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お花見note🌸🌻

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2021年。お花見企画【春】【夏】投稿作品をまとめています。次回の開催もお楽しみに!
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#エッセイ

お花見note*2021夏【終了】

お花見note*2021夏【終了】

皆さまお待たせいたしました!お花見企画第2弾のお誘いです。

春に実施したお花見企画。「お花を一緒に楽しむのは桜の時期だけじゃなくてもいいんじゃないか」ということで!今回も一緒にnoteでお花見を楽しめたらいいなと思っています。ご参加お待ちしております!

【企画内容】
ヒマワリが登場する物語(ショートストーリー)を募集します。そして、お気に入りのヒマワリの写真(又はイラスト)を記事に貼ってくださ

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サニー・サイドエッグ・シンドローム

サニー・サイドエッグ・シンドローム

 容赦なく照りつける日差しが、夏の訪れを知らせていた。この季節、ふとした拍子に頭の中でパッと思い浮かぶ光景がある。あの時も満ち足りた気持ちだったはずなのに、理由もなく心が揺らいだ。みんな若かったのだ、たぶん。

*

<過去のさる夏の日のこと>

 カラカラと扇風機が回っている。僕の隣では時折「くぁ」と寝息ともいびきともわからぬ声が聞こえてきた。いつの間にかブランケットが隅に追いやられている。風邪

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ひまわりのワンピースが、似合うひと。

ひまわりのワンピースが、似合うひと。

容赦なく照りつける日差しが、夏の訪れを知らせていた。

バルコニーの鉢植えたちへの、朝のご挨拶。
「おはよう、しっかりとお飲み」
ジョウロめいっぱいの水を、足もとに注ぐ。

空を見上げる。よし青空! 白い雲も美しい!
「日曜の朝、今日はお仕事もお休みだね、よかったね」
と私は小さく囁く。

あなたも、こうやって花々に水をやっている頃かしら?
それとも、まだ心地よいまどろみのなか?

あなたのベラン

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短編小説:月下の花見、私の彼氏

短編小説:月下の花見、私の彼氏

 羽のように軽い風が、ひとひらの花びらを運んできた。私は髪に付いた桃色のそれを、指でそっと摘む。ああ、今年もこの季節が来てしまったか。冬から春へのちょうど変わり目の時期は、それまでの気温がまるで嘘かのように体をポカポカと温めてくれる。たくさんの人たちが新しい気持ちで始まりに臨むことだろう。その中で、私の心だけがひとつ置いてけぼりにされてしまうのだ。

*

 私の家族は母と父と私、それから母の父に

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ひとひらの花びら

ひとひらの花びら

風がひとひらの花びらを運んできた。私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。

桜の花びらだった

この花びらを届けてくれたのは神さまだろうか、仏さまだろうか……。

涙が出そうになった。

桜の花が綺麗だとか、満開だとか

様々なSNSでたくさんの人が、桜の写真をアップしている。

でも重症筋無力症という難病にかかってしまった私は、玄関を出て数メートル歩くこともままならない。

家から50メー

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🌸小説 noteでお花見🌸

🌸小説 noteでお花見🌸

風がひとひらの花びらを運んできた。
私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。

『そろそろ着くよ。今、新橋』
友人からメッセージが届いた。
『私は早めに着いたから、お花見してるとこ🌸』
『お花見!?どういうこと??あ、もう着くよ』

銀座三越のライオンの前で待合せだなんて、毎度毎度なんてベタなの。
これは、友人が超絶方向音痴だから。彼女の基準は銀座4丁目交差点。
お店にたどり着く前に迷うの

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