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#エッセイ
いま、残業の気分です。
「おつかれさまです」
いつもなら18時ごろのセリフも
今日は19時過ぎまでおあずけだ。
もう一人が早上がりしたとわかって
あと一仕事しようと心に決めた。
今日はあの人ももう上がりそう。
「おわったー」の声が聞こえるや否や
パタリのノートを閉じる。
いそいそと片付けをする私に
日常モードの彼からの誘い。
「このあと、ごはん行かない?」
行き場のないこの手は、気づけばまた、カップに延びている
目を開ける。
目を閉じる。
再び開いた目に映る時計の針。
思わず飛び起きる癖さえも抜けた
8日目の昼下がり。
いつもは出しっ放しのよそゆきのヒールも
今は靴箱で惰眠を貪っている。
優雅なブランチとは似ても似つかない
食べかけの出来合ものが喉元を過ぎたころ、
ゴミ出しを忘れていることに気づく。
ビンや缶の詰まった袋を手に
軒先に出た私の眼に映る
荒らされた袋と幾羽かのカラス。
「そっか、火