はじめに〜本記事が有料である理由どうもこんにちは、STUDIO ZOONのムラマツです。 先日、日本大学藝術学部で『クリエイターと世間を繋ぐ企画術』というお題で講義をする機会をいただきました。 僕は編集部員から提出される多くの連載企画に目を通す立場なのですが、「連載マンガの企画として成立していない」と感じることがたまにあります。成立していないと形にならないし、仮に形になったとしてもどこかで破綻するので「連載企画は何を満たしていて欲しいか」という話を現場でも四苦八苦しながら
どうもこんにちは、STUDIO ZOONのムラマツです。 先日、下記の記事を見つけ興味深く読みました。 初めての商業マンガ連載を打ち切りになった著者の方が、反省点を語りつつ打ち切りの回避策について考察されています。マンガ家さんから見えたことや感じたことが赤裸々に描かれていて、新鮮でした。 私も編集者として連載終了に立ち会ってきましたし、打ち切りを免れるために数字と睨めっこもやって参りました。その目線から「商業マンガ連載の継続条件」について一度まとめておこうと思います。
どうもお久しぶりです、STUDIO ZOONのムラマツです。 イキナリですが、先日こちらの読み切りを読んで衝撃を受けました。 タイトル通り、「キャロット通信」という創作文芸サークルが崩壊するまでの物語なのですが…なんというか……すごい。 すごい作品は時に様々な気づきを与えてくれますが、僕はこの読み切りを読んで「ドラマを描くとはこういうことなのか!」という気づきを得ました。 「なんでこの読み切りを読んでそんなことに気づいたの?」って話を最初にしておくと、読み切りには連載の
どうもこんにちは、Studio ZOONのムラマツです。 最近はMondできた質問に答える形式でnoteを書いているのですが、今回はこんな質問をいただきました。 これはですね……本当におっしゃる通り!!! マンガ編集の現場でも人によって「テーマ」と呼んでるものが全然違ったりします。なので(例えば持ち込みなどの場面で)しっかりコミュニケーションもせず原稿だけ読んで「この作品のテーマはなんですか?」なんて迂闊に質問しようものなら、作家さんと編集者2人して30分ほど冥府魔道を彷
どうもこんにちは、Studio ZOONのムラマツです。 前回からMondで質問を募集して答える形式でnoteを書いたのですが、またすごく興味深い質問が来ていました。 この質問になぜ興味を惹かれるのかというと、表現の世界にずっといると、(トラウマと呼べるほど強く明確なものでなくとも)表現の起点にはなんらかの「苦しみ」がある、と感じることが多いからです。すごく難しいテーマで、ちゃんとまとまるかわかりませんが、思うことをつらつらと書いていきます。 「トラウマを活かした企画」
どうもこんにちは、Studio ZOONの村松です。 前回のnoteが、編集部の後輩の質問に答えた内容をそのまま書いただけでサクッと1本記事ができたので、それに味を占めてMondに登録して質問の募集をしていました。 「いや〜、待てど暮らせど質問こないな〜」とか思ってたんですけどログインできてなかっただけで、開いてみたらたくさん質問が来ていました。すいません、ありがとうございます!そして、その中にこんな質問がありました。 なるほどです。新人作家さんからこのような悩みを聞い
お久しぶりです、Studio ZOONの村松です。 作品リリースに向けて沢山のWebtoon作品を準備しているのですが、制作も佳境を迎えつつあってかなり多忙で、noteの更新めっちゃ空きました。 さて、先日の話ですが編集部の後輩に 「どうやったらネームのピントを合わせられるんですか?」 という質問をされて答えていました。 「ネームのピントを合わせる」というのは僕がよく使う表現で、 漫画のネーム(絵コンテ)を読んで 「うーむ…これは全然違ってるな…やり直そう」という時の「
お久しぶりです、StudioZOONのムラマツです。 イキナリなんですが先日こんなツイートをしました。 新入社員のこの簡潔なまとめには本当に感心したんですが、「いや、ストーリーも大事でしょ」等と色んな意見があり、今ひとつ伝わってなかったか、とも思っていました。 そんな中、昨日も打ち合わせで「キャラを描くとはどういうことか?」みたいな話になったりして、最近だいぶキャラについて考える機会が多かったので、一度そのことについてnoteを書いてみようと思います。 マンガ制作上の最
こんにちは、昨年末に講談社を退職し、現在はStudio ZOONでWebtoonの編集やっているムラマツです。 さて、今回は今話題のChatGPTのお話です。 ChatGPTのリリース以来、いや、それ以前のAIの驚異的な発展を目にする日々の中で 「将来、あらゆる作品がAIによって無限に自動生成されてコンテンツ業界や作家業や編集業自体が成り立たなくなるんじゃ…」 という不安を抱いている方も多いんじゃないでしょうか。 かく言う僕もその一人なわけですが、まず現状はどんなもんか
こんにちは、昨年末に「講談社やめてWebtoonやる」という退職エントリを書いた、ムラマツです。(この自己紹介、もうしばらく擦らせてもらいます。) このnoteではWebtoonの話題を中心にしたいと思っているんですが、今回は閑話休題、「マンガ編集者、4タイプいる説」についてお話ししたいと思います。 この説は僕が勝手に提唱しているだけなので、性格診断とか占い記事を読む時のような軽〜〜い気持ちで読んでいただければ幸いです。 ①マネージャー型まずはマネージャー型。作家さんの
はい、というわけで前回に引き続き「Webtoonとマンガ、企画の考え方はどう異なるのか?」について考えていきたいと思います。 ザックリ前回のおさらいをしますと、Webtoonの企画を考えるためにはまず「土地勘」を持つ必要がありますよね、ということで「Webtoonとマンガの状況の違い」について解説しました。 まとめると、Webtoonはマンガに比べると未成熟なジャンルで ・市場規模が(まだ)小さい ・配信先が(まだ)少ない ・認知度が(まだ)低い ・ウケるジャンルの幅が(
あけましておめでとうございます。 20年勤めた講談社を退職し、今年から「Studio Zoon」でWebtoonに挑戦することになりましたムラマツです。 昨年末、そのことを退職エントリに書いた結果、予想以上の反響で、noteをアップした2日後にはAbemaプライムでEXITさん達と共演しているという超展開。スピードに身体がついていかず口唇ヘルペスができましたが、こんな個人的な話をたくさん読んでいただき、誠にありがとうございました! さて、前回の記事で「マンガ編集者の目線で
はじめまして、ムラマツと申します。2022年末をもちまして株式会社 講談社を退職することとなりました。 2002年に講談社に入社して、週マガ→ライバル→ヤンマガ→コミックDAYS立ち上げ→モーニング…とマンガ編集畑だけを20年にわたり歩んできましたが、2023年1月からはサイバーエージェント社に入社し、CyberZ社の「Studio ZOON」でWEBTOONをがんばろうと思います。 この記事はいわゆる「退職エントリ」です。これを機会にこれまでのことをちゃんと振り返り、こ