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【バイト奮闘記③】知識が増えるということは

IT化ってすげぇ……。

私は、初バイトを終え翌週の11月1日に別のバイトのミーティングに出ていた。

この2つからも分かるように私は居酒屋であるこのお店に面接に行っただけである。この店をここではA店と呼ぶことにしよう。
それが何故、別店舗Bにもバイトに行くことになっているのか。
私にも分からない。
ただ、Aの店長に「Bがバイト募集してるから入れる?とりあえず一日にミーティングがあるから出て」と言われただけなのだ。
同じ敷地内にある別のお店だ。
正直、私はバイトを始める時このふたつのお店どちらにようか?と思っていたので、ラッキーといった気持ちである。

A店のバイトは月に3日しか入らない。
掛け持ちをしたいほどお金が欲しいとかは無いのだが、まあ、ありがたい話だ。覚える量が倍になるのはきついけれど、どうにかなるだろう。

そうして行ったミーティング。
私と同じようにAから派遣された女の子がいた。
そして、高校生の男子が1人。
あと、バイトの女の子がもう1人。
なんの説明がないので、これがどのような場なのか分からなかった。
名前を名乗り、バイトいつ入れるかを伝えた。
すると、リーダーと呼ばれる女性が現れ、レジの打ち方を教え始める。

なるほど、研修日のようなものか。

集まった人は皆、新人バイトであり一度に教えてしまおうという魂胆。とてもいいじゃないか。

「これはLINEのノートに書いてあるから改めて見直しておいて」
「これも映像あるから確認しておいてね」

マニュアルがあるんですか?!

初バイトであるA店は、接客をしながら口頭で教えて貰っていたため、私は「ワアアアアアア」と発狂する手前にいた。家に帰って、思い出しメモを丁寧に書いてやっと少しだけ覚えれるか、覚えられないか、そんなレベル。
それに比べて、こちらは全部丁寧に教えてくださって、しかもデータとして見れるんですか?
最高ですね、ありがとうございます。
内心私は歓喜していた。これなら、掛け持ちも余裕だ。むしろこっちの方が楽そうでいいな。なんて思っていた。

「注文の取り方なんだけど」
その言葉と共に現れたのは伝票ではなく、スマートフォンであった。
レジアプリで、注文されたものを押せばそれでいい。減らすのも増やすのもこれ1台でいい。ピってスライドすれば、キッチンでも注文一覧が出る。

なんて簡単なんだろう!

一瞬で理解出来る、分からなくなっても見れば大体わかる。IT化って最高ですね。こんなに簡単にやるべきことが出来るだなんて。

A店は店長も優しく、料理も美味しく素敵なのだが、実にアナログなのだ。困ったことに、30種類以上ありそうなお酒の一覧やその配合量を示したものもなく、私は途方に暮れそうになっていた。

ところが、B店はどうだ。
スマホで打ち込んだ注文が、レジにも登録されているからピッピッと押せばいいだけ。打ち直しの必要が無い。全てデジタルである。
分割払いも簡単に出来る、クレジットやPayPayの対応は同じく少し難しいけど、表示通りに進めばなんの問題もない。

今どきってこういう感じなのか。

私は何も知らなかったんだ。
やっぱり思い知らされる。
そして、B店でも働けることに感謝する。
A店は根本的な要素の勉強になる。お酒の種類も沢山あって大変だけど、それだけ知らないことを教えてくれる。本当に丁寧に「日本酒は純米酒と吟醸酒にだいたい分けられて……」とお酒好きには当たり前で常識なことを無知な私に1から教えてくれる。
B店は現代的な注文のとり方の勉強になる。夜は3人で回すため交流もできる。キッチンもホールもやることになる為、ご飯のレパートリーも増える。
どちらにもいい事がある。
本当にありがたい。
私は無知なんだと感じさせてくれるだけでなく、知識を入れてあげようと対応してくれてありがとう。

これで、妄想だけの描写じゃなくなるぞ!

1時間ほどで、ミーティングという名の講習会は終わり、この日の給料も出るそうだ。当たり前なのかもしれないが、有難いことだ。

「まかないもちゃんと出るからいっぱい食べてね!」
「残った破棄することになるお惣菜は持って帰ってもらうからね!」
「働いているうちに2、3キロ体重増やさせるよ!」

店長と思しき人が言う。
なんだこの、古き良き食堂みたいな発言は!
幸せな気持ちになる。

ありがたい。
上手いことやっていけそうだ。

次回!ハンバーグ地獄と忙しすぎる末に訪れた悲しみ。

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