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恥ずかしいだけのガチポエム

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素敵な写真とセンチなポエム。現実の厳しさに疲れた心を癒やされたいあなたに贈る、こつこつと積み上げていく世界。 心のどこかがほんのりとあたたかくなれば幸いです。 がんばって、だいた… もっと読む
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#ポエム

青空コレクション

青空コレクション

青空といってもいろいろな青空がある。
だけど、青空と聞いて思い浮かべるのは同じ青空だ。
きみの笑顔を思い浮かべる時も同じ。
きみはいろいろな笑い方をするけれど、ぼくが思い浮かべるのはいつも同じ笑顔。
想像力が乏しいのかもしれない。
それでもいいさ。
ぼくが思い浮かべるのは、最高の笑顔だから。

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偶然きみに会いたくて

偶然きみに会いたくて

高台にある、しゃれたマンションにきみは住んでいた。ぼくは用もないのに坂の下にいって、川を眺めていた。偶然きみに会いたくて。
川を眺めるのは退屈だったし、同級生が自転車に乗って現れることもあった。
「なにやってるの?」
そう聞かれて、ぼくは困った。
「散歩だよ」
週に3日も散歩して、川を眺めている。自分でも、変なやつだと思う。
きみはいつも現れなかった。それでもぼくはどきどきしながらきみを待った。

一緒に帰ろう

一緒に帰ろう

学校の帰り道。近所に住んでいる同級生と一緒に帰った。教室ではあまり言葉も交わさない。たまたま下校時間が同じになったのだ。ぼくたちは、たわいもない話をした。学校の誰それが、どの子を好きなんじゃないかとか、上級生と誰それが付き合っているとか。正直、ぼくはあまり興味がなかった。だけど、一緒に歩いている彼女の横顔見ているうちに、実は結構鼻の形が綺麗だとか、八重歯が可愛いとか、そんなことに気がついた。そして

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胸がいたむんだ

胸がいたむんだ

あの日きみと偶然出会った場所は変わらずにそこにあった。ぼくは異性に違和感を覚えはじめた中学生で、10年ぶりに会ったきみがまぶしくて、目をそらした。たいした挨拶もせずに立ち去った。あの日の後悔を拭い去りたくて、店の前にしばらく立っていたけれど、もちろん偶然きみが現れることはなかった。幼なじみのきみと、あの時きちんと言葉をかわし、仲良くなっていたら、人生はどうなっていただろうと考えると、胸が温かくなり

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猟犬

猟犬

雨が降ったら遠くにいこうときみが言った。雨が私たちの臭いを消してくれるから、と。動物みたいだね、とぼくが言うと、動物だよ、ときみが答えた。ぼくらは、猟犬に追われないように、物音を立てずに旅立つのだ。

心外

心外

新宿は人が多すぎて疲れる、ときみが言った。心外。人は多いけれど、それはエネルギーなんだ、と心の中で反論した。そしてきみは東京には住んでくれないかと思うと、寂しくなった。