This is startup - 「パーフェクトオールラウンダー」(「ワールドトリガー」)

要約(Chat GPT4)

記事はスタートアップ環境で働く知財専門家が自身の専門性を拡大し、他の領域でも能力を発揮することの価値について述べています。その専門性の拡大を「越境」と表現し、越境を繰り返すことで自身の能力を広げていく重要性を強調しています。
記事はまた、知財専門家が「パーフェクトオールラウンダー」になることを目指すべきと述べています。「パーフェクトオールラウンダー」はアニメ「ワールドトリガー」からの引用で、特定のスキルだけでなく複数の領域でハイレベルな能力を持つキャラクタを指します。
さらに、知財専門家が強力なビジネスネゴシエーション能力を持つ必要性を強調しています。それは単に知財のスペシャリストであるだけではなく、他の領域での成功も可能にするジェネラリストになる必要があるからです。
このような専門領域を超えたスキルセットは、スタートアップ環境で特に価値があるとされています。なぜなら、スタートアップは多様な役割を果たす能力を持つ人材を必要としているからです。
つまり、この記事の主張は、知財専門家が自分の領域を超えて新しいスキルと経験を得ることで、自分自身と企業にとっての価値を高めることが可能になるというものです。

Chat GPT4

はじめに

スタートアップの中に入って、一般的な知財業務だけでなく、様々な業務を経験した。
知財業務と同質の業務もあれば、異質な業務もたくさんあった。
異質な業務であればあるほど、怖さもあるし、緊張もする一方、レベルアップを体感しやすい。

知財業務を続けることが「専門領域の深掘り」であるならば、知財業務の外に身を置くことは「専門領域の横展開」と言える。
僕は、この専門領域の横展開のことを「越境」と呼んでいる。

しかし、単に越境するだけでは特筆するようなことは何も生まれない。
各領域で専門レベルの実績(深掘り)も必要だ。
つまり、横展開と深掘りを同時多発的にやっていく。

すると、経験値が二次元に広がっていく。

引き出しが増える。
世界が広がる。
当たり前が当たり前じゃなくなる。

僕が大好きなアニメ「ワールドトリガー」では、越境を繰り返して圧倒的な実績を残すキャラクタを「パーフェクトオールラウンダー」と呼んでいる。

長くなったが、今回のお題は、パーフェクトオールラウンダー。

ー知財は、経営において複数あるプレーの選択肢の1つにすぎないということですね。
木本:変化の激しいスタートアップの事業環境では、弾力性のある「知財戦略」が必要だと考えています。「特許を出さない知財戦略」の下でプレゼンスが求められる局面もあるはずです。
複数の選択肢を常に念頭に置き、どの選択肢でも責任を持って実行できるかどうか。経験や知識もさることながら、強い「覚悟」が求められます。そのためには知財のスペシャリストであるだけでは足りない。
知財の論理だけで知財を語っても、期待値は最大化しません。村上からは「ビジネスネゴシエーションのできる弁理士になってくれ」とことあるごとに言われています。しかし、「ビジネスとは何か」「ネゴシエーションできるとはどういうことか」。この命題が僕の脳裏から消えたことは、一度もありません。
自分なりに模索した結果、たどり着いた解がジェネラリスト。知財に専門性を持ちつつも、高いレベルのジェネラリストでありたい。知財領域でアウトプットを出すのは当たり前。その上で、知財から離れた領域にも顔を出し、そこで得た知見を知財に還元する。
「知財の内と外の往復運動」をただただ繰り返す。思考体力が求められますが、裏を返せば、必要なのはそれだけです。今考えると、自分が人事責任者を兼務で引き受けたのも、オールラウンドでプレイできるようになりたいという想いが根底にあったからのような気がします。
実際に人事業務に触れてみると、知財業務の経験を適用できることもあるし、知財業務へ還元できる学びもあります。異分野で知財経験を活かすことは、R&DスタートアップであるPxDTのスピリットに通じると思っています。個人レベルでR&Dスタートアップを実践している感覚です。
今の僕には「落合陽一の弁理士」という看板がついて回ることもありますが、これを「知財のパーフェクトオールラウンダー」に書き換えることが目標です。

