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「新書大賞2024」で識者の方々におススメいただいた文春新書9冊!

毎年2月頃に『中央公論』3月号で発表される新書大賞。今年も昨年に続き文春新書のベスト20入りは残念ながらなかったのですが、「新書大賞2024」、「目利き49人が選ぶ2023年私のおススメ新書」(各人が5冊のおススメを論評ととともに発表)で紹介いただいた文春新書9冊を、評者の方々のコメントとともにご紹介させていただきます! ぜひ読書ガイドとして活用ください。


家永真幸『台湾のアイデンティティ』

川島真(東京大学教授)さん、安田峰俊(ルポライター)さんに評していただきました。
「台湾では、新たに「台湾アイデンティティ」が形成されつつある。……複雑な「台湾のアイデンティティ」を歴史的な経緯も踏まえて説明する」(川島)
「日本人が「わかったつもり」になりがちで、実はまったく異なる複雑な実相を持つ国、台湾。その現代史を、細かな部分まで照射して描いた労作」(安田)
また、今回委員を途中で棄権された與那覇潤さんがnote記事で3位に挙げてくださっています。 
台湾総統選の裏側、台湾と日本の戦後史を学ぶのにぴったりです!


近田春夫『グループサウンズ』

稲増龍夫(社会学者)さん、楠木建(経営思想家)さんに挙げていただきました。
「1980年代にマニアックなB級GSに光をあてて、再評価の先鞭をつけた著者だが、今回は王道の歴史を回顧することで、Jポップに至るわが国の洋楽受容の変遷を解明してくれている」(稲増)
「当代一流の軽音楽評論家の面目躍如」(楠木)
ある世代にはたまらない一冊だと思われます。


河合香織『老化は治療できるか』

川端裕人(ノンフィクション作家)さん、鈴木洋仁(神戸大学教授)さんに評していただきました。
「2020年のベストセラー『LIFESPAN 老いなき世界』で楽観的に描かれた「老化治療」について、現状と「どの程度期待できるのか」というさじ加減を知ることができ、非常に納得感が高かった」(川端)
「村上春樹の「早寝早起きの健康的な生活」をめぐるくだりが楽しい。抑制された筆致を積み重ねているからこそ、結論での考察が深く響きます」(鈴木)
村上春樹のくだり、ぜひお確かめください!


劉明福著、峯村健司監訳『中国「軍事強国」への夢』

橋爪大三郎さん(社会学者)が本書の成り立ちを書いてくださっています。
「劉明福氏は胡錦涛時代に『中国の夢』を出版し発禁に。でも習近平が「中国の夢」をスローガンに掲げた。ジャーナリストの峯村氏は劉氏から未発表の原稿を託され、台湾侵攻に関わる部分を本邦初訳」


小泉悠『終わらない戦争』

もう少しでロシア・ウクライナ戦争が始まって2年が経とうとしています。ウクライナ戦争の行方は。戦争が終わるとは何か?

三宅香帆(書評家)さんが評してくださっています。
「ウクライナ戦争が長期化するなかで、真摯にわかりやすく戦争について語ってくれる本書のような新書が出た功績は大きい」


高橋杉雄編著『ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか』


大庭三枝
(国際政治学者)さんが評してくださっています。
「ウクライナ戦争について、各専門家がその知見から、その原因と背景、アジアへの影響、ハイブリッド戦としての側面などに光をあて、多面的な考察が展開されている」

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166614042

松竹伸幸『シン・日本共産党宣言』


中北浩爾(政治学者)さんが評してくださっています。
「党本部の政策委員会で安保外交部長を務めた著者は、豊富なエピソードを交えて、共産党が党首公選を採用すべきこと、外交・安全保障政策を現実化すべきことを訴える。…100年超の日本共産党史に刻まれる一冊」


濱口桂一郎『家政婦の歴史』


小谷野敦(比較文学者)さんに評していただきました。 「果たして家政婦は、家政婦紹介所に所属する労働者なのか、派遣された家庭に雇用された労働者なのかという法学のバグを、「女中」の歴史をからめつつ論述してゆく」

大川慎太郎『藤井聡太ライバル列伝』


青木るえか(コラムニスト)さんに選んでいただきました。
「これは〔藤井聡太〕という名前でなんとか「藤井聡太以外にも魅力的な棋士はいるんだ」と言いたくて書かれた本だ」


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