安東量子

作家・NPO福島ダイアログ理事長 『海を撃つ -福島・広島・ベラルーシにて』(みすず書房) 『スティーブ&ボニー ー砂漠のゲンシリョクムラ・イン・アメリカ』(晶文社) ここでは、主として福島復興にかんする話題や雑多に感じることなどを書いています。

安東量子

作家・NPO福島ダイアログ理事長 『海を撃つ -福島・広島・ベラルーシにて』(みすず書房) 『スティーブ&ボニー ー砂漠のゲンシリョクムラ・イン・アメリカ』(晶文社) ここでは、主として福島復興にかんする話題や雑多に感じることなどを書いています。

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      主として、福島、原発、リスク・コミュニケーション、科学技術、エネルギー、復興にかんする気になったニュースとそれに対するコメント。

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      日記のようにその時々の感じたことを書きます。予告なく削除することがあります。

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      福島復興や原発事故、放射能リスク問題について、少し形になったものをまとめました。復興の現場を経験し、事故からずっと経緯を見てきた視点から書いてあります。

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    『スティーブ&ボニー 砂漠のゲンシリョクムラ・イン・アメリカ』(晶文社)12月20日発売!

     先日お知らせした2冊目の著書の発行日が決まりました。  版元の晶文社のサイトにもお知らせが出ていました。12月20日です。(税込1,980円)  昨夜、Twitterに少しふざけて、要約を自分で書いてみたのですが、あらすじとしてはまちがっていないかな、と思います。「コメディ」と言い切ると、言い過ぎかもしれないですが、それくらいの感覚で手に取ってもらっても、「だまされた!」とは思われないだろうと思ってます。  今回の目標は、楽しんで最後まで読み切れるものにする!でした。

      • ニュース✔︎:東電強制起訴裁判(刑事)高裁判決を見て

         最近はnoteを更新する余裕もあまりなくて、記事をほとんど書いていないのですが、東電経営陣の原発事故に対する刑事責任を問う裁判の交際判決が出されたことについて、感じたことを書きます。  判決は、「無罪」ということでした。  先に経営陣の責任を認め十三兆円の賠償を命じたのは、「民事裁判」で、今回は刑事責任を問う刑事裁判です。  刑事責任の場合は、民事に比べると立証責任がより厳しく、瑕疵が犯罪とまで言いうるか、というところが争点となるので、法律の枠内で、刑事罰を与えるほど、経

        • 【2023年頭初感】生きることを意志すること

           昨年は、年の終わりから年末にかけて大きなイベントが相次いで、バタバタとした年の終わりになりました。私にとっての原発事故からの集大成ともいえるものもいくつもあって、大きな区切りとなる年であった、と思います。2022年は、世界的にも大きな転換点となる年になりましたが、私個人の人生にとってもそうなりました。  順にご紹介していきます。 『末続アトラス 2011-2020: 原発から27lm --狭間の地域が暮らしを取り戻す戦いの記録』発刊  2012年からいわき市末続地区で

          • 2022年 note 記事アクセス ベスト10

             ことし一年は、世界的にも日本国内でも大きな変化があった年になりました。個人的にな変化もとても大きく、こちらについてはまた別にまとめようと思いますが、ことし1年間、自分のどんな記事が読まれたのかを見て、1年間をかるく振り返ってみようかと思います。  アクセスベースなので、記事そのものは、2022年以前に書かれたものも含まれています。 第1位   2022年元日に書いた記事です。自分の書いた記事のなかで初めてnoteの公式おすすめに紹介されていたりして、圧倒的なアクセス数で

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            福島の復興シーンのかかわる性暴力事件について (追記:復興シーンでハラスメントが起きるだろうと思っていた理由)

             福島復興をテーマに演劇活動を行ってきた劇作家による、被災地出身の女性への性暴力に対して、告発と提訴がなされました。  告発された劇作家側は、全面的に否認し、法廷で争う意向とのことです。  性暴力の被害に対して、第三者である人間がどの程度コミットすべきかは判断が難しく、書くことにためらいはあるのですが(第三者が介入することによって、被害者への被害がさらに拡大することを懸念しているのであって、「どっちもどっち」や「判断は司法にまかせるべきだ」と言いたいわけではありません)、

            『末続アトラス 2011-2020: 原発から27kmー狭間の地域が暮らしを取り戻す闘いの記録』刊行について

             2012年から始めた末続地区の放射線測定事業を記録誌にまとめました。 http://ethos-fukushima.blogspot.com/2022/11/2011-2020-27km.html  フリーの編集者柳瀬徹さんにお手伝いいただいて、これまで郷土史でもまとまった記述のなかった末続地区の歴史的な沿革から始まる内容になっています。  これは末続に限らず、すべての被災地に共通することだと思いますが、過去の経緯と社会的基盤が被災後の対応に大きな影響を及ぼします。また

            予告:新著12月に刊行します

             晶文社から、12月中旬に新著を刊行します。  『スティーブ&ボニー  --砂漠のゲンシリョクムラ・イン・アメリカ』というタイトルで、内容は、2018年にアメリカのハンフォード・サイトを訪問した時の滞在記です。  マイキャッチコピーは、「ハート・ウォーミングなゲンシリョク・ロードムービー エッセイ」(ちょっと長い)です。前回の『海を撃つ』の読後感が重い、という感想が多かったので(テーマ的にしかたなかったのですが)、今回は、読み終えてほんわか、を目指しました。  担当の編集者

