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『海の底から見上げると』
【短編小説】
宅急便は、平べったくて大きな封筒だった。
ずいぶんと大きな封筒だな、と思った。A3?よりもずっと大きい。普通の書類を入れる縦長の封筒がイワシなら、この封筒はサメだ。獰猛な牙のあるやつじゃなくて、大きな口をポカーンと開けてプランクトンを飲み込むやつ。眠そうな目のサメ。ジンベエザメだ。
眠そうな目をしたジンベエザメが、天井の辺りをゆっくりと泳いでいる。私は宅急便で届いたその巨
パンプス、夢、爪。バイト先の忘年会に行きたくない。
【小説です】
私の部屋は、狭い。ドアを開けると靴箱があり、キッチンがあり、向かいにユニットバスがあり、六畳一間に全てのものが詰め込まれている。エアコンが壊れたのが、だいたい半年前、夏の暑い最中、急にリモコンが効かなくなった。ヴィレバンで買った折り畳みの台に乗って、手動のスイッチを押すと温風が出てきたので、それからずっと放置している。
昨夜は、足の親指の爪を切りすぎた。デパスとマイスリーを飲