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#国際結婚
【35話】離婚への道「リスクを恐れず家を出よう」
一時は浮気相手の元へ走る思いもあったが、ゆっくり静かに火照りは冷めてきた。かと言って、この時点で夫と再び仲良しになり、人生を一緒に歩む自信もなかった。
昼間は間借りしているオフィスが唯一私の自由な居場所。そこは生活拠点ではないが、家に戻れば彼の支配圏となる。忙しいわけでもないのにオフィスに居る時間は長くなり、夕食も一人で机に向かってスナックを食べる毎日。ゴミ箱にはスナックの袋がいつも満杯になって
#2 アメリカで初めての就活と出会い
その夏は私にとってクレイジーな夏だった。学校を卒業したのに就職も決まらず、どうしようもない不安に襲われたり、アパートも決まらず。これからのアメリカ生活に一人で生きる自身が無かった。ただ大学を出ただけなんて皆もっとすごい学位を取ってるのに、まして日本人で英語も留学生並なんてアメリカでは通じない。。。履歴書を何十枚送ってもどこからも反応がない。当時サンフランシスコ、ベイエリアでは、アパート代が高騰し、
もっとみる#3 このおじ様、メッシー君になってくれるかな
11月初め、私はいきなり新聞社の支局長となり、出版会社での取材や広告営業で忙しく走り回っていた。夏からずいぶん時間が経っているが、彼と2回目の再会をした。カフェで待ち合わせたが、食事時間だった事もあり、彼は「僕のお気に入りの寿司屋に行かない?」と誘った。
貧乏暮らしが続いていた私にとって寿司とは夢のような食事。「ええ、寿司?」と聞いた私に、「僕におごらせてね」と言った。「やったー!寿司が食べれる
#4 計画性を持って“その日”を仕掛ける
12月、彼の彼女が来た。彼が突然電話してきて、「僕の彼女といっしょにディナーしない?」と言ってきた。「いいよ」と私は出かけ、その時始めて見た彼女に対して、「勝った」と密かに思った。彼女はおとなしそうで、プレインな中年女性、私はまだ若くはつらつとして、彼をいつも笑わせていると勝手に自己評価をして、うぬぼれていた。
彼は私に「クリスマスやお正月はどうするの?」と気を使ったような言い方をしていた。「
#5 不思議な夢のお告げ
その日を境に私達の関係は変わった。心がもっとそばにある気がした。そんな最中、彼はハンガリーに行ってしまった。これから3ヶ月間、私は一人で何をしようかと考えていた。
私の仕事は相変わらず超忙しかったが、まだ貧乏の最中。そんな時、事件が起こった。車がアパートの駐車場から盗まれてしまったのだ。そんなことがあり得るのか。さすがアメリカならではだ。翌々日車は見つかったものの、事故をした挙句タイヤがパンクし
#6 まるで愛人ーその場だけの愛の伝達
彼が居ない3ヶ月間、私の貧乏生活は底知れぬものだった。大体OPT(大学を卒業した後に研修として働けるビザ)でコミッションで、1日$1の生活が何ヶ月も続いた。しかしやっと暗いトンネルを抜けたようにビジネスの方法を見出し、スポンサーも取れるようになり、仕事が乗り始めた頃だった。死ぬほど働いて、一日中アパートから一歩も外に出る時間もなく、UPS(配達)もいつもピックアップに来てもらっていた。意識がなくな
もっとみる#10 三角関係から脱却ーー正式な恋人になる
(#9から続く)
それから何週間か経ち、その間彼は、私の心を取り戻そうと大変な努力をした。いつも「おはよう」や「おやすみ」のテキストや「Love」サインを送ってきたり、オンラインで綺麗な花を家に届けたり、プレゼントをくれたりした。そんな彼の努力の甲斐もあって、私の“空虚”は少しづつ回復していった。ガスがなくなった車にどんどんエネルギーが注ぎ込まれた感じだった。その間、「元カノ」の話は一切しなかった
#12 離婚から立ち直れない、私の中の“エンプティー”
4月、私は人生最も悲しいイベントの為、日本へ一時帰国した。離婚の最終整理をしに夫が住む東京に一週間滞在した。この時、夫もまた真剣に付き合っている彼女がいた。ほぼ同居をしているにもかかわらず、私が滞在する2週間、彼女は私達を二人きりにしてくれた。私は、「なんという理解ある彼女なんだろう」と感動した。
夫は私が帰ってきたのをとても喜んでくれ、毎晩私が作る料理を喜んでくれたり、彼も私に料理を作ってくれ
#14 バレンタインデー:プロポーズの日
恋人達が愛を語り合うバレンタインデーの日、私は自分が受け持つタウン雑誌の3月号の取材原稿をかき集め、朝からバタバタと忙しくしていた。
この週、日本のある有名野球選手がサンフランシスコジャイアンツに入団した事もあり、寝ない日もあるくらい忙しかった。恋人同士にとって大切なバレンタインデーの日、約束のレストランに着替えと化粧道具を持ち込みで汗だくで駆け込んだ。それでも30分も遅刻してしまった。
それ