            福島復興あれこれ:安倍政権と福島復興

             2021年に現代ビジネスに処理水に関連して、安倍氏の福島復興政策について記事を書かせてもらったことがある。 「福島原発「水」の海洋放出、安倍前首相が「問題を放置し続けた」ことの大きな責任」  そこでも書いたけれど、私は安倍氏の福島復興政策を評価していない。というよりも、端的に、そこには「政策」と呼びうるものなどなかった、と評価している。  「政策」が必要とされたのは、思いつく限りでも、放射能対応に始まり、処理水の処分問題、帰還困難区域対応、避難指示解除区域の将来像、原

            雑感:著書を出した後に変わったこと

             2019年に著書を出した後、初対面の人にたまに「知っています」と言われることがある以外は、特段生活に大きな変化があったわけではないのだけれど、ひとつだけ、はっきりと変わったなと思うことがある。  わたしの原発事故の後からの一貫した姿勢は、その場所で暮らす生活者を尊重し、支援する、ということだった。とは言っても、別にここで暮らさなくてはいけない、と思っていたわけでもない。  原発事故のあとの福島は、はっきりいって大変だった。放射能だけではない。とにかくひたすら、いろいろと

            雑感:美容院での喫水線をめぐる会話

             年齢を尋ねると、彼は28歳だと答えた。  10席ほどの椅子と鏡が並べられた店内は、ひととおり席は埋まっているものの、高い天井と全面ガラス張りになった壁のおかげで、混み合っている感じはしない。それでも、パーティションで区切られているとはいえ、耳をすこしそばだてれば、臨席の会話はまる聞こえだ。そんなことはおかまいなしに、彼は話し続ける。  だって、ちょっと関係あるとかじゃないですよ、もうあの人たちズブズブじゃないですか。信じられないですよね。日本の中心の人たちがあんなズブズブ

            ニュース✔︎:「寄り添う」という言葉の裏側にあるもの

             かなり前の話になるけれど、国の避難指示解除を担当していた人と話していた時に、こう伝えたことがある。  「戻りたい」と言っている高齢の避難区域の人は「元の暮らしに戻れる」と思って「戻りたい」と言っている人が相当数いる。元の暮らしに戻れる、と思って避難先の生活を捨てて戻ったらまったく違った、ということになったら、故郷を2回、もしくは3回失うような経験をすることになる。それはあまりに残酷すぎる。せめて、戻る前に戻ったあとの生活状況がどうなるのかきちんとイメージできるようにしない

            福島復興あれこれ:復興庁の風評対策の問題点

             風評については、いずれまとめたいと思っているのですが、復興庁があたらしく風評対策の有識者会議を立ち上げるということで、かんたんに現在問題だと考えていることを記載しておきたいと思います。  「SNSの専門家に知恵を出してもらい(海洋放出の安全性などについて)より効果的に伝わるための手法を検討する。特に若い人に関心を持ってもらいたい」とのことですが、これは、手段と結果を取り違えた、極めてまずい発想だと思います。  なぜ「風評」が問題となるのか。第一、かつ最大の問題は、それが

            福島復興あれこれ:記憶が不在の街

             双葉駅前に初發神社という小さな神社がある。震災のときに社殿が傾き、社の名前を刻んであった石標も折れていたものを氏子さんたちがもとの形に再建して、いまは端正な姿を取り戻している。  昨年、双葉駅前に行く用事があったときに、たまたま氏子さん何人かが同席していて、ご案内していただくことがあった。どこが壊れていたのをどう直した、という解説をしながら、自然と会話の合間合間に、昔話が挟まれる。神社外周の玉垣に刻まれた名前を見ながら、この人はこうで、おやこの人も寄進していたんだな、から

            読書感想文:中谷内 一也『リスク心理学 ─危機対応から心の本質を理解する』(ちくまプリマー新書、2021)

             私ごと、この春から放送大学の大学院でリスク学の勉強をしている。原発事故のあと、自分がしてきた放射線測定に関連する活動は、一般的には、「リスク・コミュニケーション」というジャンルに該当する。自己流で四苦八苦しながらしてきた活動が、大枠ではリスク学にカテゴライズされることがわかったので、自分のしてきたことの意味を学術的に整理しておきたい、というのが大きな動機だ。  ただ、それとは別に直接の動機がもうひとつある。   2021年に朝日新聞社の論座に、以下の記事を書かせてもらった

            読書感想文:齊藤誠『震災復興の政治経済学』(日本評論社、2015)

             誰もが奥歯に物が挟まったように言葉を濁すばかりで、はっきりと言わないけれど、福島の復興政策はうまくいっていない。いったいなにをどうすればいいのかわからないまま、やみくもに予算を投下してきたのだから、うまくいくはずもないのだけれど、その違和感をエビデンスに基づいて示すなんてことは、私の能力を超えている。そう思っていた。  ところが、2015年の発刊の本書のなかで、すでに圧倒的なデータに基づいて示されていたのだった。  研究者の書いた一般書のなかには、慧眼に富んだものも、博

            福島復興あれこれ:続々・国際研究拠点のこと

             国際研究拠点の理事長が発表になったようです。国立大学協会の副会長ということですので、アテ職のような形で復興庁から頼まれたのではないかと推察します。福島県側のトーンがずいぶんと下がっていますので、復興庁側のペースで決まったのだろうと思います。  あいかわらず全国紙では話題になっていませんが、確かに、福島民友に掲載されていた基本計画案を見れば、これを大きな話題にするほうが無理というもの。地元側への配慮として、「高校生を研究助手に」という案を組み込んだようですが、若い方にとって