大企業からスタートアップへ転職・・って不安じゃないですか?採用面接から野望まで全部聞きます!(ピクシーダストテクノロジーズ 木本&片山先生)あしたの知財 Vol.10

前提知識(ワールドトリガーのジョブ)

ワールドトリガーには様々なキャラクタが登場するが、この記事のテーマである「パーフェクトオールラウンダー」は、特定のキャラクタではなく、キャラクタの役割(ジョブ)を指す言葉だ。

ワールドトリガーのジョブは、以下の4つに分類される。

  • アタッカー
    接近攻撃を得意とする。
    アタッカーは、自身のトリオン(キャラクタが持つエネルギー)を剣に変えて攻撃する。

  • ガンナー
    中距離攻撃を得意とする。
    ガンナーは、自身のトリオンを銃と弾丸に変えて攻撃する。

  • シューター
    中距離攻撃を得意とする。
    シュータは、自身のトリオンを弾丸に変えて攻撃する。
    シュータは、ガンナーと違い、銃を使わず、且つ、弾丸に特殊効果を付与することができる。

  • スナイパー
    長距離攻撃を得意とする。
    スナイパーは、自身のトリオンをライフルと弾丸に変えて攻撃する。

パーフェクトオールラウンダー

「オールラウンダー」とは、上記4つのジョブを満遍なくこなすキャラクタのことだ。
そして、「パーフェクトオールラウンダー」とは、上記4つのジョブの全てをハイレベルでこなすキャラクタを意味する。

「パーフェクトオールラウンダー」になるためには、各ジョブのランキングにおいて上位に入らなければならない。
そのためには、自分の得意なことを伸ばすだけでなく、苦手なものにも迷わず挑戦し、全てのジョブに求められるスキルをコンプリートする覚悟が求められる。

作中でも当然に「オールラウンダー」と称されるキャラクタはレアであり、その中でも「パーフェクトオールラウンダー」はごくわずかである。

スタートアップで知財家がパーフェクトオールラウンダーを目指す理由

以前、弊ブログで次のようなことを書いた。

スタートアップで知財家がハマるポジション
 ゲームメイカー
 ボールボウイ
 バランサー

弊ブログ「This is startup - スタートアップで知財家がハマるポジション -」

その詳細は、こちらの記事を参照いただくとして、一言で言えば、スタートアップで知財家がハマるポジションは、ジェネラリストである。
そして、ジェネラリストの頂点を指す言葉が「パーフェクトオールラウンダー」。

知財家の能力が発動する領域は、一般的な知的財産領域に限定されるものではない。

知財家は、INPUT(例えば、発明提案書の記載)を概念的に脳内で拡大しながら、拡大後の概念を言語化することができる。

知財家が自らの専門性というINPUTを概念的に拡大することは、知財家の本質に即している

スタートアップには人が不足している。

そんな環境下に知財家がいれば、周囲は「知的財産の専門家」として見るし、アンタッチャブルな専門職として見てしまうだろう。

つまり、周囲から「ジェネラリストであれ」という期待を受けることはない。

だからこそ、知財家自身に越境マインドがない限り、「知財はいつまでたっても知財のまま」に留まってしまう。

知財の可能性を拡げるには、知財の外の人に知財を知ってもらうよりも、知財家が外に出る方がはるかに簡単だ。

その先にある旗印が「パーフェクトオールラウンダー」である。

むすび

特許の専門家としてジョインしたスタートアップで、特許以外の仕事の比率が日増しに高まっていく。

スタートアップが成長すればするほど、やるべきことが増える。

日増しに増える「やるべきこと」の全てに、特許業務で培った経験が通用すると思っている。

パーフェクトオールラウンダーを目指して、日々の局面に合わせてプレイスタイルを選択する方が、僕には合っている。

「スペシャリストでありたい」という葛藤と向き合いながら。

This is startup.

参照

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