高校生の政治活動を校則で縛ってはいけない

愛媛県立の全59高校が校外の政治活動に参加する生徒に、学校への事前の届け出を義務化した。

これにより校外での政治活動は保護者の許可を得て1週間前までに届け出ることが義務づけられ、校内での選挙運動は原則禁止されることになった。

こうした規則は、生徒がトラブルに巻き込まれたり公選法違反に問われたりした場合に備え、学校側が状況を把握しておくために定められたものだという。

しかし、こうした規則は生徒の自由な政治活動を阻害するものになる可能性が高い。生徒の政治活動が常に学校側に監視されていることにもなるからだ。

政治活動への評価がどのようになされるのかということは、これまで一度も議論されることはなかった。高校生の政治活動がプラス評価になるのか、マイナス評価になるのかはいまだ不明である。

仮にどちらの評価にもならず中立を保つものであったとしても、進路指導を担当する教師の判断でマイナス評価へ転じる可能性は残されている。

生徒としては、そうしたマイナス評価が進学に悪影響を与えるものになることを恐れ、政治活動には極力関わらないようになるのではないだろうか。

学校が生徒の安全を考えることは必要だが、それが自由な政治活動を妨げるものにならないように配慮する必要がある。

また、学校側のこうした取り決めがなぜ行われたのかということももう一度検証する必要があるだろう。

「生徒がトラブルに巻き込まれたり公選法違反に問われたりした場合に備え、学校側が状況を把握しておくため」

という表現からは、政治活動はトラブルや違反行為がつきものだという認識が見え隠れしているようにも受け取れる。教師の中にも政治活動そのものに対して好ましく思っていない人が数多くいるのではないだろうか。

健全な政治活動は決して危険なものではないし、違法性が伴うものでもない。

トラブルや違反行為にまきこまれないように教育する必要はあるが、健全な政治活動とはどのようなものなのか十分に教える必要があるのではないだろうか。

今後の学校側の配慮に期待したい。


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