野菜こそが、トルコ料理の主役…岡崎伸也さんトーク③(野菜料理編)
東京・西荻窪の「旅の本屋のまど」で先日行われた、「食で巡るトルコ」出版を記念した岡崎伸也さん(写真右。左は版元の「阿佐ヶ谷書院」の島田真人さん)のトークイベント。
https://note.com/cafebaghdad/n/n9963872eadc2
プロジェクターを使って岡崎さんが解説した料理の数々を、本人の許諾を受けて写真付きで紹介してきた。①肉料理、②魚料理ときて3回目は、野菜料理になる。(※は、私のコメント)
アーティーチョークの詰め物(エンギナル・ドルマス)
アーティーチョークは、エーゲ海・地中海沿岸で食べられる。ピラフを詰める。クレタ島(現ギリシャ)から来た住民が伝えた食のひとつ。
※あらゆる食材をごはん詰めにしてしまうトルコ料理の真骨頂といえそう。
マルメロの詰め物(アイワ・ドルマス)
マルメロは生で食べると渋いが、煮るとフルーティで肉と合う。
※マルメロ自体食べたことがなく、味が想像がつかないが、トルコでなんとか見つけ出して食べてみたい一品。
アザミの根の卵とじ(ユムルタル・ケンゲル)
南東部マルディンで、郷土料理研究家が卵とじにしてくれたものを食べたそう。
花オクラ(チチェッキ・バムヤス)
花がついた状態で収穫する。粘り気はほとんどないという。
※成熟した実とは一味違う味を体験してみたい
ケールで巻いたドルマ(カララハナ・サルマス)
サルマはブドウの葉を使うのが一般的だが、黒海地方ではケールも使う。インゲンや桑の葉でも。
キノコ炒め(マンタル・カヴルマス)
黒海地方でよく食べられる。湿気がある地域なので保存は塩漬けにする。
白いんげん豆の煮物(イスリ・エトリ・クル・ファスリェ)
トルコ家庭料理のトップ3にはいる。食堂料理でもある。バルカン半島では燻製肉を入れたりもする。シンプルゆえに、出来が分かれる。普通はピラフがついて出てくる。
※トルコ食堂の定番。地域によって微妙な差異がありそう。
ズッキーニの花の揚げ物
雄花を使う。「花を使った料理、日本にもっとあってもいいと思う」と岡崎さん。
※うーん、なんとも上品。
オリーブ油炒め盛り合わせ(ゼイティンヤール・タバック)
そら豆とディルの煮物、ホウレンソウとイラクサ(ウスルガン)の炒め物など。写真の真ん中はかぼちゃの炒め煮。エーゲ海地方アイドゥンの名店「サルサ―ル」で食べたそう。
※トルコ料理は野菜を楽しむもの、と実感。
イラクサ(ウスルガン)の天ぷら
エーゲ海地方のアイドゥンで、イラクサは「ダルガン」と呼ばれているという。小さく刻み、卵、小麦粉、黒コショウなどを混ぜたものを揚げる。ヨーグルトが添えられている。
※料理のセンスを感じる
未熟なアーモンド(チャーラ・ドヴメスィ)
デニズリ県ブルダンで食べたそう。細かくくだき、ゆで卵などとまぜた具をユフカに巻く、という食べ方。
※複雑かつ繊細、どん欲に食を追求すると行きつく料理か。
ひよこ豆のディップ(フムス)
アラブ系住民が多い南東部ハタイ県では専門店もある。
※ハタイでは改めてフムスを堪能してみたい。
乾燥ナスを使ったピラフ詰め(クル・カブック・ドルマス)
デニズリ県のブルダン市で、結婚式のためにこの料理を作るところを見学したそう。外の皮だけ残して中はすべてくり抜き、皮を糸でつなぎ合わせて乾燥させたものを使用。乾燥していてすでに中がくり抜かれているので、米を詰めるのが簡単なんだそう。乾燥でうまみが凝縮されるメリットもある。町の食堂でも食べることができたという。(岡崎さんがプロジェクターに投影した写真を撮りそこなったため、南東部ガジアンテップで私が撮影したナスのドルマをご参考までに)
※乾燥させることで独特の食感が生まれ、味も凝縮される。トルコの乾燥保存食のすばらしさが体現された料理。
未熟なビワの煮込み
南東部ガジアンテップ県で食べられる。酸味もありつつ甘さもある。
※これも味が想像つかないが、ぜひ食べてみたい。
【次回はお菓子編】
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