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Note 時事コラム 2016

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世の中の情勢を見つめながら、そこに潜む問題を取り上げていきます。
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2016年3月の記事一覧

新卒フリーランスに想うこと

新卒フリーランスに想うこと

批判の背後に隠された社会的な強制力と逸脱することへの意義について

新卒でフリーランスになろうという人には多くの批判が寄せられる。

「会社では多くのビジネスマナーや知識を学ぶことができる」、「会社でも自分の意識次第でたくさんのスキルを磨き成長できる」、だから「タダでいろいろ学べる機会を自ら捨ててしまうのはもったいない」と彼らは言う。

私はそのような意見があることには何の違和感を覚えない。

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クジラの上でガッツポーズしてないか?

クジラの上でガッツポーズしてないか?

SNS社会の中に潜む「表現上の問題点」について

今、「表現する」ということで私の脳裏に浮かぶのは、一枚のクジラの写真である。

そこには死骸となったクジラの上で得意げな様子でガッツポーズを決める男性の姿も写っている。

クジラ死骸上でガッツポーズ 写真コン最優秀作品に批判

この写真が「生命の侮辱」などと全国から多くの批判を浴びることとなったのはもはや説明するまでもないだろう。

批判の中には嫌

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子供は2人以上産むべき  校長は何を語るべきだったか

子供は2人以上産むべき  校長は何を語るべきだったか

大阪市立茨田北(まったきた)中学校の全校集会で「子供は2人以上産むべき」という趣旨の発言した寺井寿男校長(61)が再任要請を断って辞任した。

問題となった発言の後には、メディアにも取り上げられ、大きな波紋を呼ぶ事態に。

市教委事務局には「価値観の押しつけ」「正論だ」といった賛否両論の電話も殺到したという。

校長は「子どもを2人以上」のあとに「これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります

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ロボ接客の先にある未来

ロボ接客の先にある未来

ロボ接客の先にある未来 テクノロジーの進化と職業の変化について

ハウステンボス(長崎県佐世保市)にある「変なホテル」が話題になっている。

太陽光と燃料電池、蓄電池を組み合わせた省エネ設計を採用し、接客を担当するのは、恐竜や女性の形のロボット。

新工法で建設コストを抑え、省エネ設備で光熱費を減らしたうえに、ロボットで人件費を減らしているという。

たしかに、このシステムを採用することで、エネル

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フリージャーナリストの悲劇を繰り返さないために

フリージャーナリストの悲劇を繰り返さないために

フリージャーナリストの安田純平さんがシリアで拘束された動画が投稿された。

インターネット上で流れた動画では、家族への思いを語った後、日本政府を念頭に対応を求めるような発言を行った。

これに対して日本政府が行った行動は明らかにされてはいないが、対応が後手に回っていることは否定できない。

実は昨年の2015年12月、国際NGO「国境なき記者団」から安田さん国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」

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認知症の高齢者による事故が多発 これからどうするべき?

認知症の高齢者による事故が多発している。

警視庁のデータによると、2014年に死亡事故を起こした75歳以上の運転者のうち約4割が、直近の認知機能検査で、記憶力・判断力が「低い」「少し低い」と判定されているという。

能力が低下した高齢者が事故を引き起こす可能性は非常に高い。能力の低下を自覚している高齢者はなるべく自ら運転を控えるように努めるべきだろう。

しかし、そうはいかない複雑な事情も残って

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ドローン少年の孤独 「囲い」が彼を狂わせたのか

浅草の三社祭でドローンを飛ばすとして逮捕された「ドローン少年」。

最近ではすっかりその名前を聞くことがなくなったが、CNETジャパンのニュースで再び取り上げられていた。

記事の内容によると、「生放送配信者に対して特定の配信者にのみ配信したり配信を止めさせたりするような『囲い込み』行為が少年の承認欲求を過剰なものにさせ、過激な行動を引き起こさせたのだという。

たしかに周囲の大人たちから100万

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高校生の政治活動を校則で縛ってはいけない

愛媛県立の全59高校が校外の政治活動に参加する生徒に、学校への事前の届け出を義務化した。

これにより校外での政治活動は保護者の許可を得て1週間前までに届け出ることが義務づけられ、校内での選挙運動は原則禁止されることになった。

こうした規則は、生徒がトラブルに巻き込まれたり公選法違反に問われたりした場合に備え、学校側が状況を把握しておくために定められたものだという。

しかし、こうした規則は生徒

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「日本死ね!」にこめられた切実なメッセージ

今日本全体を揺るがせている有名なブログと言えばやはり「日本死ね!と題されたブログだろう。保育園に入れなかった子供の母親が書いたこのブログは多くの人たちの反響を呼び、ついに国会を動かすまでになった。

だが、先日このブログに反論する内容を書き込んだ者がいる。それは東京都杉並区議の田中裕太郎氏だ。

彼は自身のブログ中で「日本死ね!」のブログを批判し、「便所の落書き」と書き込んだ。ブログでは以下のよう

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アップルのロック解除問題と国家権力によるプライバシー侵害の脅威

アップルとFBIの衝突が波紋を広げている。

事の発端は2015年12月に起こった銃乱射事件。

14人の犠牲者が出た事件を解決するためにFBIは裁判所を通じて、アップルにロック機能の解除に協力するよう要請した。

しかし、アップル側はその要求を拒否。

パスコードロック機能や端末のデータ消去機能を回避する方法を持ち合わせておらず、協力のしようがないと主張する。

また、「バックドア(裏口)と呼ば

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