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This is startup

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Startupを外からも中からも見てきた弁理士の回顧録

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スタートアップx知財
スタートアップで働くということ

This is startup - 契約はプログラムのようなものだ。

This is startup - 契約はプログラムのようなものだ。

【要約】

はじめに僕の専門は今でも「特許」であるが、スタートアップにジョインしてからは契約に触れる機会が激増した。

特許を見ない日はあっても、契約を見ない日はない。
これは至って自然なことである。
スタートアップには技術アセットがないのであるから、業務委託契約や雇用契約まで含めて考えると、契約を起点として技術開発が進む。
そのため、知財家が契約を見ることのROIが大企業のそれよりも大きくなり易

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This is startup - IPランドスケープはスタートアップに何をもたらすのか?

This is startup - IPランドスケープはスタートアップに何をもたらすのか?

【要約】

はじめに2024年度から2年間にわたって、INPIT(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)が行う「IPランドスケープ支援事業」の委員を拝命した。

正直に言うと、僕は、「IPランドスケープ」という言葉を避けてきた。
少なくとも「その言葉」の必要性を今もなお感じていない。

一方、情報の調査と分析は、スタートアップに限らず、事業活動に貢献するための最重要スキルであることは間違いない。

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This is startup - 経営の視点から見た知財戦略

This is startup - 経営の視点から見た知財戦略

【要約】

サマリ2024年になってから、スタートアップの中で経営に少しばかり関わるようになった。

経営の視座で思考する場合、知財だけを見ているわけにはいかない。
知財以外の色のキャンパスに知財の色を足していく。
正解はないし、日進月歩で変わる会社の状況に合わせてゴールイメージを変容させていく必要がある。
一言で言えば、判断の瞬発力が求められる。

そういった仕事に勤しんでいるうちに、「経営の視

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This is startup - 「ドラゴンボール(界王拳)」~窮地でリミットブレイクするための心構え~

This is startup - 「ドラゴンボール(界王拳)」~窮地でリミットブレイクするための心構え~

【要約】

はじめにスタートアップでは信じられないことがたくさん起こる。
その中には、全力を振り絞ってもなお超えられないものもある。

しかし、敵前逃亡をするわけにはいかない。
自分の後ろには誰もいないのだ。
殿として、なんとしても、この窮地を脱しなければならない。

僕は「頑張る」という言葉が嫌いだ。
有能であれば、頑張る必要がないからだ。

しかし、スタートアップでは、精神論を決して無視できな

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This is startup - 「キングダム」 with 「ドラえもん」~そもそも”知財”とは何だ?~

This is startup - 「キングダム」 with 「ドラえもん」~そもそも”知財”とは何だ?~

本記事は、「知財系 Advent Calendar 2023」(2023/12/24号)です。小川さん、バトンを確かに受け取りました。

【知財のバトン】
(2023/12/23号)小川徹さん「知財が好きという話」

(2023/12/24号)木本「This is startup - 「キングダム」 with 「ドラえもん」~そもそも”知財”とは何だ?~」

(2023/12/25号)Kenj

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This is startup - 名もなき弁理士の知的カフェ

This is startup - 名もなき弁理士の知的カフェ


番組概要【番組名】
イレブンミュージック[弁理士永沼よう子の「知的カフェ」]

【番組概要】

パーソナリティ 永沼よう子 弁理士

放送局     レインボータウンFM 88.5MHz

放送日時    2023/12/18 11:00-12:00

ポッドキャスト Spotify

はじめに本記事は、友人でもある永沼よう子弁理士がパーソナリティを務めるFMラジオ番組「イレブンミュージック[弁

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This is startup - 契約も知財だ!

This is startup - 契約も知財だ!


