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徒然

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#バイト

【バイト奮闘記⑩】必要とされてこそ存在する

【バイト奮闘記⑩】必要とされてこそ存在する

そろそろ慣れてきた。

いや、慣れては来ていた。初回の方からずっと、ただ、前より臨機応変に対応できるようになってきたのだろう。
11月最後のB店でのバイトは、それなりにお客さんが来た。
その日は、いつものMさんとミーティング以来初めての同じシフトになったKさんとの3人で回していた。

A店のもやもやはまだ残っていた。

Kさんは、私と同様にA店から謎の派遣をされてB店に来た人だ。
私の一つ下の大学

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【バイト奮闘記⑨】辞めれなかったっぽい?

【バイト奮闘記⑨】辞めれなかったっぽい?

辞めるって決めた。
張ってた気が緩んだ。
仕事が上手いこといった。

勤労感謝の日、祝日のバイト。
私は土曜日のバイト後に苦しすぎて「もう辞める」と決めていた。
死にたくなる場所では生きていく必要が無い。私の人生はそこまで余裕が無い。

とはいえ、『バイトを辞める』という行為は初めてで怖かった。どうやって辞めればいいかも実に迷う。
A店を辞めたい。
B店で働きたい。
とりあえず、B店のシフトは土曜

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【バイト奮闘記⑧】自分を嫌いになる場所と好きになる場所

【バイト奮闘記⑧】自分を嫌いになる場所と好きになる場所

自分を嫌いになる場所にはいなくていい。

土曜日の居酒屋は忙しい。
18時になり始まったA店のバイトは、人生で初の生理中でのバイトであった。

午前中からお腹が痛くて、唸っていた。
私の生理は重い方ではないだろう。たまに、定期的に、酷く痛む時がある。
フラフラと力が抜けて、頭痛がしたり、貧血で倒れそうになったり。
よくある症状だろう。
それなりに対処もしてきたから、重くない方である。
だけどやっぱ

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【バイト奮闘記⑦】何やらせても上手いなぁ

【バイト奮闘記⑦】何やらせても上手いなぁ

もうこの店だけで働きてぇ

日曜日は臨時でA店の昼営業のバイトに行った。
基本的に寡黙なタイプの店長、研修がないため適宜説明をしてくれる。

だから、夜営業と同じだと思って接客を始める。
掃除して、伝票持って、丁寧に対応をする。

前回、せっかちだと言われてから、私に出来るのは丁寧に元気よく笑顔で対応することだけだと思った。
それしか出来ないんだ。
せっかちなら、できるだけ丁寧にすることでゆっくり

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【バイト奮闘記⑥】私はせっかち?

【バイト奮闘記⑥】私はせっかち?

「少しせっかちだね」

久しぶりのA店でのバイトが始まる。メモ帳に書いたように開店準備を進める。
メニューの中身入れ替え。
机を消毒。
皿と箸をセッティング。

ガラガラ…

それらを終える前に、ドアが開いた。夫婦二人のご来店だ。
アルコール除菌と検温のご協力をお願いして、席に着いてもらう。お手ふきと伝票を取りに戻り、ドリンクの注文を取る。
比較的順調だ。
生ビールの作り方は忘れてはいなかった。だ

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【バイト奮闘記⑤】閑話とはこの事

【バイト奮闘記⑤】閑話とはこの事

一般人とはこういう人の事なんだろうな。

土曜日、授業が終わって1時間後に私はB店に向かう。
因みに、授業ではニュースの見出しを集めてきて、自分でテーマを決めた雑誌の見出しとして並べてみよう、というようなことをしたのだが、これが絶賛されたのである。とても嬉しい。
内容としてはこんな感じ。

特集①
特集②
連載(仮想、妄想可。実在人物に書いてもらうとしたらというのもOK)
企画
定番企画(仮想、妄

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【バイト奮闘記④】私が全部悪いんでしょうか

【バイト奮闘記④】私が全部悪いんでしょうか

初めてのバイトでしていいことなんて分からない。

金曜日、B店初日のバイトが始まった。
4限分授業があった体でそのままバイト先に着いたのは、7時だった。
今日のスタッフは、3人。
以前からここで働いていてキッチンを専門にやっているMさん。
新人で前日の木曜日が初日だった男子高校生Rくん。
そして、私だ。

Mさんが大体の指示をしてくれ、それを私とR君がこなしていく。
いずれ、私たちだけで回せるよう

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【バイト奮闘記③】知識が増えるということは

【バイト奮闘記③】知識が増えるということは

IT化ってすげぇ……。

私は、初バイトを終え翌週の11月1日に別のバイトのミーティングに出ていた。

この2つからも分かるように私は居酒屋であるこのお店に面接に行っただけである。この店をここではA店と呼ぶことにしよう。
それが何故、別店舗Bにもバイトに行くことになっているのか。
私にも分からない。
ただ、Aの店長に「Bがバイト募集してるから入れる?とりあえず一日にミーティングがあるから出て」と言

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【初バイト奮闘記②】お酒が飲めない人間のお酒提供

【初バイト奮闘記②】お酒が飲めない人間のお酒提供

小柳とかげは激怒した。必ずかの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。とかげにはお酒がわからぬ。

お酒がわからぬのだ。

猫を轢きかけながら、自転車で街を走り抜ける小柳とかげは初めてのバイトに遅刻しかけていた。
開かずの踏切に阻まれ、また別の場所で信号に引っかかり、獣の匂いがする道を通った。

そしてようやくたどり着いたバイト先。自転車をどこに止めて置くべきか聞くのを忘れていたが、いつもの場

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【初バイト奮闘記①】 始まる以前の始まり

【初バイト奮闘記①】 始まる以前の始まり

人生初のバイトは唐突に。

10月12日火曜日、私は家出をした。家にいることが苦痛だったから、友達の家に泊まりに行った。きっと、多くの人にとってはただのお泊まり。だけど、私にとっては大きな変化だったんだ。

大学に入学したのは、コロナが始まった年だった。

そもそも高校の卒業式もコロナにより規模を縮小して行われたし、大学は入学式も行われなかった。
だから、入学してない可能性もある。

だけど、やっ

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