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福祉の仕事

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仕事中に気づいた発見や喜びを書いています。
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2023年6月の記事一覧

ブルーベリー狩りも三年目

ブルーベリー狩りも三年目

職場の障害者施設でブルーベリー狩りをする季節がやってきた。

 
今年で参加は三年目になる。
私が転職した年から始まった行事だから親しみがわいている。

 
「俺らが先に行くから、真咲さんらは少し遅れて来て。」とリーダーに言われ
少し遅れて出発した。

リーダーはカーナビで行くと言ったので
私らはカーナビの道より少し遠回りをしていこうと思った。

 
私はそのブルーベリー狩りの場所をよく知っていた

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私もその利用者が好きだ

私もその利用者が好きだ

ある利用者は調理師と看護師が大好きだ。
更に年配だとより好みらしい。

 
愛情表現が分かりやすい方だ。
好きな職員や保護者、見学者が来ると走っていき
ニコニコ笑って思い切り手を振る。かわいらしい。

 
私は調理師や看護師ではないが、波長が合うのか
彼女らほどではないが個別に何回も笑顔で挨拶をしてくれる。

なお、好みの対象以外の職員に対しては挨拶をされたらおざなりに挨拶をするくらいだ。

 

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ここで働く理由

ここで働く理由

「今度改めて“どうしてここに来ているのか?”を掘り下げていきたいと思います。利用者だけでなく、職員も。」

ある日新施設長が言った。

 
どうしてここに来ているのか。
どうしてたくさん福祉施設がある今、ここを選んだのか。

 
利用者Aさんはやりたい作業があるから。
Bさんは職員と話せるよう、忙しすぎる施設は嫌だったから。
Cさんは保護者の要望もあるだろう。

 
利用者に関しては
話せる人に関

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同イベントへの出店も3回目

同イベントへの出店も3回目

私は障害者施設で働いている。

毎年この時期に行われるある販売イベントは年間でも1位、2位の売上に繋がるので力を入れていた。

 
ディスプレイを一新したり、新製品を何種類も作ったり。
他の福祉施設もたくさん出店するので負けられない。

 
私は販売担当だからか、たまたまか
毎年このイベントに出勤していた。

転職三年目だから、今年で三回目となる。

新しいイベントは勝手がよく分からないが
このイ

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得意分野はなんですか?

得意分野はなんですか?

今年度から、施設で選択活動の時間を作ることにした。

学校でいう選択授業やクラブのように好きなものを選び、楽しく活動するという。

 
そこで、選択余暇の前に職員に得意分野を聞かれた。どの内容を担当したいか、という事前聞き込みだ。

 
紙にはズラッと書かれた余暇活動があった。
10種類はある。
そこに書かれていない余暇活動でも提案、担当していいらしい。

 
どれどれ、と見てみた。
その内の一つ

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それぞれの父の日

それぞれの父の日

連絡帳は書いた人(主に母親)の性格や家庭の様子が分かりやすい。

筆まめな方は休日にどんなことをしたり、出掛けたか教えてくれる。

 
利用者Aさんちはとある土曜日に蟹を食べに行き、日曜日は他県に出掛けている。

出掛けるのが好きなご家庭だ。
家族仲の良さや金銭的余裕さが伝わる。

 
カニ、と聞いてまず思い浮かんだのは
数日前のダンスの時間だった。

 
PUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」の

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元保護者と元利用者との再会

元保護者と元利用者との再会

前の職場に勝ち気で美人な保護者がいた。
私の担当利用者の親だった。

 
立場が上だろうとなんだろうと
納得がいかない時はズバズバ意見を言ってきた。

 
隙を見せられない相手だと周りから警戒されていたが
私はその保護者が好きだった。信念があったから。

 
私が頑張れば、その分評価してくれた方でもある。
いいところも悪いところもよく見ている人だった。
私を信頼し、頼ってくれた人だった。
人情家で

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Gが飛び出る金曜日

Gが飛び出る金曜日

週の終わりの金曜日。

日曜日に販売イベントがあり
ディスプレイや値札を一新する予定だったので
販売担当の私はワタワタしていた。

 
新ディスプレイを実際に販売で試すのはリーダーだ。

「値札を手書きからパソコン打ちに変更して作ってほしい。」と私に言ったのはリーダーだし

「新しいディスプレイのやり方を利用者に教えてほしい。」と言ったのもリーダーだ。

「今度の販売物を真咲さんに用意してもらいた

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懐かしい下請け作業

懐かしい下請け作業

他施設の会報誌が送られてきた。

 
行事や作業の紹介が書かれていて
そこに、懐かしい会社の名前を見つけた。

そのA会社の下請け作業は
かつて前の職場の施設でやっていた。

 
その時の作業風景が浮かぶ。
一人懐かしくなる。

 
 
それから数日後
今度はいきなり前施設長から「真咲さん、B会社にコネある?前の職場で仕事やってたよね?」と言われた。

 
久々に聞いた会社の名前に心臓がドクンとす

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私と骨折⑪【送迎復帰】

私と骨折⑪【送迎復帰】

骨折をして骨が9割くっつくまで三週間かかったわけだが
骨がくっついてから三週間以上経った今でも

元には戻っていない。

 
歩行ごとに痛みがある。

筋肉痛のような疲れも出やすい。

階段は早く上り下りできるようになりつつあるし
早歩きもできるようになりつつあるが
走れない。ジャンプもできない。

右足はしっかり指を曲げることができるが
左足は同じ動きをしようとするとプルプル震える。

 
一万

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施設長の復帰

施設長の復帰

前施設長が約一年ぶりに仕事に復帰することになった。

 
約一年とはいっても
その期間中、新施設長や事務長はよく仕事の関係で会いに行っていたようだし
仲の良い同僚はたまに会いに行っていたようだし
そんな彼等から話を聞いてはいたので
一年はあっという間だった気がする。

 
そもそも復帰する二ヵ月前から職場に顔も出す回数も増えていたから
ようやく、といった感じさえある。

 
顔を出しても
現場には

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リーダーの理想、私の現実

リーダーの理想、私の現実

その日、私はパソコンをしていた。

 
リーダーも隣でパソコンを始めた。
パソコンを立ち上げた瞬間、新施設長がリーダーに「仕事邪魔していいですか?(笑)」と笑いかける。

新施設長が某利用者のことや今後の施設の行事について聞いてきた。

 
リーダーはペラペラ自分の意見を述べる。
仕事に信念がある人だなぁと思った。
意見が次々に流れるように出るのだから。

 
私は口を挟まなかったが
パソコンをし

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