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記事の小説まとめ

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記事で書かれた小説をすべてまとめています。
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2023年3月の記事一覧

【インスタントフィクション】 打ち切り漫画の未来   

漫画を読むのは好きだ。
でも、私がハマる漫画は軒並み打ち切られる。
あまりにも打ち切られる頻度が高すぎて、読みたい漫画が読めなかった。

もしも、私のせいで打ち切りになったらどうしよう…。
そういう思いを抱えた私は、漫画から遠ざかってしまった。
だが、ある日気づいたのだ。
私が漫画を描けば、打ち切りに困る必要がないのでは? と。

私は漫画を描くことに没頭した。
キャラクターは過去の打ち切り漫画か

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【インスタントフィクション】 使いたい栞 

本に挟む栞は、様々なものがある。

個人的なおすすめは、紙でできたしおりならなんでも。
紙以外は、やわらかく作られていないものが多く、紙を傷つけて破ってしまうことがある。
そういう紙以外の栞は飾って楽しむしかないだろう。

「だから、本の中に入っている広告用紙は紙が多いのだよ」
「ときどきオマケで入っているプラスチックでできた栞とかは?」
「あれは意外と柔らかいから大丈夫」
「さっきと言っているこ

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《記事小説》小川未明読書感想文通 5通目

手紙を書くようになってから、驚いたのは、便箋と封筒が入った手紙セットの多さだ。

可愛さを追求すれば底がないかのように、手紙セットというものは、様々なものがある。

私は最初のうちは、どんなものでもいいと思って一番安くてシンプルな便箋と封筒で送っていたが、ショコさんは可愛らしい封筒と便箋で返信してくるので、私も手紙セットを選んで手紙を書くようになった。

さすがに可愛いすぎるものを買う勇気はないの

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空白小説を自作つぶやき小説「のんびりちゃん」(つぶやき小説2)でやってみた。

空白小説を自作つぶやき小説「のんびりちゃん」(つぶやき小説2)でやってみた。

みんなのフォトギャラリーより鳳花(ouka)様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。森を見つめる一人の赤い服の人。これから冒険が始まりそうな雰囲気で、なんだかちょっとわくわくしました。今回の空白小説は転生・転移はしてませんが異世界モノっぽい雰囲気がありますので、そういうちょっと離れた世界のわくわく感があるイラストだなあとおもいましたね。でも、実際の森に分け入るときは危険がいっぱいなの

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【インスタントフィクション】 見守りたい

「元気ないなあ。大丈夫かな」
「大丈夫、大丈夫。ぼくらは見守るのが仕事だから」

「そうだけどさあ。なんにもできないのって、つらいよね」
「なんもしてないわけないじゃん。存在することに意味があるんだよ」

「いつもいつも顔をあわせてるけど、こっちからはなしかけられないしね」
「いやいや、おはなししちゃったら、いっしょに遊ぶときに困るでしょ」

「ちゃんと学校行って、お勉強して、いつもにこにこしてる

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【インスタントフィクション】 お菓子の成分表示の真実

気づいてしまった。

菓子のほとんどが、砂糖・小麦粉・バター・卵・時により牛乳で、構成されているなら、私たちが味わっている菓子は、すべて同じものなのではないかと。

この事実に気づいたとき、私はこの考えを永遠に封印することに決めた。

だって、そうだろう。

ありがたがって食べている流行のあの菓子も…。
あんなに並んで、ようやく買えて、食べれている流行りの店も…。

すべてが、同じもので構成されて

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【毎週ショートショートnote】ポポパポペピアノ

「川井、なに読んでんだ?」
「うるさい」
「なんだと!」
「まー、まー、喧嘩したらだめっすよ」
狩田は小番をなだめる。

「お兄ちゃんのインタビュー読んでるんだよ」
猫屋敷は川井の読んでいる雑誌の内容をこたえた。
「川井って、兄ちゃんいんのか…って、オノマトペピアノさんじゃん!」
「有名なんすか?」
「ゲームのSE片っ端から担当してるような人だぞ!」
「そういえば、いなちゃんまだあのピアノもってる

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【毎週ショートショートnote】オノマトペピアノ

インタビュー ピアニスト:川井イヨのもう一つの顔サウンドクリエイターの仕事にせまる。

――川井イヨさんはピアニストでありながら、サウンドクリエイターの仕事もしていますね。なにがきっかけで、サウンドクリエイターの仕事もされるようになったのでしょうか?

