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神様のボート

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神様のボート/江國香織(8)(ラスト)

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葉子さんはおかしくなる。
身も蓋もない言い方だし、もともとおかしかったと言えばそれまでなのだが、草子を「失って」からの葉子さんは、一段とおかしくなる。
逗子から出ていく気力さえもなくし、仕事も辞め、ただ漫然と日々を過ごす。ピアノを弾きながら。
それでもどうにかして引っ越しをする。東京へ。
16年ぶりに東京に戻り、実家に連絡をする。草子も夏休みにはそこへ帰る。
アパート

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神様のボート/江國香織(7)

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昨日は5億年ぶりにSBAFなんて言葉を使いたくなるほどにSBAFな夜の過ごし方をしてしまったので今朝は10時まで眠っていました。
ちなみに前回SBAFを多用していたのはちょうど2年前、あのひととの別れのあとなので5億年ぶりっていうのは嘘ですね。
起きてからは前日の朝に炊いたまま放置してしまっていたご飯と昨夜食べる予定だった麻婆豆腐を食べ、残りの

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神様のボート/江國香織(6)

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私は昨日、真似したいことの最後に「旅がらす」を挙げました。
確かに旅がらすな生き方というか生活は憧れるしやってみたいけれど、葉子さんのしている旅がらすと私のしたい旅がらすは根本的なところが違うと思いました。
なにって、葉子さんは「あのひと」に会うために、「あのひと」のいない土地に馴染みたくないから、そんな理由で旅がらすをしているけれど、私は。

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神様のボート/江國香織(5)

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これまでも色々と葉子さんの真似っこをしてきましたが、私がこれから真似したいことは、5つあります。
順にお話しましょう。

ひとつめは髪型。
ジュリエッタ・マシーナのように短いという、その潔く整ったヘアスタイルにはやっぱり憧れるし、それが似合うようなスっとした大人の女性に、私もなりたい。
私は形から入るタイプですし!

つぎに、お散歩。
葉子さん

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神様のボート/江國香織(4)

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私が葉子さんから真似したものは、4つ。

ひとつめは、最初の記事で書いたように、シシリアンキス。
あの甘ったるくて突き抜けるような琥珀色の飲み物は、やっぱり目の前にあるだけで気分が変わる。
お酒はほんとうに飲めないし飲みたくもないけれど、あのカクテルだけは特別。いつだって魔法をかけられてしまう。

つぎに、ロッド・スチュワート。
なかでもやっぱ

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神様のボート/江國香織(3)

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これは狂気の物語です。

江國さん自身が、あとがきでそう仰っている。
確かに、これは、私も狂気だと思う。そして危険。

大学の主任教授と恋に落ちて、卒業と同時に入籍する。でも、恋に落ちたとは言っても身体的接触は手を繋ぐだけだった。
そこからどんな経緯で「あのひと」と出会ったのかはわかりようもないが、ともかく、葉子さんは、すばらしくきれいな背骨を

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神様のボート/江國香織(2)

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何から書けばいいんだろう。
何も書けない。

私にとっての「あのひと」は、あのひとでいいのかな。

おやすみなさい。

神様のボート/江國香織(1)

バイブルです。

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初めて読んだ10代の頃、すごく好き! と感じたわけではないけれど、なんだか中毒性があって繰り返し読むうちにだんだんと染みてきて、どんどん私に馴染んできて、葉子さんの真似ばっかりして、まだまだ真似したくて、そのうち葉子さんになってしまうのではなかろうか。なんて。

あんまり細かく書く気になれないので、今日はもうおしまいにします。

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