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上野のあたり

 先日、ブリューゲル展で、上野に行ってきました。そのころ、ぼんやり、手帳をみてると、水木しげるの元ネタですというのにひかれ、五年ほど前の展覧会にも行っているのです。まあ、うちから遠いからいいかと思ったのですが、有名な「バベル」が来るというので、泊りがけで出かけてきました。最近、年をとってきたためか、もう二度とみれないかもっていうのに弱い。

 上野は雨だったので、拍子抜けするほど、空いていました。まだ、暑くない梅雨時のしめった新緑の森のなか歩くのは気持ちいい。命の喜びといいますか。展覧会はオランダの絵画史をふまえたもので、妖怪は少なかったです。聖人たちの木彫が気に入ったかな。素朴だけれど、信仰心のこもった、恐ろしさときよらかさがありました。「バベル」ですけど、思ったより、小さい。色味は地味なんですけど、生命力がある絵でした。

 さて、せっかく、時間があるから、上野でとんかつを食べてみたいと、下調べしました。西原理恵子が「恨ミシュラン」でおいしいそうに食べてたのを思い出して。この本、覚えてるひといるかな。神足というライターさんとコンビでギャグが切れてました。

 大雨のずぶねれで、お店に飛び込んだんですけどね。カウンター中心のお店で気まずかった。ものすごく、潔癖な感じで、なじみの江戸っ子なおばちゃんが客筋、それで、ここって、かの小津安二郎の馴染みの店の、蓬莱屋さんって、気がつきました。小津映画をみてると、私は、がさつなんで、女としては彼に皮肉いわれるなって、思うんですけど、こっちは好みです。

 値段は三千円かな。私は、食事は二千円ぐらいまでしか使わないので、びびったです。衣は、古風な細かいパン粉で、いまどき、こんなの見たことない。美味しかったですけど。そういえば、カウンターのおすしって食べたことないなあ。そんなことを思いました。まだ、できてないことがいっぱいある。まあ、それって、いまさらとも思うんですけど。

 上野で宿をとってたので、時間があまってます。はすの青々した不忍池を見つつ、弁天堂のむかいの、以前、行ききれなかった岩崎邸に行ってみました。



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