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【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜ふわとろ長茄子〜[家庭料理](1206文字)

ふわとろ長茄子を初めて鉄鍋蒸し焼きにしました。

ふわとろ長茄子を以前、味噌汁にしたら、とても味が良かったので、今度の鉄鍋蒸し焼きも楽しみにしていました。

長茄子は、ナス科ナス属・インド原産の茄子の一種で、20〜25cmの長さ(大長茄子と呼ばれるものは、30〜40cm)になる細長い茄子の総称で、ふわとろ長茄子は、長さ約35cm・太さ約5cmの大きめ長茄子です。

果実は艶のある濃紫色で、果皮はやや厚めで、果肉は淡緑色で、種のない首の部分が長く、肉質はとろけるほど柔らかく、甘味に富み、食味が大変良いようです。

煮物・炒め物・揚げ物・揚げ浸し・焼き茄子等どう食べても美味しく、特に麻婆茄子に向いているとのことです。

我が家では、長茄子をへたごと食べていますが、長茄子は、今まで食べた茄子の中で唯一、へたが柔らかく、食べられる茄子です。

さて、調理です。

鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、枝のついている先の部分だけ切って、へたをつけたままの横方向に半分に切った、ふわとろ長茄子3本分を並べ、鉄鍋の蓋をしました。

鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして40分間、火にかけました。

茄子の淡い良い香りが漂ってきました。

火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。

鉄鍋の蓋を開けたら、ふわとろ長茄子は、ぐったり平べったくなり、表面に細かい皺がたくさん寄っていて、ひっくり返すと、軽く焦げ目がついていました。

もう少し加熱時間が短くても良いかもしれません。

というわけで、盛り付け。

少量の醤油をかけて、いただきます。

お味は。

とても美味しかったです!

噛むと、名前の通り、ふんわりとろとろした食感で、柔らかく崩れ、細かい様々な味が、品の良い香りとともに、口の中に広がりました。

様々な味の中で、酸味が目立ちました。

今まで食べた茄子の中で、最も酸味が強いと感じました。

そして、緩やかな甘味と微かな苦味も感じられました。

茄子としては珍しい、洗練された、おしゃれな味です。

へたも香ばしく、美味しかったです。

果皮は厚く、焦げ目のある部分は硬かったですが、たいていは柔らかく、綺麗に噛み切れました。

噛んでいるうちに果皮ごと果肉が、すっと消えていく感じです。

「これは、とても美味しい茄子だね!」
と夫。
「私は、今まで食べた茄子の中で、この茄子を一番好きだな」

「変わった味の茄子よね」
と私。
「新しい味覚」

「中が空洞みたいだけど」
と夫。
「香りがあって、旨味があって、苦味があって、いろんな味がして、実に美味しい」

これはこれで、とても美味しい茄子で、いくらでも食べたくなる軽やかな美味しさがあるのですが、私の好みからすると、たいていの茄子の持つ、もっさり感を好きなところがあり、ふわとろ長茄子は茄子っぽくないかなぁと思いました。

茄子に何を求めるか、ですけれどもね。

ふわとろ長茄子の鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!

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天野マユミ丨散文詩人丨文化財めぐりと素敵な日々
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