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ホット・オブ・アイスラテ症候群

ジェーン・スーという処方箋

私には1年に数回程、定期的にやらかしてしまう悪い癖がある。それは、カフェで「ホットのアイスラテで」と無意識に注文してしまうことだ。そんな時期は決まって、仕事・恋愛・友情・家族・人生全てにおいてフラストレーションを感じている。何もかも嫌になり、自己欺瞞と自己憐憫に陥ってしまう時でもある。自分の意に反した言動で恋人・友人・家族を傷付けてしまったり、自分の見た目・年齢・才能に劣等感を感じてしまうということだ。それ故、自己肯定感がとてつもなく下がってしまう。

それはPMS(月経前症候群)とは別の星のように、彗星の如く現れるのである。なぜ、今そこからやってきた?と言わんばかりに急にやってくるのだ。そして、足の爪先から沸き上がってきたかのように怒涛の涙が押し寄せてくるのである。それは、決して止まることを知らない。まるで、涙と自分が別人格であるかのように涙腺が制御不能になるのだ。アラサーに突入するとそれがより如実になり、これを治めてくれる特効薬や処方箋はないのかと悶々としていた。

そして、ある日ついに現れた。現れたというか、そこに鎮座していらっしゃった。かの有名なエッセイストのジェーン・スー大先生である。もう、大教祖様とでもお呼びしたいくらいだ。とあるキッカケで大先生がフリーアナウンサーの堀井美香さんとパーソナリティを務める「OVER THE SUN」というTBSラジオを知り、一気に虜になった。そして、大先生がお書きになったエッセイ本を貪るように読み尽くしたのである。小学生以来、久しぶりにbookwormになったと言っても過言ではない程、出版されている限りの本を何度も何度も読み返した。そんな大先生の御言葉は私の人生全ての指針となり、文章を書くことを仕事にしたいという夢を再熱させてくれたのである。こうして、noteで日々エッセイを書き続けられているのも大先生の御言葉のおかげだ。

ここで、ジェーン・スー大先生の御言葉をいくつか紹介したいと思う。尚、スターバックスラテとの飲み合わせは最高である。その他、飲み合わせは自己判断でお願いしたい所存だ。

いま楽しいのは、間違いなく「ま、いいか」のおかげだ。片時も目が離せないほどコントラストが強かった、過去の自分が見ていた景色なんて、所詮は執着がフィルターをかけていただけなのだと知った。
おつかれ、若かった頃の私。あの頃、いろんなことに執着して頑張ってくれたからこそ、いまの私が多少は気と手を抜けるのだと思います。

『おつかれ、今日の私。』P51

不幸な状態に陥っていると感じたら、愛があろうが情があろうが、できるだけ早くそこから自分を逃してあげること。これだけが、私の私に対する責務です。 

『きれいになりたい気がしてきた』P160

素通りされたり泥団子を投げつけられたりしても、あなたが自信を持って輝き続けることを祈る者の存在を、ゆめゆめ忘れないで欲しい。
あなたは尽きぬ魅力という銀の匙を咥えて生まれた、私の人類最オキニなのだ。

『ひとまず上出来』P163

現実が自己都合でエディットした想定を超えた時に生まれるのが執着です。執着の種は涙を雨に、恨みがましい気持ちを養分にグングンとその芽を伸ばし、いつの間にか「好き」の量も質も凌駕してしまう。
相手を思い通りにコントロールしようと躍起になり、期待から外れた行動を責めるようになる。それは好きでも何でもない、ただの終着なのではないでしょうか。

『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』P146

繰り返し陽を昇らせるためには、昔を懐かしむでも、まだ見ぬ未来にぼんやり不安を感じるでもなく、いまこの瞬間を、しっかり楽しむ胆力が必要だ。

『これでもいいのだ』P22

このように、ジェーン・スー大先生の御言葉は多岐に渡り、私たちを窮地から救ってくれる。スターバックスラテ片手にKindleで、その時の自分の悩みに応じた「スー約聖書」を開くのだ。どの言葉1つとっても、そこには大先生の生き様、魂のセンスが刻み込まれている。そして、使徒である私たちに向けた素晴らしい御言葉が記されているのだ。大先生の御言葉は各世代に感銘を与えているが、特に私のようなアラサー世代以降の女性の心を癒やす処方箋なのである。もはや、深夜のメンタルブレイクという発作に効く特効薬は大先生の御言葉しかないのだ。 

そんな4月半ばの深夜3時過ぎ、不覚にも大先生に嘆きのメンションを飛ばしてしまった。迷惑は承知の上、もはや地球上で私を救ってくれるのは大先生しかいないという衝動を抑えられなかったのだ。

ありがとうございます。ジェーン・スー大先生。今日もこれからも、明日も明後日も、未来永劫に使徒として付いて参ります。私の制御の効かなかった涙はいとも簡単に止まってしまったのだ。

一人前のエッセイストとなるため、そして、ジェーン・スー大先生の本当の使徒となるべく、これからも鍛錬し続けたい所存だ。


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