Atsushi Oshio

小塩真司。早稲田大学文学学術院教授。専門はパーソナリティ心理学。性格の構造,発達,適応…

Atsushi Oshio

小塩真司。早稲田大学文学学術院教授。専門はパーソナリティ心理学。性格の構造,発達,適応に関心があります。 研究室:http://www.f.waseda.jp/oshio.at/index.html Twitter: https://twitter.com/oshio_at

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『「性格が悪い」とはどういうことか』(ちくま新書)

2024年7月に筑摩書房より『「性格が悪い」とはどういうことか―ダークサイドの心理学』が出版されますので,今回はこの本の紹介をさせていただこうと思います(2024年7月10日刊行)。 ダークな性格この本は,21世紀に入ってから研究が盛り上がってきた,社会的に悪影響を及ぼす可能性が高そうな,一連のパーソナリティ特性群について解説するものです。研究の中で盛り上がりを見せているのは,次のようなパーソナリティ特性です。 ◎マキャベリアニズム:自分の利益のために他者を利用するが当た

    • トルコの大地震で生じたPTSDの様子

      2023年2月6日,トルコ南東部とシリア北西部をマグニチュード7.8の大地震が襲いました。トルコとシリアを中心に大規模な被害が発生し,7万人以上が死亡,20万人以上が避難民になり,150万人以上が一時的に住む場所を失ったとのことです。 自然災害日本でも自然災害が起きると,そのタイミングで調査を行い,研究につなげようとする動きが見られます。2011年の東北地方太平洋沖地震では,心理学や医学関連の多くの調査が行われ,論文になっています。また新型コロナウィルス感染症(COVID-

      • 外向的な大学生は大学に所属している感覚を抱きやすい

        「自分が何かに所属している」という感覚は,多くのメリットをもたらすようです。生徒たちや学生たちにとっては,「自分はこの学校(大学)に所属していて,一員である」と感じるだけで,成績も向上するとか。たしかに,仕事でもそういう一面はあるかもしれません。 所属意識所属することというのは,自分とある環境との適合性の質に関する手がかり,出来事,経験,関係性から導き出される推論だとされます。これは,「受け入れられている」「含まれている」「尊重されている」といった感覚として実感されるもので

        • 救助活動者のPTSDレビュー

          日本は地震が多い国ですし,最近では豪雨による被害も頻発しています。気候変動に伴う被災は日本だけでなく世界中で見られていますが,被災に遭う人々がいる一方で,救助をする人々への負担も増えている状況です。 ストレス被災する人々だけでなく,救助に当たる人々も,多くの深刻なストレスにさらされていると言えます。救助者のトレーニングのためにも,実際に救助する人々に対するケアのためにも,救助活動に従事する人々の心理的な特徴を検討する研究は重要です。そして実際に,数多くの研究が行われています

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          回答の仕方によって生活満足度は変わるのか

          アンケートに回答する場合,右側が「そう思う」となるバージョンと,左側が「そう思う」となるバージョンの両方があります。 これらで,得点に変化は生じるのでしょうか? 単一項目通常,心理的な傾向を測定する尺度には,複数の質問項目が含まれています。しかし,社会調査や疫学調査,また心理学の調査においても,ひとつだけの質問項目で測定する単一項目尺度が用いられることがあります。 個人の主観的幸福感やウェルビーイングを測定する時にも,よくたったひとつのあるいは非常に少ない質問項目だけで

          回答の仕方によって生活満足度は変わるのか

          高齢の移民たちの孤独感

          移民は全世界でますます増加しており,高齢化もしています。2020年には,国際的な移民人口の12%以上が高齢者だと見積もられています。 問題移民が受け入れられた地域で高齢化が進むと,健康状態の悪化や配偶者の死別など,加齢に伴う喪失を経験するだけではなく,もともと移民であることから言語的な障壁や習慣の違い,食習慣の違いなどにも直面します。新しい社会的なつながりを築くことも難しく,疎外感を抱きやすくなるかもしれません。 たとえ若い時期に移住した場合でも,高齢者の移民は差別や文化

          高齢の移民たちの孤独感

          さまざまな自己の種類を整理する

          自己(self)は,心理学のなかでも重要な概念のひとつです。19世紀末,ジェームズは主観的な自己(I)と客観的な自己(Me)を区別して,同じような時期にフロイトも自我,超自我,イドを区別して自己に関する概念を整理していきます。 さまざま20世紀後半になると,自己という概念が実証的な研究の中で扱われるようになっていきます。自己という概念は多様な側面から研究されるようになっていき,自己認識,自己イメージ,自己概念,自己呈示,自己評価,自己同一性,自己スキーマ,自己複雑性,自己概

          さまざまな自己の種類を整理する

          追い掛けられる夢を見る人は実生活で

          最近はあまり長い時間しっかりと寝ることがほとんどないからか,夢をはっきりと覚えていることも少なくなったような気がします。 19世紀末から20世紀初めにかけて,精神分析学者フロイトは,覚醒中の体験が同じ日の夢に組み込まれる可能性があることを示しているそうです。これは,日残効果(day-residue effect)と呼ばれています(日本語訳はよく分かりません)。 メタファー「この夢はこれの反映」という夢に関するメタファー(比喩)もよく語られます。夢は,実生活を何らかの形で反

