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そあ
2021年5月28日 21:30
もしもし 貴方は私の夢に立ち入ったのでしょう 私 どんな顔をしていたのかしら 青い鳥を追って高い塔から 飛び降りるところだったのに 貴方のせいでこの鳥籠は今日も空っぽのまま もしもし 貴方は私を鏡の裏から見ているようね 私 どうして目覚めてしまったの 青い薔薇のお風呂に入って 邪魔な感情を捨ててしまえば あの人に抱かれて眠る人形になれたのに もしもし 貴方は私の悪い夢
2021年5月14日 21:30
貴女はいつも私を子供にして 捨てたアルバムを取り出してめくろうとする 私は弱くて何も言えない 喉に突っ込まれた劇薬の瓶 飲み下して息継ぎをした 操り人形からハサミを遠ざけた 狡猾で愛想の良い女 嫌いな言葉は「自立」? 不機嫌な人間の顔をした鏡が 今日も貴女に笑いかけているわ ベビーブルーの月明りで見たのは 寝台に広がる 赤、赤、赤 ねえ 私の身体 いま 透けているのかし
2021年4月3日 21:00
狂い咲いた花に制裁を与えて 死神様ごっこの記憶 薔薇の花首に触れたら 完璧な終わりが欲しくなるの 雪原は過ちと迷いを記憶する 遊ぶ獣は跡を濁してしまった 後ろめたいほど白いシーツは 孤独が流した涙を拭えない 花冠と砂上の矜持 夜を引き伸ばして痛めつける虚夢 手を伸ばして触れたピアスは鏡の向こう 現実の裏で捨てた少女が 一人ぼっちで泣いている
2020年11月1日 21:15
人工衛星の恋人になって朝と夜の隙間を追いかけて 息をしていたい悲しい目をした あの子の窓辺にクリスタルを散りばめてあと何枚の写真を撮ったらこの吐息は 白くなるのだろう触れたものから 壊れてゆく変わらないものは 失われたものだけね高速道路の優しい光が閉じかけた目に染みて 広がってゆく少しずつ みんな いなくなって夜行性の友達と 手をつないだ誰かが あの日 燃やせなかった
2020年10月16日 20:51
ヘッドライトを吸い込んだ ビニール傘はオーロラ紙みたいに 浮かび上がって君だけが その儚さに 気づかない重機で壊された 夜の虹堕ちてくる 七色のホログラム黒い厚底靴は 迷わず赤を選んだ埋まらない つまらない それがここで生きる理由長いアイラインを引き下げて上手に笑っていた いつかの路上傍踏みしめて 粉々になった 青い夢へ僕の好きな色は 神経衰弱で混ぜ切った キャンバス
2020年6月6日 20:48
クリスタルのユニコーンが駆ける路面は透き通る アクリル板になって死にたがりな君の吐息を止めに行く無責任な唇で 非常識な反動で私が手放した 平凡な日々と君が諦めた よくある青春の2、3ページダークグレーとライトグレーの間で熱帯魚の口は 物憂げに半開き私が持っていないジョーカーの数は私が幸福な証拠ですか貴方が持っているエースの数は私が不憫な証拠ですかねぇ 受け取ってくれる
2020年5月19日 21:03
砂糖水に溺れてばらまかれるキャンディーは 白黒ピンク君の弱さであたしの弱さは自分の居場所に変わったのに 乾いた喉に この瓶流し込んでしまえたらね足取りはドリーミーなふりして観客一人のために ふざけたセリフこの涙目が 嘘か本当か思い出させてよ あの日のプレイリスト 背伸びして言う チルい恥ずかしがって言う エモいバイブスじゃなくてグルーヴって言っていたいだってその方が
2020年3月28日 21:22
ペットボトルに水入れて 貰った花を差したあたし もう 君に頼らなくても 生きてしまういつ言葉で刺されても かっこつけられるように 小説のあのシーン ヒロインの台詞 暗記しておく 何を貰った 何を与えた 何が残った 何が消えた呼ばれたら 枯れるまで 咲くだけ それが仕事あたしが知り合いの娘なら こんなことするの平凡で月並みだけど 人間として 嫌っていいよね 夢の中で 繰り返し教え
2020年3月22日 22:35
こんなところの歩道橋から 道路見下ろしたってエモくも チルくもない ここは新宿じゃない車道の明滅は 疲れたドライバーと一般人 意味不明なスプレーの落書きは 宇宙から誤発信 リボンとピンクと垂れ目と黒髪で出来てる アザだらけの右足じゃ 厚底履いて走れない海を泳ぐクジラの古傷は綺麗だと思えるのにあたしはあたしに その言葉を掛けられない ただ一言 かわいいね って なんで言えないの
2019年10月11日 20:40
天使が愛した白薔薇の庭園エメラルドの蝶が また一匹 歓迎されるいつまで経っても 最後の晩餐は始まらない話し上手で聞き下手な神様あなたが笑ってほしいところで私は笑うことが出来るだけ「なんと可憐な白昼夢なのだろう!」アダムとイヴの物語を知らない神様 あなたはまた 湖の踊り子の幻想に酔うだけ 誰もが皆 空っぽであったならいっそこの世界は 汚れを知らない箱庭のままで朽ちていける
2019年10月12日 20:39
あの頃好きだった 黒うさぎの人形を窓際に置いて 風の音を聞く夜「今宵、ブラッドムーンは昇るのかしら?」赤、白、黄色の童謡は 鉄格子と垂れ幕の向こうサーカスのテントは入場規制平和の象徴も 今日は手紙を届けない 誘導灯が水中に浮かんで 世界の正しさは歪められたの紙飛行機 飛ばなかった 鈍色の空パステルカラーのクレヨンで塗り替える幻想君が壊したお伽話を ゴミ箱から拾い上げるア
2019年12月1日 20:26
太陽が昇らない世界に消えたら 普通になれるかなこれが当たり前だと思って 生きてきたけど弾かれて 一人になっても 泣けないでしょ知ってる その方が 意外にも居心地が良かったこと 気にするのは みんなの目だけ 噂だけ テストの点数取れてれば 絶対勝者のあたし 校章の意味なんて 知らなくたって 評価してよ くだらないデスゲームに 白百合捧げて 踊り場から 二段飛ばしで 駆け下りる
2019年11月26日 21:03
鏡の前でプリン食べてるあの子は ハーフツインの練習だってリボンで手首絞めて 今日もかわいいね可哀想が気持ちいい 自惚れてるんだよこうやって テンプレート お子様ランチの法則みんなが欲しがるものはいつだって キラキラしてて 目眩がしちゃうだけど ごめんね あたしは違うから コケティッシュなショーケースは 撮って終わり 白い子犬の青い目が好きチャームポイントは 分かる人に
2019年11月23日 00:00
感傷が相手してくれる間は ずっと死んだように 心が流れ出していく こんなに見えない傷だらけで可愛そうだね そのまま しばらく このままあたし今生きてるって 言ってたい 今日のあたしはそれなりに頭良いから 切ったり飲んだりする前に 理性が歯車を噛んで 頭の中だけ真っ赤っ赤 ホワイトアウト出来たら とある界隈では優勝だけど相も変わらずこの目はシラフで 黒々と広がった森が見える