カッシーニの間隙

こんなところの歩道橋から 道路見下ろしたって
エモくも チルくもない ここは新宿じゃない
車道の明滅は 疲れたドライバーと一般人
意味不明なスプレーの落書きは 宇宙から誤発信

リボンとピンクと垂れ目と黒髪で出来てる
アザだらけの右足じゃ 厚底履いて走れない
海を泳ぐクジラの古傷は綺麗だと思えるのに
あたしはあたしに その言葉を掛けられない

ただ一言 かわいいね って なんで言えないの
欲しい言葉 分かってるくせに
無欲で 他人と違う世界で 生きてるフリして
人並みに 君もあたしも プライド 高いんだね

綺麗なものは 綺麗って君の隣で 言いたいから
それだけを理由に 生きていきたいと思った 夜

「死んじゃうくらい 君が好きだよ」

この体が消えたら 土星の輪っかの 塵になって
ユニコーンが迎えに来るのを 待ってる


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