「日本死ね!」にこめられた切実なメッセージ

今日本全体を揺るがせている有名なブログと言えばやはり「日本死ね!と題されたブログだろう。保育園に入れなかった子供の母親が書いたこのブログは多くの人たちの反響を呼び、ついに国会を動かすまでになった。

だが、先日このブログに反論する内容を書き込んだ者がいる。それは東京都杉並区議の田中裕太郎氏だ。

彼は自身のブログ中で「日本死ね!」のブログを批判し、「便所の落書き」と書き込んだ。ブログでは以下のように述べられている。

「『日本死ね』などと書き込む不心得者や、そんな便所の落書きをおだてる愚かなマスコミ、便所の落書きにいちいち振り回される愚かな政治家があとをたちません。事情はどうあれ、『死ね』というほど日本が嫌なら、日本に住まなければ良いのです」

このような発言に対してネットを介して多くの非難が寄せられ、ニュースなどでも取り上げられている。

当の本人は「待機児童問題は解消する必要があるが、ブログの書き方には倫理観が問われる」とし、掲載した内容は削除しないと述べているが、やはりこのような発言は大きな問題を秘めているといえるだろう。

田中氏の発言で最も非難されているのは、現在保育園に通わせたくても通わせられない子供の母親がいることを全く考慮されていない点である。

このような発言をすることで、すでに傷ついた母親の心をさらに踏みにじり、傷つけることになることはいうまでもない。

田中氏が最も反省しなければならないのは、そうした母親たちを思いやる人間的な常識が欠けていたことを自覚していない点である。

また、「『死ね』というほど日本が嫌なら、日本に住まなければ良いのです」という発言は区議という多くの人たちが安全で豊かな生活をおくれるように努める者として不適切な発言だった。

日本には原発問題や高齢者問題など諸外国から見ても不十分な対策しか取られていない問題がある。待機児童問題もその一つであり、現状の問題を真摯に見つめて改善していかなければならないだろう。

「日本死ね!」の言葉は汚くても、そこには豊かな日本になってほしいという切実なメッセージがあることを私たちは忘れてはならない。

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