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いつかのあの木を想う

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処女詩集
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2023年9月の記事一覧

蟲 

蟲 

峠幾つも
越えては進む
懐かし詩集
携え進む

沸き立つ孤独
高鳴れ鼓動
蟲の音響く
闇夜の森よ

帰り路に
お茶でも一寸
約束果たせず
おうちへ帰る

沸き立つ孤独
高鳴れ鼓動
蟲の音知らす
光夜の森よ

朝まで話し
焚火を蒸しや
おいもを焼いては
もぐもぐ食べる

沸き立つ孤独
高鳴れ鼓動
蟲の音知らす
偉大な森よ

秋の聲 New ver.

秋の聲 New ver.

おいらを待つのは秋のやさしさ
とんだなまけもののおいらは
しようがないとため息をついて
外に出られぬ夏を過ぎて
またやがて秋と遭うだろう

秋になると
響きたるウクレレの音 
それは友達の調べ
小さな小さな無花果が
あの木になるとき
きみに聴かせたい歌をひとつ
歌おうと思います

少女があの山のそばで泣いている
あなたが昨日夢で見た
こわいおばけとやらは
おいらはそんなに恐いとは思わない

海では

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秋草風 しゅうそうふ

秋草風 しゅうそうふ

あきいろのかぜふいたら

あなたとあぜみちあるいている 

こおろぎもきようはどこかおとなしい 

またさんまをやいているおばあちゃん

しあわせをすこしかんじながら

いちじくのはやしは 

ほんのすこしだけいろづいて 

あきのやさしいひかりたちがほら

きみのわらうかおを 

おおきなみずうみにうつしている  

もしもないていたなのなら

わたしのことすこしおもいだして 

あいをう

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似顔絵

似顔絵

小さなさかなが見慣れた池泳ぐ
秋の木の葉があなたの頬撫でる
あなたの手が温かくてやさしかつたのは
このほしの神秘だと気づいた

ぼくの描いた似顔絵見てくれたのかな
あなたの手紙を待つてゐる
あなたと過ごしたこの町で

あなたが嘘をついた日から
なんのために息をしているのかわからないから
哀しみなんてチンケに響くわたし
1日だけあなたとまた暮らしたいつて思うのは
わたしがしあわせだつたからでしょうか

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靴下

靴下

メリー・クリスマス
虹色の魔法につつまれた
あなた指先から流れ出す
ケーキがシフォンに変わつて
あなたのほつぺは落ちる

白い雪が落ちてくる
まるでプレゼントみたいだ
靴下用意しなきやいけないね
あなたに編んであげたクリームのセーター
それはとても似合つてる

メリー・クリスマス
町はなんだか浮き足立つていて
ぼくのこころは空の上
あなたはマドレーヌのようにあまくてやさしい
今日は苺に逃げられたく

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