元々は妹がきっかけなんです。僕には年が離れた妹がいるんですが、彼女をよろこばすために、ピアノで面白い音を出して遊ぶようになりました。僕の家は狭くて

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【インスタントフィクション】 ゲーム実況を見る理由  

ゲーム実況の面白さを知りたい?

ゲームなんて、プレイしなければ本当の面白さがわからない?

わかってないなあ、ゲーム実況を見ることで得られるものは結構あるのよ。

例えば、実際にゲームをしたいけどゲームができない環境下にある人は、ゲーム実況を見ることに抵抗は、ほとんどないでしょうね。

あと、対戦動画っていうのもあるわ。これ面白いわよ。
はまったら危険だから見るときは要注意ね。ヤバいほどハマるも

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(1人リレー小説 全2巡) 甘いもの食べに行こう (2巡目)

いっしょに昼飯を食べないかと弁当を二つ持ってやってくる男子をフったら、違う男子に必ず告白される。

そんな噂を聞いた私は、早速、その男子の特定をした。

鎌犬(かまいぬ)というその男子は、本当に弁当を二つ作って来ていた。
そいつが何度もフられ、何度も弁当を二つ食べるさまを遠くから見ていた。

そして、気づいたことがあったのだ。

弁当がうまそうなことに。

「どうよ。はじめて来たスイーツバイキング

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私のインスタントフィクションをラジオで紹介してもらったはなし

私のインスタントフィクションをラジオで紹介してもらったはなし

みんなのフォトギャラリーより、やまざきももこ様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。stand.fmなので、イラストのようなラジオでは聞いていませんが、こういうふうな感じで聞いてました。真剣に聞きました。三回以上聞きました。ラジオっていいですね。ラジオを聞いていたら、周りがみえなくなりますが、一人で静かに聞く場合、このイラストのように素敵な雰囲気で聞けるとうれしいですね。

はじめま

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【毎週ショートショートnote】イカ室たぎった

家庭科室にて、僕はイカを焼いていた。
いや、なんで?
いや、本当になんでなのかわからない。
ただ、林檎ちゃんがイカ焼きを食べたいから、スーパーで生のイカを買ってきたのだ。冷凍ボックスにまで入れて持ってきたから、イカ焼きの一つでもつくらないとイカがかわいそうだし。
たまたまクラブ活動がない日だったからよかったものの。まったく。

「イカ焼きできたー?」
「まだだよ。串、ちゃんと買ってきた?」
「これ

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【毎週ショートショートnote】理科室まがった

理科室をまがれば、イケメンに会えるらしい。
噂をきいて、私は来る日も来る日も理科室をまがった。
まがると言っても、理科室のつきあたりの非常階段を使うところで、ようやくまがれる。
つまり、イケメンは非常階段をつかっているのだけど、私はジンクスを信じて、理科室をまがりつづけた。

そして、一週間後。
「おっと」
「す、すみません!」
ようやくひとにぶつかることに成功した!
「大丈夫?」
目にやきつけな

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《記事小説》小川未明読書感想文通 4通目

ときどき、文通をしていると海ちゃんがどういう人か、全くわからなくなるときがある。

でも、人ってそういうものよねと納得することもある。

私がわかるのは、海ちゃんは手紙を書くのにかなり時間をかけているのだということくらいだ。

海ちゃんの手紙は、いつもボールペンで書かれている。
そして、書き損じがないのだ。

きっと、海ちゃんは書き損じしないように、手紙の内容を別に考えた用紙を携えて、手紙を書いて

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