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詩の集まりみたいなもの

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詩、詩みたいなものをまとめてみました。
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2023年2月の記事一覧

【詩的なもの】 しゃぼん玉

【詩的なもの】 しゃぼん玉

お母さんの魔法に乗っけられ
しゃぼん玉が宙を舞う
ふんわり ゆらり
彼方に飛んでくしゃぼん玉

手が届きそうで 届かない
ぐんぐん空に舞っていく
ふわふわ そわそわ
子供は必死に手をのばす

魔法の動きに魅了され
子供の夢中な視線に
ゆらり ゆらりと
手を振る魔法のカケラ達

今度はいつ会おう
空に消えてハジける泡の声

ふんわり ふわり
ゆらゆら ゆらゆら

魔法の心地に
    揺らぎ
   

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【詩的なもの】 一輪の花

【詩的なもの】 一輪の花

壁に飾られた一輪の花

静かで
小さくて
騒々しくて
大きくて

目をつむれば

さざめいて
ゆれていて
華やいで
香り立ち

見事なまでの孤独

その宇宙は

造形的で
創作的で
自然的で
神秘的で

どこか煽情的で

果てしなく雄弁だ

遠くを見るように
近くを見守る

壁に飾られた一輪の花

今日も
明るく
潤んで
ひっそりと
うつむく

【詩的なもの】 時間軸 

【詩的なもの】 時間軸 

今日という今日は今日しかない
今日という名の今日を歩んで行く
今日も今日らしい今日を生きている

今日も今日とて今日じゃない
今日じゃない今日も駆けていく
今日も今日という日を今日中に

万華鏡のように訪れる今日に
今日は軽い眩暈に踊らされ

日夜訪れる今日みたいな今日を
まるで今日のように過ごしてる

今日の兄弟の昨日に嫉妬され
今日という名の今日にとらわれる

今日という名の今日はつまり
今日

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【詩的なもの】 珈琲

【詩的なもの】 珈琲

ぼんやりと足が向かった喫茶店
入ったすぐそばの窓際の席
少しかすみがかった風景が好きで
コーヒーの匂いと溶け込んでいく…

窓の木漏れ日と向き合いたゆたう視線
ビンテージな空気と道具達が察してくれて

優しく  優しく  丁寧に

空間の余地を生かしきり
祈りにも似た思いを抽出してくれる

紫黒の全てが
上手く言えない何かを掴んでくれる

酸っぱく  渋く

    苦く   甘く

      

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【詩的なもの】 遠雷

【詩的なもの】 遠雷

遠くできらつく音響が響きわたる

天空の隆々たる脈の鼓動
   蒼い残影がほとばしる

何だ 何かが起こるのか?

見ると光と大地に映し込み
  美のコントラストが胸を締め付ける

見れば見るほど鮮やかで
  滑らかな光芒の曲線を描き重ねていく

まるで自分を包み込む一閃の高鳴りが
閃光のように今を研ぎ澄ましていく

このまま心を打ち抜くように……

おやっ

何だっ

単なる稲妻か…

遠くの方

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【詩的なもの】旅路のあとに

【詩的なもの】旅路のあとに

天秤のゆらぎが心地よく
軽やかに
流れ
はぜり
跳ぶように前を向く

創造の糸とたおやかに
結び結ばれ
瞬くように未知を問う

花束達は飾り気なく装い
渇きを潤い飲み干し
華麗な韻と律を生む

陽炎の香りに酔いしれて
行き場を失う蜃気楼達
雲間に望む一筋の四季の詩

うつろいの満ち欠けとしつらえる
一筋のしずく

天秤のゆらぎは変わらずに
確実に
しっかり
きっかり
真摯に前を向く

【詩的なもの】今を歩む

【詩的なもの】今を歩む

大自然はいつも歓待してくれる
山々には木が茂り軽く呼吸をする
それに合わせて草達は波気立ち
風と共にモダンに舞う

川は大地の悪戯に身を任せ
魚は悪戯とたわむれ流れている
育ち盛りの稲穂達は真っ直ぐに天を見つめ
今か今かと宴の時を待っている

月が辺りを照らし
家々の灯は星達と共に
淡く滲んで共鳴し
優しく人を迎えている

広大な自然は温かくその様子を受け入れる
自然とはかくも雄大な事か

歳月が

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【詩的なもの】編む

【詩的なもの】編む

遠くの残像
ゆっくりと
深く
掘り起こす

冷たいぬくもり
そっと
忘れずに
手繰り寄る

魂のカケラ
ザラッと
つまんで
縫い合わす

何処を向いても
明日に夢中

視点を変えても
溶け合わない

乾いた記憶

目映えの季節

風との道しるべ

あたたかな温もり
やっと
大事に
引き寄せる

【詩的なもの】 移ろい

【詩的なもの】 移ろい

眩しく遍くように
雪が舞いを惜しむ
いたわるように
消え入るように

すすむ時 戻る道
それぞれ違えど
駆けていく
ガランと空は調子良い

静かに
静かに
只々静かに……

抗うことなく
前を向く
あるがままに
なすがままに
時を刻む

【詩的なもの】ハーモニー

【詩的なもの】ハーモニー

ギターを弾いてみよう
何も難しい事は考えないで
かき鳴らしてみるだけでも良いんだ
その喜びが自分を作っていくんだから

音色に乗せて声も奏でてみよう
細かい事は気にすんな
音色と声の和音が君なんだ
君の勇気が祝祭の入り口だから声を上げて奏でてみよう

まだ見ぬ自分を歓迎してあげよう
そんな君を君が見つけて欲しいから
今出来うる限りの自分で奏でるんだ
きっと君に君自身と人が喝采の声を上げるだろう

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【詩的なもの】音色

【詩的なもの】音色

色鮮やかな灰色の景色
言葉は何も主張しない

単調な意識に傾かれ
人々はこぞって歩みだす

映るものは意思あれど
渇いた音色に沈んでいく

時の迷路に惑わされ
浮かぶ五色のモノクローム

築かれた静謐の空間
思考の矛盾を知る

やがて縦に割れ行く意識
色彩は慌てて顔を出す

ガタン
ゴトン

ガタン
ゴトンッ…

今日も心と揺れている