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#想い

【詩】君がいれば

【詩】君がいれば

君がいれば他に何もいらない

なんてセリフを吐きたくなるくらい

君がすべてだった

この心を埋め尽くしてた

僕の世界にいる君は

ただ佇むようになって

僕の願いも想いも空しいだけで

やがて君は消え入るんだ

二人並んで座った夕焼けの場所も

君の世界からは消えてゆく

ちょびっとの悲劇(40日目)

【詩】恋の形

【詩】恋の形

はじめに思っていたものとは

恋の形はずっと違っていて

気付いた時にそれは

あんまりにも自分の

深いところに埋まっていて

どうしたってもうそれを

取り除くことはできない

あの人を想った記憶や

それから苦しみと一緒に

ちょびっとの悲劇(53日目)

【詩】朝靄の中に

【詩】朝靄の中に

朝靄の中に

泣いている僕がいた

流した涙が

静かに雨になって

きれいな感情

ばかりじゃないから

いろんな想いを

その中に紛れ込ませて

ちょびっとの悲劇(68日目)

【詩】君が僕の前からいなくなること

【詩】君が僕の前からいなくなること

君が僕の前からいなくなること

それはまるで

いまの僕のなにもかもを失うみたい

そこにある想いを

知らないふりなんてできずに

ちょびっとの悲劇(70日目)

【詩】もうこうしていられるのは

【詩】もうこうしていられるのは

二人がいる場所だけ

切り抜かれた写真みたいに静けさ立ち込めて

腕にした時計の秒針の音さえ響くよう

それだからこそ一秒一秒

君の想いがちょっとずつ流れ込んで苦しくなる

もうこうしていられるのは

ほんの少しの時間なんだろう

ちょびっとの悲劇(75日目)

【詩】どんなに願っても

【詩】どんなに願っても

どんなに願っても
どれだけ想っても
本物の君は
もうここには居ない

どんなに願っても
どれだけ想っても
触れ合える君は
もうここには居ない
居ないよ

残されたのは幻想の塊
強く抱いても君じゃない
同じ空の下に居たとしたって
つながりは断たれたままなんだ

ちょびっとの悲劇(81日目)

【詩】想い雪

【詩】想い雪

無理にでも答えを出したいと

考えてしまうことがある

それが二人だけの時間を

壊してしまうとわかるのに

すべてを求めて

すべてを失おうと

このまま君といる怖さに負けて

言葉がついて出そうにもなる

それでもやっぱり

目の前にいる人を失くすのにもっと臆病で

降り続く想い雪に心が

ゆっくりと軋んで

静かに軋んで

ちょびっとの悲劇(82日目)

【詩】シャッターのおりる音

【詩】シャッターのおりる音

目を閉じて

心の白紙に君を写す

まぶたを上げても

二人の日々が残るように

その想いも痛みも

そこへ描き出すことはできないけれど

静かに静かに

シャッターのおりる音が

自分だけの世界に響いた

ちょびっとの悲劇(85日目)

【詩】開きはしない

【詩】開きはしない

心が小さな容れ物に押し込められたみたいに

想いが胸の中で痛み続ける

この蓋を開けて

心に安らぎをくれるのは

君だけなのに

きっともう開きはしない

ちょびっとの悲劇(92日目)

【詩】あふれていく

【詩】あふれていく

心にあふれて

洩れだして

それでもまた

あふれていく

君への想いが

自分でもはかれない

まるで尽きることなく

この心にあふれていく

ちょびっとの悲劇(98日目)

【詩】こぼれる涙だけが

【詩】こぼれる涙だけが

君へ思いの丈を告白したことも

握ったその手のひらの温かさも

記憶の内側から消えてしまえばいいと思った

ぬくもりなんて知らなければ

こんな苦しみを感じることはなかっただろう

君の温かさがあった手の内には

もうなにひとつとして残っていないから

心が冷たく苦しくなってゆく中で

こぼれる涙だけが妙にあついんだ

ちょびっとの悲劇

【詩】君の心はあたたかい

【詩】君の心はあたたかい

どこか知らないところにいる

君の心はあたたかい

今ではもう記憶でしかない

君の心はあたたかかった

どこかの知らない誰かに向けられた

君の想いはあたたかい

今でもここからなくならない

君への想いが苦しいんだ

ちょびっとの悲劇