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「ほんとうの言葉」と環境省の変質
5月1日、水俣病公式確認から68周年の慰霊式典が、熊本県知事・環境大臣も列席して開催された。その式典ののちに開かれた懇談会の模様を、RKK熊本放送が報じている。
なにが起きたのかは、文章よりも動画を見てもらった方がいいだろう。
「この懇談会は水俣病慰霊式の後に、環境大臣が被害者団体の話を聞く場として毎年開かれています」とのことだそうだが、これまで、話を途中で遮った上に、マイクの電源を切るな
いただきもの書籍ご紹介
ご紹介が遅れてしまいましたが、以下、ご恵投いただきました。ありがとうございます。
どうするALPS処理水? 科学と社会の両面からの提言著者・編者:岩井孝、大森真、児玉一八、小松理虔、 鈴木達治郎、野口邦和、濱田武士、半杭真一(著/文)
私も企画の時にお声がけをいただいたのですが、非常に立て込んでいた時期のため、ご協力できず恐縮でした。(著者が男性ばかりなので、一応、女性の私にもお声がけはい
復興と子供 (2月10日追記あり)
ソーシャルメディアでは断続的に言ってきたのだけれど、復興と子供についてまとまった文章を書いたことはない。少し前の話ではあるけれど、私以外には書けないだろうと思う話をいくつか聞いたこともあって、少し書いてみることとする。
率直に言って、福島の復興政策に関連する子供の扱いは、私のまわりの親世代の間では、かなり評判が悪い。「評判が悪い」程度で済めばいいのだが、「激怒している」と言ってもいいかもしれ
災害対応、復興支援にあたる人におすすめの書籍
能登の震災は、まだ緊急対応の状況ですが、災害対応は、次におこることを予測して、先手先手を打って様々なことを同時並行で進めていく必要があります。
災害直後の対応が、その後の被災地の運命を決定づけることも少なくありません。それぞれの災害の起きた条件によって、個別の事情は異なってきますが、人間心理の動きであったり、大枠で問題になるところは共通している箇所は多く、過去の知見を踏まえれば、一定程度、なに
2024年頭所感:漂泊の時代のはじまりに
年明けに年頭所感を書くことを恒例にしていたが、年越し直前に風邪をひいてぐずぐずとしているうちに、能登の大地震が起き、正月という雰囲気でもなくなってしまった。それでも、節目ということで書いておくことにしたい。
2023年の後半は、修士論文の追い込みに加えて、OECD/NEAのワークショップ参加、ダイアログの開催、ICRP2023への参加と札幌のリスク学会でのセッション準備に、細々と締め切りや大
2023年 お送りいただいた本
ご送付いただいた御本をお送りいただくたびにご紹介できればよかったのですが、年の瀬もまとめてのご紹介で失礼致します。
まだすべて読みきれていませんが、とてもよい本ばかりですので、手に取っていただく参考にしていただけたら幸いです。
『開かれたかご』 キャシー・ジェニトル=キジナー『山上徹也と日本の「失われた30年」』 五野井郁夫/池田香代子『所有とは何か』 岸政彦/梶谷懐『黙殺された被曝者の声』 ト
雑記:「デブリに触れた水」を広めたのが私であるという風評に対する反論
「デブリに触れた水」という言い方を私が広めたものであるかのような主張がXを中心に広げられているようです。中心となっている方のnoteを引用し、私が掲載した反論をnoteにも掲載しておきます。
私の反論を受けて、一部、記事を修正していただきましたが、それでも、私へのレピュテーション・ダメージ(風評被害)を与える効果はある、と認識しています。
まずは、当該となっている朝日新聞のインタビュー記事
エッセイ: Twitterのおもいで(5)・了
2016年6月、福島民友新聞がひとつの記事を掲載した。
福岡を拠点とするグリーンコープの震災応援販売企画が「東北5県」となっており(東北は6県)、福島県を意図的に外した「福島外し」、つまり福島を差別している、との内容だった。この記事は、社会に大きな反響を呼び、その後の福島のイメージや、報じられ方、復興政策へも多大な影響を与えることになった。
ただ、それだけ大きな影響を与えたにもかかわらず、結
エッセイ:Twitterのおもいで(4)
2018年だったか、もしかすると2019年だったかもしれない。とにかく、刑事告訴からずいぶん時間が経って、反原発活動家のことを思い出すこともなくなり、私の記憶からも消え去ろうとしていた頃だった。
私の活動を最初の時期からよく知っている友人から、不思議なダイレクトメールが舞い込んだ。「エートスの活動には〇〇さんがかかわっているんですよね?」と、とある専門家の関与を確認する内容だった。名前のあげ
エッセイ:Twitterのおもいで(3)
私の刑事告訴について、告訴対象となった側の悪行だけを書いておくのはフェアではないだろう。いわゆる自称「エートス支持者」であった人たちのことについても触れておきたい。
原発事故が起きた後、放射能の安全性をめぐって大きな論争が起きたことは、その当時成人していたならば、まだ記憶にある人も多いだろう。あらゆるメディア媒体を巻き込んで起きた論争は、原発事故の動揺が大きかった東日本では、パンデミック同様
エッセイ:Twitterのおもいで(2)
2014年、反原発活動家の女性を侮辱罪で刑事告訴した。先に、首都圏反原発連合のエートス支持表明によってデマの拡散は勢いを失った、と書いたが、燃え広がる速度が沈静化したというだけであって、いちど広がったデマは消え去らなかったし、それを信じる人も多く残されたままだった。なかでも、沖縄に在住していた反原発活動家による事実無根の発信は数年にわたってしつこく続き、その過激な発言によってフォロワー数も増やし
もっとみるエッセイ: Twitter のおもいで
もう正式名称が「X」に変わってしまったということなので、タイトルを「おもいで」にしても気が早い、ということにはならないだろう。
Twitterのアカウントを作ったのは、東日本大震災のちょうど1年前、2010年3月だった。(多くのトラウマサバイバーがそうであるように、私もあらゆる出来事の時間基準が東日本大震災以前と以後とで区分される。)
安東量子という名前は、その時期に考えついたものだ。今
福島復興あれこれ:復興の主体は誰なのか
毎日新聞に避難8町村の自治体職員へのアンケート調査をまとめた論文の内容を紹介する記事が掲載されていました。
記事の末尾に、引用元の論文J-Stageへのダイレクトリンクが載っている!
地味に画期的です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/reportscpij/21/4/21_439/_pdf/-char/ja
福島大学の学生さんがまとめられた
福島復興あれこれ:「福島復興長期政策研究会」での質疑応答から- どうすれば、よりマシになるのか?
先日、NHKの「日曜討論」でご一緒させていただいたご縁でお知り合いになった福島大学の川﨑興太さんの「福島長期復興政策研究会」でお話をさせてもらいました。
末続地区の地元の方が粘り強く交渉して、地域の人たちが使えるスペースとしてJRから借り受けた末続駅の駅舎の旧駅員室をお借りしての集まりになりました。
そのときの内容は、発表スライド、議事録ともに上記のサイトにアップしていただいているので、