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目的に到達するための過程に喜びがある。

短編集「Palmstoriesあなた」のなかの、
又吉直樹さんの「行列」

主人公は、何の行列か分からないけれど並んでみる。
五百円払い、古民家に入り、廊下を進む。
何が起こるのか、わくわくしながら。

最後の襖をあける。
ろうそくが灯ってる。
奥の扉を開けると、出口だった。


主人公は、何も起こらなかったことを不満に思い、部屋のモニターをみてる管理人に話しかける。


あなたは、男になにを言うべきかをまだ考えている。
あなたは、五百円を支払っているのに、商品がなにもないのはおかしいということをまとまりのない言葉で男に伝えた。

人間は目的ではなく、その目的に到達するための過程に喜びを感じるものなんです。ですから、ここでは目的ではなく、その目的までの過程だけを抽出して提供しているんです。ほら、欲しかったはずのものが手に入ると急にどうでもよくなったりすることありませんか?」

主人公は、ないです、と反論。
目的があって、それを本気で掴もうとするからこそ、その過程に意味が伴うのであって、その過程だけで人間が喜びを得られるわけがない。そんなのはただの屁理屈にすぎない。それに漁にでて魚が獲れなかったら人間は生きていけない」
あなたは、まだ言葉を続けようとしていたが、男の声によって遮られる。
「かつてはそうだったかもしれないですけど、あなたはそうじゃないでしょう。言ってみれば錯覚ですよ。本当に必要なのは目的に向かって行動をしている過程なんです。その時にこそ人は喜びを感じるはずなんです」
「そんなことを言いだしたら、ラーメン屋で散々並ばされた挙句、いざ自分が食べようとしたら、行列で楽しめたからいいだろと難癖つけられて、ラーメンを取り上げられたとしても許すということか。それはおかしい」


でも、行列に並んでるとき、廊下を歩むとき、期待で笑顔な主人公であった。

私は、どうなんだろう。

目的ばかりに目がいきがち。
ゴールに突き進み、過程を楽しめないことがしばしば。
目的を果たしたところで、満足できないこともある。

楽しむべきは"過程"なのかな。
一番楽しいのは"過程"なのかな。
ちゃんと、"今"私が歩んでる道をみて、目的に向かう"わくわく"を楽しもう。


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