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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊

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「四面楚歌」と書いて「ピエールとカトリーヌ」と読む! 「地獄の図書館司書」最強三冠馬コンビの俗悪書評漫才集です。主に『アヴァロンシティ図書館(+視聴覚室)』では扱わない物件を材料…
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記事一覧

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第16回 塚本靑史『呉越舷舷』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第16回 塚本靑史『呉越舷舷』

 誰だよ、最初に仕掛けた輩は?

 ディープインパクト「オルちゃん、また怪しい選択だね?」
 オルフェーヴル「今回の記事で扱うのは、塚本靑史さんの春秋時代小説『呉越舷舷』(集英社文庫)です」
 曹操「塚本節全開だな」
 オルフェ「うぷぷ…ご、伍子胥さんの濡れ場がありますね(笑)。ある意味、パリス・ヒルトンさんの(ピー!)動画以上の見ものですよ」
 曹操「塚本って、熟女趣味なのか?」
 オルフェ「い

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第15回 マイケル・ブラムライン『器官切除』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第15回 マイケル・ブラムライン『器官切除』

 劉邦「弱肉強食ならぬ焼肉定食か…」
 蕭何「陛下、シャレにならない発言はおやめください」

 ディープインパクト「オルちゃん、今回は随分と物騒な本だね。シンボリルドルフ先生に叱られそうだけど…?」
 オルフェーヴル「うーん、まずいですかね? 今回の記事で扱うのは、外科医と小説家の二足のわらじを履くマイケル・ブラムラインさんの短編小説集『器官切除』(白水社)です」
 ディープ「物理的・肉体的な冷徹

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第14回 深澤真紀『日本の女は、100年たっても面白い。』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第14回 深澤真紀『日本の女は、100年たっても面白い。』

 オルフェーヴル「娘のラッキーライラックの身代わりになってマムシに噛まれました。鼻から泡が止まりません」
 ディープインパクト「楽毅先生、早く救急車を!」

 楽毅「今回の記事で取り上げるのは、前回の町山智浩さんの本『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』(マガジンハウス)の日本版だな」
 ディープインパクト「〈草食男子〉という造語の生みの親である深澤真紀さんの本『日本の女は、100年たっても面白い。

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第13回 町山智浩『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第13回 町山智浩『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』

 オルフェーヴル「今年こそはケンちゃんにお歳暮として鮭児を贈るんだ」
 曹操「めったに捕れないだろ」

 ディープインパクト「オルちゃん、今回はアメリカの女性有名人の本?」
 オルフェーヴル「はい、ディープ先輩。今回はフェミニズム的な内容ですので、インリンさんとアイちゃん(アーモンドアイ)にお任せしようかと思いましたが、インリンさんはアメリカという国に対して不信感がありますので、代わりに俺たちが紹

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不適切万冊 第7回 マイケル・ムーア『アホでマヌケなアメリカ白人』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不適切万冊 第7回 マイケル・ムーア『アホでマヌケなアメリカ白人』

【Diamanda Galás - Double Barrel Prayer】
 オルフェーヴル「今回は真面目な話ですよ」

 ディープインパクト「あの…オルちゃん。この本のタイトルって、netkeibaやYouTubeではまずくない? 『アホでマヌケなアメリカ白人』だなんて、レイシズム系の誹謗中傷だと判定されて削除されるよ」
 オルフェーヴル「はい、だからこその『不適切万冊』です。つまりは、ne

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第12回 ジェーン&マイケル・スターン『悪趣味百科』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第12回 ジェーン&マイケル・スターン『悪趣味百科』

 オルフェーヴル「ディープ先輩、ハロウィンのご馳走はカボチャのお汁粉ですね」
 ディープインパクト「オルちゃん、それは冬至」

 オルフェーヴル「ディープ先輩、今回の本はズバリ、これです。ズバババーン!」
 ディープインパクト「オルちゃん、何なの、このお下品な本は?」
 オルフェ「今回の掘り出し物は、ジェーンさんとマイケルさんのスターン夫妻の本『悪趣味百科』(新潮社)です」
 ディープ「この本、君

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第11回 小林恭二『首の信長』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第11回 小林恭二『首の信長』

 劉邦「確かに『信長の首』だとありきたりなタイトルだな」
 夏侯嬰「この人(?)たちが紹介する本は色々と怪しいですね」

 オルフェーヴル「ぶっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃー!」
 ディープインパクト「オルちゃん、ひどい笑い声だね」
 オルフェ「ディ、ディープ先輩! この本、良い意味でひどいですよ!」
 ディープ「『良い意味でひどい』って、矛盾してない?」
 オルフェ「いや、『良い意味での裏切り』

