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エッセイ

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一行から長めのまでつらつらと書いてます。
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誰かの心と秋の空

誰かの心と秋の空

さまざまな理由で行っていなかったり、行けていない場所と同じ黄金色の夕暮れがキュッとさせるので

この厚ぼったい雲から雨がツーっと降るのなら、もらい泣きしてしまいそうです。

自身以外の幸せを願うくらいに落ち着けば、また虫たちの鳴く夜がはじまります。

秋ですね、巣くうことなく健やかでありますように。

口数は少なく明るい

口数は少なく明るい

秋の夜長と秋茄子のバトルという思考実験をしながら冷蔵庫をあけると、タマネギが芽吹いていた。

タマネギよ、扉を開いたときだけ光差すはずなのに、どうしてそんなにも青々とした芽をしているんだい?
野菜室の最深部で葉緑素強すぎん?

しばし見つめ点灯、私の思考実験にも閃きのあのマークがついた。

「夜鳴きそばには茄子と(タマ)ネギ(の芽)を入れよう」

独り言にだってストーリーはある。

街の一角で

街の一角で

烏は灼熱の日照りをこえたらしく、誇らしげに夕暮れの色を艷やかな羽根に映し出し
生温くちょっぴり心地よい風が吹き終わると、蝉は静まり秋の虫達の存在が耳に届く。

ほんの数日季節は早まっているようで、お盆を想起させる程度には収まっているようだ。
換気といって開けた窓から生命の力強さを感じた。

あとちょっとだけ日にちはある

あとちょっとだけ日にちはある

あまりにも暑いのと頚を痛めてしまったせいで、身体の悲鳴アラームが如くPCやスマートフォンの使用時間に制限ができてしまった。そんなきっかけもあり積ん読についに手を付けることになったし、雷の時間帯にも紙の本を読むことにした。
少し疲れた頭では、枕詞「読書」でとても人為的にはなるけれど秋に身を置いているような気分になる。

立秋まであとちょっとだけ日にちはある。
きたらきたで湿気に切なさが混ざりはじめ、

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日当たり良好

日当たり良好

そう、今年もてんとう虫とのベランダ陣取り合戦が始まった。
布団干しカバーの間にも注意、刺激しないようにそっとふわっと。

フッと息を吹きかければ飛んでしまうような小さな命とのちょうどいい境界を探りながら、越冬しよう。

訪問者

訪問者

本日、金木犀の香り御一行様がいらしゃいましたので

秋の開始といたします。

着たかったあの服に袖を通そう!!

丑三つ時に

下弦の月は満開の花を映す

ひと足先にかけていく月に、やっと来るのだと実感してきた春に、少しだけ柔らかな冷気を感じながら換気をして寝床につきました。

なりきりピアニスト

なりきりピアニスト

ビル・エヴァンスの曲を聴きながら仕事をしていたら、キーボードを打つ速度とリズムが一致して偉大なピアニストになった気分になりとても心地よかったので、この「遊び」はしばらく流行りそうです。

春の散歩道

春の散歩道

少し高台にある仕事場から花の咲いた気配が感じられ、散歩に出かけてみることにしました。目的もなくただなんとなく外出をするのはとても退屈に思えてしまい散歩というジャンルの行動は苦手でした。それでもいざ出掛けてみるとちょうど学校帰りで家々へ向かう児童や、まずは駅へと進まねばならない生徒達とすれ違い、どこでもいつでも「やーめた」と散歩を終了させてしまっていい自由さにちょっとした優越感を抱き、お散歩という明

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朔風のベランダサンダルは凶器

すっごいなぁ
そうだよね夢って本当に叶うものだったんだよねって
真っ直ぐに向かっていく瑞々しい気持ちを思い出して心地よくなった

楽しそうな大人を見ると人生にはまだまだ歓びがあると思えてなんだか嬉しくなった

前澤友作氏の宇宙旅行初日をみた感想。

Early Laundry

メロンパンになった踵に冬だねと言って
ウミイグアナみたいに陽光で身体をあたためて
まだ終えていない冬支度の続きを始める

早起きの洗濯物の影は美しい

心理的mayday

今の地に移り住んでからやっと全ての季節を過ごせましたが、轟々と木々や窓ガラスを揺らす強風にはまだ慣れず、それが新参者の証であるかのように正確に怖がってしまいます。

今夜は水出しコーヒーを仕込もう

ここ数日、ジリジリと肌に伝わる熱やサングラスなしでは目が痛くなるくらいの紫外線の強さに、そんな太陽エネルギーでむわっとした空気が漂う外に、「今年の」夏の存在を感じています。

空にもくもくと入道雲ができはじめても洗濯物の安全は雨雲レーダー通知にまかせ、あとはピタリと閉めた網戸をすり抜けて吹く風でカーテンが呼吸するのを水出しコーヒーを片手に眺めるのが最高の贅沢だと思います。