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日記

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#ひとりごと

いちめんの鰯雲

いちめんの鰯雲

 音楽ってすごいと思う。その曲を聴いている間、教えてくれた彼のことをどことなく感じる。繰り返すたびにからだに馴染んでいくメロディーになんとなく夕暮れが寄せてはかえすようで、やさしくなれる。

 ということで、最近はずっとoasisの、champagne supernovaを聴いている。部屋を真っ暗にして夜に聴くと心の底をゆっくり揺らされるみたいな心地になる。そう言っていたからわたしもそうやって聴く

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シルエット

シルエット

 恋の重さはその溶け方でわかると思う。

 島本理生さんのデビュー作、「シルエット」を昔読んだ時にそう感じたことを思い出す。夜、本棚を整理していてまた読み返してしまった。ほんとうに美しい恋の失い方だ。
 主人公の女の子と元恋人の付き合っていた時の距離も、ずれに気づかぬふりをしている時の距離も、それからぬくもりを求めた相手との距離も、すべてが静かに移ろいつつあって、雨のようで。
 特に、始まり方が美

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みどりいろの目の彼女

みどりいろの目の彼女

 右の手首が痛む。それは、怪我をしているからだ。ガラス瓶がおちる、ひとつ、ふたつ、その瞬間両腕はそれを支えるためだけに差し出された。そしてひとつ、右手首に傷を残した。あとは、元通りとなった。 

 右手首は、動かすと痛む。特に上向きにすると痛む。下向きだとそれほど痛まない。文字を打っている今はその角度にふれて、とびとびに痛む。からだらしい痛みの動きだ。それほど深い傷には見えないのに、やはり大切な部

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ひぐらしの鳴く頃に

ひぐらしの鳴く頃に

 サイレントサイレンの八月の夜が耳から抜けない。世代でもないけれどなんとなく聴きたくなって、それから抜けない。模造品のきらきらがあっけなく砕け散るようなキュートな歌だ。夜というよりも、1週間、という感じのする歌だ。それから、わたしはカニよりエビが好きだ。

 「ひぐらしのなく頃に」を解まで見た。感想を書きたいけれど、そもそも過剰にグロかったりエロかったりが苦手なわたしとしては辛かった、グロさの意味

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