          追い掛けられる夢を見る人は実生活で

          私たちは幸せにならないといけないのか

          さて,ふと「Googleの検索窓に『幸福』と入力したら,どのような言葉がサジェストされるだろう?」と興味本位で入力してみた結果が,次の画像です。 幸福の望ましさそもそも幸福は「いいもの」「望ましいもの」なのでしょうか。辞書的な定義では,幸福というのは不自由や不満がなく,心が満ち足りていることを指します。似た言葉に「ウェルビーイング」があって,この言葉は幸福と同じ意味で用いられることもありますが,微妙に意味が異なります。ウェルビーイングのほうが,辞書上の意味としても「健康で幸

          私たちは幸せにならないといけないのか

          超常現象を信じることは幸福につながるのか

          ネットとITの普及によって,どんどん超常現象というものは少なくなっていくのではないかと予想していたのですが,なかなかそういうわけにもいかないようです。 海外のYouTubeやTikTokで投稿された恐怖動画の「まとめ動画」を何度か見たことがあるのですが,現代のように動画の加工も簡単でAIでフェイク動画も簡単につくれて,監視カメラも手軽に使うことができる時代でも,「怖い動画」はさまざまにあって,やはり見ると怖いものです。最近の恐怖動画は,幽霊的なものがうっすらとした煙のように

          超常現象を信じることは幸福につながるのか

          高齢者の孤独に関連する多くの要因

          何歳から高齢者なのかという議論はさまざまにあって,国によっても機関によっても,高齢者の定義は異なります。世界保健機関(WHO)では65歳以上を高齢者と定義していますが,国連では60歳以上を高齢者としていたり。日本ではおおよそ65歳以上を高齢者とすることが多いようですが,法令によって違っていて70歳以上を高齢者とすることもあるようです。 孤独高齢期において問題となるひとつの現象が,孤独です。高齢になるにつれて,退職,親しい友人や家族の喪失,身体的な制約などの要因によって,社会

          高齢者の孤独に関連する多くの要因

          タバコを吸いすぎるレバノンの大学生の研究

          世界保健機関(WHO)によると,喫煙によって,年間800万人以上が死亡していると推定されています。そのうち700万人はタバコの直接的な使用による死亡で,非喫煙者が副流煙にさらされることが死亡の原因だと推定される人数は約120万人だそうです。 日本では喫煙者は減少傾向にありますが,発展途上国では上昇傾向にあるようです。 依存性最近の研究では,タバコに含まれるニコチンだけでなく,喫煙という行動そのものにも,依存を誘発する要素があると指摘されているそうです。いったん喫煙が習慣化

          タバコを吸いすぎるレバノンの大学生の研究

          政治的な暴力を許容する傾向

          2021年に起きたアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件は,アメリカの歴史のなかでも稀で重要な事件です。 政治的暴力政治的暴力は右派・左派問わず昔から存在しており,現代の民主主義を特徴づける行動の一つでもあります。 政治的暴力の背景には,もちろん社会的な問題やシステム上の特徴が要因として存在しているのですが,個人の特徴についても研究が行われています。ただし研究は局所的で限られており,体系的に研究されているとは言いがたい状況のようです。 ダークなパーソナリティナルシシズム(自分

          政治的な暴力を許容する傾向

          時代とともに人々は自分が若いと思うようになってきた

          「自分が何歳くらいに感じますか?」(How old do you feel?)という質問が,研究でよく使われます。このたったひとつの質問で,よく主観的年齢というものが測定されるのです。 年齢バイアスおおよそ,中高年になると,大部分の人々が自分の年齢よりも主観的年齢を若く見積もることがわかっています。この現象のことを,主観的年齢バイアスと呼ぶことがあります。もしかしたらこれは,自分自身が年齢を重ねていくことに対する自然な反応なのかもしれません。 主観的年齢は,加齢に対する生

          時代とともに人々は自分が若いと思うようになってきた

          家族環境と自尊感情の関連

          家庭環境が子どもたちの心理状態に影響を与える,というのはあまりにも当たり前に思えます。ところが,研究の中ではそこまで明確ではない,ということもけっこうあるようで…… 家庭環境親や家庭環境の子どもへの影響には,いろいろなことが考えられます。たとえば,親は子どもに対して期待や規則や境界線を設定します。 ◎権威的な親:共感的で,かつルールを示す ◎寛容的な親:共感的だが明確なルールを示さない ◎権威主義的な親:非共感的でルールが多い ◎放任的な親:子どもに反応せずルールも設定し

          家族環境と自尊感情の関連

          制限速度を守るドライバーの特徴

          以前も書いたことがあるのですが,日本の道路で制限速度をきっちりと守って走っている車はほとんど見あたりません。制限速度を守っていると,むしろ自然な自動車の流れを妨げてしまうので,迷惑になってしまいます。日本は「タイトな文化」とされるはずなのですが,制限速度だけを見るとタイトというよりも「周りに合わせる文化」に見えてきます。 速度超過自動車の速度超過は,世界的に見ても交通事故の大きな要因だと考えられています。アメリカのカリフォルニア州とメリーランド州で起きた若年ドライバーの自己

          制限速度を守るドライバーの特徴