【要約】

はじめに前回投稿した記事で「広義の知財」という言葉を使った。

「知財」という概念にとことん向き合った結果として、概念の拡張が必要であるとの結論に至った。

その結果、僕は「自分が価値をつけたい情報が知財である」と考えるようになった。

「売りたい(つまり、価値をつけたい)」と強く願って進める業務の代表例が契約業務だ。

すると、契約も知財であることが見えてくる。

契約とは何か法務

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This is startup - 広報も知財だ!(後記「企業内弁理士が知財と広報を「兼務」して見えた一致点&相違点~知財はマラソン、広報は100m走!」(Toreru Media))

This is startup - 広報も知財だ!(後記「企業内弁理士が知財と広報を「兼務」して見えた一致点&相違点~知財はマラソン、広報は100m走!」(Toreru Media))


【要約】

はじめにToreru Mediaさんからオファーを頂き、「企業内弁理士が知財と広報を「兼務」して見えた一致点と相違点~知財はマラソン、広報は100m走!」というテーマで記事を執筆させて頂いた。

僕は、「広義の知財」というポジションを取っている。
「広義の知財」とは、企業内に存在するできるだけ多くのものを「知財」に含めて捉える考え方ようにしている。
それは、「知財」を再定義したい(そ

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This is startup - 人事も知財だ!(創業者の魂は究極の知財)

This is startup - 人事も知財だ!(創業者の魂は究極の知財)

【要約】

はじめに某大企業(誰でも知っている飲料メーカ)の元知財部長の大先輩とお酒を酌み交わしていたときのこと。

僕は、人事責任者時代の経験を通して、「知財人材がもっと多方面に染み出していくことが、知財の可能性を拡げるし、会社にとっても成長の上限を解放することになる」といったような話を熱く語っていた。

するとその大先輩は、こう言った。

「私は、創業者の魂こそが究極の知財だと思っているんだよ

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This is startup - 言葉の定義

This is startup - 言葉の定義


【要約】

はじめに言葉の定義は重要である。

言葉の定義のズレが認知されないままなされる会話には、オチがない。
いつからか僕は、このような会話を「日本人にスワヒリ語で語りかけているようなもの」と例えるようになった。

最もやっかいなのは、会話が成立していないことに気づかずに、全員が「わかった顔」をしてしまうことだ。

これらのボトルネックは、未定義の言葉にあると思っている。

本記事では、言葉

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This is startup - どうするスタートアップ

はじめに人事責任者を経験して以降、人にあまり興味のなかった僕が人や組織のことを考えるようになった。
実は人に興味があったのか、人事責任者には変異効果がるのか、それはこの記事の論点ではない。

小6の息子は生まれて初めて大河ドラマを見て以来、徳川家康にぞっこんだ。
歴史小説も読み漁るようになり、登場人物や時代背景も僕より詳しくなってきている。

そんな、一見すると無関係な2つの事象を思い出したときに

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This is startup - 「パーフェクトオールラウンダー」(「ワールドトリガー」)

要約(Chat GPT4)はじめにスタートアップの中に入って、一般的な知財業務だけでなく、様々な業務を経験した。
知財業務と同質の業務もあれば、異質な業務もたくさんあった。
異質な業務であればあるほど、怖さもあるし、緊張もする一方、レベルアップを体感しやすい。

知財業務を続けることが「専門領域の深掘り」であるならば、知財業務の外に身を置くことは「専門領域の横展開」と言える。
僕は、この専門領域の

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This is startup - 「ONE PIECE(モンキー・D・ルフィ)」~「海賊王になる」ということ~

This is startup - 「ONE PIECE(モンキー・D・ルフィ)」~「海賊王になる」ということ~


はじめに都内某私立中学校の受験説明会に参加した。
その学校の教育理念は「リーダ教育」(リーダを育てること)である。

何人かの生徒(中学生)から話を聞いた。
全員に熱量があった。

あどけない顔、言葉足らずの説明。
中学生の顔をしていた。

しかし目力は変わらない。
とても中学生とは思えなかった。

その後、中学2年生の女子生徒に学校内を案内してもらい、そこで彼女の夢を聞いた。

彼女の答えから

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