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2022年12月の記事一覧
【論文レビュー】組織社会化戦術の先行研究:小川(2006)
組織社会化戦術とは「役割から役割への移行における個人の経験が、その組織の他者によって構造化・組織化される方法」(Van Maanen & Schein 1979, p.230; 小川 2006 p.66)のことで、すごくざっくり言えば企業が新しく入ってきた社員の組織社会化を促すための施策のことです。組織社会化戦術に関する先行研究群についての小川先生のまとめもまた勉強になります。
Van Maan
『鎌倉殿の13人』を今更イッキ見する出遅れ勢のためのガイド【ネタバレ無し】
『鎌倉殿の13人』の最終回を12月25日の日曜日に見た。
放送日の1週間後だ。出遅れにもほどがある。
でも、違うのだ。
私が『鎌倉殿』の第1回を見たのは、最終回の放映後だった。
つまり、全48回の大河ドラマを1週間でイッキ見したのだ。
正確には6日間で見てしまった。
約34時間を1日6時間弱、8話ペースで見てしまった。
1日5カマクラの日もあれば、10カマクラを超えた日もあった。
起きたら1~2カ
福島の復興シーンのかかわる性暴力事件について (追記:復興シーンでハラスメントが起きるだろうと思っていた理由)
福島復興をテーマに演劇活動を行ってきた劇作家による、被災地出身の女性への性暴力に対して、告発と提訴がなされました。
告発された劇作家側は、全面的に否認し、法廷で争う意向とのことです。
性暴力の被害に対して、第三者である人間がどの程度コミットすべきかは判断が難しく、書くことにためらいはあるのですが(第三者が介入することによって、被害者への被害がさらに拡大することを懸念しているのであって、「
【読書メモ】統計に苦手意識を持つ人が、統計が得意な人に相談するための本:『統計嫌いのための心理統計の本:統計のキホンと統計手法の選び方』(白井祐浩著)
新入社員の時に、周囲の先輩に相談しようとしても、的を射た質問ができずに、「そこを知りたいわけではなかったんだけどなぁ」という経験を持つ方も多いのではないでしょうか。ある事象を相談するためにはその事象についてある程度知っていないと相談できない、という逆説的な状況は世の中によくあるものです。本書は、心理統計に苦手意識を持っているのだけれども(が故に?)、うまく質問できないなーと思っている方にとって大変
もっとみるワークショップって何なの?と聞かれたときにおすすめしたい本、10選
この記事はWSD(ワークショップデザイナー育成プログラム)修了生のアドベントカレンダーWSD Advent Calender2022の15日目の記事です。担当はWSD35期ブルーコース修了のみたむらです。
ちなみに去年のアドベントカレンダーでは同じくWSD修了生で同僚のもっくんと相互インタビューして書きました。
今年は、社内で取り組んだ連続ワークショップの振り返りについて書こうと思っていました
【論文レビュー】「組織から支援されているなぁ」と社員が認識するとどんな良いことがあるの?:Rhoades & Eisenberger (2002)
仕事をしているときに「あー、組織から助けてもらっているなぁ、助かるなぁ」と感じることがあると思います。このような、組織から支援されているという認識のことをPerceived Organizational Support(以下POS)と言います。POSが何によって影響され、POSが何に影響を与えるのかについて、70本以上の論文をメタ分析したレビュー論文の紹介です。
まずは理論からPOSの背景には、
MBTIとBig Five:性格テストどうしの関連
MBTIという心理検査があります。これは,ユング理論に基づいた4つの指標をモデル化した得点を算出し,そこからタイプを導く検査です。
MBTIは人々を16のタイプに導いていくことから,わかりやすく根強い人気のある検査です。しかし,類型論の長所が「わかりやすさ」にある一方で,類型論の短所には「おおざっぱさ」「無理やりカテゴリに分類すること」「典型的な人がまったく存在しなくても『そのタイプ』と極端に評