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第10回 檀原照和『ヴードゥー大全』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第10回 檀原照和『ヴードゥー大全』

 劉邦「何だ、さらに新記事か」
 韓信「メインブログのネタ不足解消のためか…」

 楽毅「オルフェ君、今回は分厚い本だね」
 曹操「ヴードゥー教の本か」
 高杉晋作「アフロ民俗の世界か…。アフリカ大陸だけでなく、アフリカ系民族全般の宗教を扱うのか」
 ディープインパクト「オルちゃん、今回は何の本?」
 オルフェーヴル「はい、檀原照和さんの『ヴードゥー大全』(夏目書房)です。これはハイチのヴードゥー

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第9回 幻超二『大唐騎士』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第9回 幻超二『大唐騎士』

 劉邦「久しぶりだな」
 韓信「また知る人ぞ知る本を持ち出したか」

 ディープインパクト「オルちゃん、この漫画は何?」
 オルフェーヴル「はい、ディープ先輩。これは1990年代にヤングマガジンの別冊に連載された幻超二さんの漫画『大唐騎士』(ヤンマガなので、当然講談社)です。これはアーサー王伝説と『封神演義』と『西遊記』をかけ合わせた内容という、当時としては画期的な内容でした」
 曹操「何だか『F

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ディープインパクトとオルフェーヴルの不適切万冊 第6回 白土三平『バッコス』

ディープインパクトとオルフェーヴルの不適切万冊 第6回 白土三平『バッコス』

 劉邦「こりゃめでてーな」
 韓信「あちゃー!」

 オルフェーヴル「ディープ先輩、『今昔物語』のカブ」
 ディープインパクト「オルちゃん、やめなさい」
 オルフェ「まだ何も言っていないも同然じゃないですか?」
 ディープ「言ったも同然でしょ? 君の言う『今昔物語』のカブは要するに下ネタなんだから」
 オルフェ「まあ、そうなんですけど、仮に俺がカブに(ピー!)して、(ピー!)に(ピー!)させたら、

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インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第9回 安西篤子『洛陽の姉妹』

インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第9回 安西篤子『洛陽の姉妹』

 韓信「十面埋伏!」
 オルフェーヴル「うまいフグの毒!」

 インリン「今回は中国史ものの短編集ね」
 アーモンドアイ「はい、安西篤子さんの『洛陽の姉妹』(講談社)ですが、そのうち最初と次が春秋戦国時代の趙氏一族の話で、次が劉邦さんの奥さま呂雉さんの話で、その次が曹操さんと曹丕さん親子の話で、最後が表題作です」
 インリン「趙氏といえば、『Avaloncity Stories』第一部のフォースタ

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インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第8回 フランチェスカ・リア・ブロック『少女神第9号』

インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第8回 フランチェスカ・リア・ブロック『少女神第9号』

【AARON - フェイス】

 インリン「アイちゃん、息子さんのデビュー決定おめでとう」
 アーモンドアイ「ありがとうございます。何とかデビューにこぎつけて良かったです」
 インリン「アロンズロッド君の名前って、イクイノックス君にも負けず劣らず凝った命名ね」
 アモアイ「はい。旧約聖書の故事に由来するものです。私の名前にあるアーモンドからの連想です」
 インリン「下手に多神教絡みの名前をつけるよ

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インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第7回 小谷真理『ファンタジーの冒険』

インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第7回 小谷真理『ファンタジーの冒険』

 私は明日、胃カメラ検査を受けますので、しばらく投稿出来ない可能性があります。

 インリン「今回はSF・ファンタジー評論家の小谷真理さんの『ファンタジーの冒険』(ちくま新書)という本だね?」
 アーモンドアイ「はい。純文学系作品を主な対象にしている文芸評論家の斎藤美奈子さんにとっては対象外のジャンルですね」
 インリン「斎藤さん? その人がどうかしたの?」
 アモアイ「斎藤さんは『もののけ姫』や

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インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第6回 バラージュ・ベーラ『ほんとうの空色』

インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第6回 バラージュ・ベーラ『ほんとうの空色』

【Madonna - True Blue】

 インリン「今回はハンガリー出身の作家さんの作品ね」
 アーモンドアイ「はい、ハンガリーの作家バラージュ・ベーラさんの『ほんとうの空色』(岩波少年文庫)です。ハンガリーの人たちの苗字は東アジア圏の多くと同じく、個人名の先に出てきます」
 インリン「主人公の男の子は母親がシングルマザーの洗濯屋さんで、親子揃って苦労人だけど、主人公は家業の手伝いのためにま

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