玩動物看護師が理想的、と話

          最初の備えは「よきホームドクター」〜文春新書『ペットロス いつか来る「その日」のために』より① 伊藤秀倫〜

          ペットを亡くした人に何と言葉をかけるべきか〜『ペットロス いつか来る「その日」のために』刊行にあたって〜 伊藤秀倫

          ありものの言葉で間に合わせるな ペットロスの取材をしているというと、たまに「友人や知人がペットロスになったとき、どんな言葉をかければいいのか?」と訊かれることがある。 その答えは、本書における上沼恵美子さんの次の一言に尽きる。 「一番腹が立ったのはね、無神経な慰めの言葉なんです。ベベ(*上沼さんの愛犬)を亡くして1、2週間ぐらいのとき、私が『もうあかん。もうあかんわ』と言っていたら、ある人が『そんなこと言ってたら、ベベちゃんに笑われるよ』と言ったんです。もうね、殴ったろかな

          ペットを亡くした人に何と言葉をかけるべきか〜『ペットロス いつか来る「その日」のために』刊行にあたって〜 伊藤秀倫

          社会を前進させ、自分を前進させるために。コロナ5類への移行で考えるソーシャルジャスティス

          久しぶりのこびナビスペシャル  内田舞 皆さん、今日は参加してくださってありがとうございます、私はこびナビ医師の内田舞です。今日はめちゃくちゃ久しぶりのこびナビスペースで、私もテンションが上がってます。もしかしたら、こびナビのスペースを初めて聞く方もいらっしゃるかと思うので、ちょっとだけ説明をさせていただきますと、私たちこびナビは、新型コロナワクチンの正確な科学情報を届ける非営利プロジェクトとして2021年の1月に発足しました。それから1年強、メジャーメディアやソーシャルメ

          社会を前進させ、自分を前進させるために。コロナ5類への移行で考えるソーシャルジャスティス

          【世界の百均企業・ダイソー】矢野博丈 創業者(ファウンダー)「将来を怖がる力」 が生んだ〝百均〟サクセスストーリー

          潰れる怖さから必死に逃げてきた  広島県東広島市内の工業団地の一角に小ぢんまりとあった大創産業の本社を初めて訪ねたのは25年前、1995(平成7)年の夏のことである。100円ショップなるものが大衆のブームとなり始めたころのことで、本社も、商品がうずたかく積まれている倉庫兼物流センターも、急ごしらえの掘っ立て小屋同然のプレハブ造りであった。安手のパーテーションで仕切られたあちこちの狭いスペースで、従業員と取引先の商談がわいわいとにぎやかに進められており、伸び盛りの急成長企業と

          【世界の百均企業・ダイソー】矢野博丈 創業者(ファウンダー)「将来を怖がる力」 が生んだ〝百均〟サクセスストーリー