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あの日に蒔いた種たちは

週に3日、在宅ではないライターの仕事をすることが決まった。

先日神経科にて記憶力や集中力が低下していると言われたが、文字を書く時だけは絶対に集中力が落ちることがない、という自信があるのでとても楽しみな仕事がまたひとつ増えた。

最近は、少し体調を崩すこともあるがそれでもワクワクすることがなんだか多い気がする。

ワクワクや、去年ではとても片付かないだろうと思っていた問題に一区切りがついてきたり、思考が変革し、どう考えても答えがでなかったことにも落としどころを見つけて、それを目指して色々な光が見えてきた。

数年前、何もうまくいかなくて、今は種まきなんだと自分に言い聞かせ踏ん張っていた時期があった。

これはその時に書いた日記だ。

ここは便利だ。

だけど、なにもない。満天の星空も、
好きだった人も、この会話をした人も、
大切な家族も、どこにも無い。

このぴかぴかと光るPC画面の中に、信用できる人が数人だけ、いる。

街明かりに照らされ、慣れないヒールを引きずるように泣きながら歩いたことがあった。仕事で何をやってもうまくいかない時だった。

光るネオンたちに、私の涙は反射していたのだろうか。

泣きながら友達に電話をして「今は種まきの時期なんだ」と言われた。
その友達ももう、私は一緒にいられなくなってしまった。
自分の生活と、生きることを選ぶために。

種まきはいつまで続くだろう
芽吹くことは、あるだろうか。

休業し、半年が経ってきた。少しずつだけど仕事量は増やしているから、完全に休んでいるわけではない。他にも、SNSを頑張っていたら色々なオファーもくるようになった。少しずつ芽吹いているのだろうか。

満天の星空を当たり前に見上げていたころには、わからなかった、知らなかった人生の厳しさと言うものももう、1年以上続いていて
これが良くなったと思ったら今度はこれ、ときりがない。

ああ、ここには、星空もないし
大切な人ももういないし、
だからと言って帰ったところで私の居場所はどこにもないだろう。

月明りにも、街明かりにもかき消され
プラネタリウムで見たような、あんな星たちも見えないこの地で

私は今日もひとり、空を見上げている。
何もない空を。

【不安と葛藤】プラネタリウムの満天の星空は、街明かりにかき消されていく


私はこの地で、ずいぶんと長い間ひとりぼっちだった。

パソコンやスマホを開いた時だけ賑やかで、だけど実際にはずっと一人だった。この地にいる意味はあるのかもわからず、ただ目の前のやるべきことをこなしながら、体を休めていた。

それが、今。
見渡してみると、この地にこんなにも仲間が出来た。苦しい時に声をかけてくれる、助けたいと言ってくれる優しい人たちに囲まれ、私も何か与えられるような人間になりたいと、毎日を明るく生きている。

あの時せっせと泣きながら蒔いていた種は、確実に芽吹き、双葉になり、中には花が開いたものもあるだろう。

こんな未来が来るなんて、想像できなくて、
想像できなかったけど、きっと来ると信じて種を蒔き続けた。

それが今こんな風に、こんなにも和やかに素敵な人たちに囲まれて生きていられる。大切な人たちに見守られ、家族は健やかだ。

「嬉しい」をたくさん出していこう。人に感謝をしていこう。
まだまだ種を蒔き続けよう、一面の花畑になるように。


山口葵


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