カフェバグダッド
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イランの大自然の中で、夢の実現に格闘する女性…「メークアップ・アーティスト」
イランの映画監督、ジャファール・ナジャフィ監督のドキュメンタリー作品。イラン南部ザグロス山脈の遊牧民に嫁いだ女性が、メークアップアーティストになる夢を実現させるため、保守的で伝統的な価値観にどっぷりつかる夫をあの手この手で説得していく、という物語。東京・渋谷の「ユーロライブ」で開催されたイスラーム映画祭の最終日に鑑賞した。過去には、2021年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されたことがある。
もっとみる歌あり踊りあり、それでいて深い社会批評…エジプト映画「炎のアンダルシア」
イスラーム映画祭がきのう終了した。今回、鑑賞したのは計5本。1本づつレビューを書いて、noteに開設しているマガジン「中東シネマ倶楽部」にアップしている。ここでは、最終日の23日にみたうちの一本、エジプト映画「炎のアンダルシア」について。
この作品、個人的に強い思い入れがある。1997年の制作で、日本では翌年の1998年にフランス映画社の配給で公開された。私は当時、東京で英語で書く新聞記者をして
進行中の戦争の現場で撮影されたフィクション…レバノン映画「戦禍の下で」
イスラーム映画祭の2日目はレバノン映画「戦禍の下で」。フィリップ・アラクティンジ監督(Philippe Aractingi)の長編第2作で、2006年7月に起きた「第二次レバノン戦争」を題材にした作品。
「第二次レバノン戦争」は、レバノンでは通常「7月戦争」と呼ばれ、日本メディアは「レバノン紛争」と表記する場合が多い。「第一次レバノン戦争」とは、1982年にイスラエル軍がレバノンの首都ベイルート
浴場から描かれる凄惨なテロの時代…「私は今も、密かに煙草を吸っている」
今年のイスラーム映画祭が、東京・渋谷のユーロスペース(ユーロライブ)で開幕した。初日の16日、2本目のアルジェリア映画「私は今も、密かに煙草を吸っている」からのスタートとなった。
アルジェリアの首都アルジェにある、公衆浴場の女性風呂が舞台。中東で今もよくみかける「ハンマーム」(ハマム)とよばれる銭湯は、湯舟につかる日本の銭湯とは違い、スチームの風呂。アルジェリアでの撮影が認められず、ギリシャ・テ
カフェバグダッド年代記⑦-カイロの伝統的なカフェを味わう小イベント
2011年という年は、日本国内では東日本大震災という未曽有の大災害で、岩手、宮城、福島の3県を中心に多くの犠牲者が出た年。
一方、中東では、前年暮れにチュニジアで始まったいわゆる「アラブの春」と呼ばれた民主化・反政府運動で、多くの血が流れ、劇的な政変が起きた年になる。
東日本大震災直後にイランから帰国し、新聞社の国際部で、この「アラブの春」報道の対応に追われる。途中から、「中東担当デスク」となり
カフェバグダッド20周年&"ゼロ"プロパガンダン展10周年・合同イベント
節目の年の春に、それぞれの活動の歩みを振り返りながら、中東のカフェとプロパガンダの未来を展望しようと、会期5日間のイベント「カフェとプロパガンダ」を企画しました。東京・荻窪のエレキギターショップのショールームを使った会場が、中東とプロパガンダについてのカフェに変わります。トークイベントには今、旬の中東ウォッチャーが登場。中東菓子バクラヴァ付きの回もあります。トーク以外の時間は、ドリンクを注文してい
もっとみるカフェバグダッドと日本SNS発展史⑨(了)--SNSからZINEへ
さて、SNSからみたカフェバグダッド活動の振り返り連載も、これで最終回。Tik Tokとか、Threadsが登場するのか、と予想している方もいらっしゃるかも知れない。
しかし、実をいうと、この2つのSNSについては、あまり言及することがない。Tik Tokに関していえば、まず、動画というものが苦手なので、手も足も出ないという感じだ。Threadsについていうと、Twitter(X)の代替とした期
カフェバグダッドと日本SNS発展史⑧--note
さて、いよいよというか、なんというか、noteの登場だ。カフェバグダッドがnoteを始めたのは、2018年5月28日。ちなみに最初の記事は、「モロッコ・カフェびたり紀行」だった。
先日、noteプロデューサーの徳力基彦さんのレクチャーを東京・麹町のnote本社で聞く機会があった。徳力さんは、「自分はブロガーだから」と盛んに言っていたのが印象的だった。ブロガーの徳力さんが、noteのプロデューサー