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うた

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哀しくなってしまうくらい大切なひと
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#エッセイ

『』

『灰色』2021.4.25

描いた灰色は痛かった
味もしない 変わり映えもない
あの日に戻るにはもっと多くの
時間と代償が必要だった

「こんな日々も愛したい」
こんな歌も歌わなくていい程の何かが
ずっと欲しいまま

嘘と理想で塗りつぶした人生に意味はありますか
花がただ美しくて風に移ろう感情をどうか
壊してくれませんか もう夜を待ちたいから
全部忘れて 遠去かって さようならをなぞって

痛み

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『』

『邪魔』2023.6.14

目に見えないのに名前をつけて可笑しな生き物だ
存在すると信じて疑わない答えのない勉強
好きも嫌いも形取れないのなら同じようなものだ
遭えないからって電子を見つめる盲目の遊び

この世で一番もどかしいのはこの距離だ 邪魔だよ
貴方の香りや体温骨の形を知りたいのに
私がどれだけ悩めど先へ前へ進むのでしょう
解っている それでも

呼吸と同じようで涙と同じような
身体の中に

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『』

『懲りない』2023.1.19/4.12

懲りないねって笑ってほしい
明け透けになって二人
夜のサイドランプの下で遊んでいよう

花束も似合うし一輪の花も似合うよ
貴方は私を絶対に仲間はずれにしない
鍵のかかった愛にそっと息をかけられて
こんなに容易く壊れてしまったのは初めてだ

認めるとか許すとか面倒な感情の全部を
貴方は私にくれるでしょう

優しさだけで息はできないけど
懲りずに私は全部をあ

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『』

『エンディング』2023.5.25/6.10

忘れた方が良いことも
どこかで忘れたいことも
それだけは解っているのに
それだけが解っていた

許すことが苦手な私を
いつだって許してくれた貴方を
ただ貴方一人は許せたこと
容易く許せてしまう 今も

喘息気味の貴方がよく眠れるには
どうしたらいいのか考えている

終わりはいつか自分で決めるよ
貴方だってきっとそうするでしょう
月の光のような詩を零し

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『』

『貴方が』2022.12.1

白い雪が貴方を切なくさせていますように
胸を通り抜ける風に気付いていますように
電車の窓から見えた枯れ木の並木道
一人で歩くには広すぎるね

分厚い灰色の雲 冬曇りの空
晴れ間が白く光る

会いたいが痛くて堪らない
あってしまえば終わりが来るのも恐いよ
それでも溢れる熱に火傷して
ずっとずっと泣いていた

ずっとずっと貴方が

いつか貴方が私をちゃんと壊してくれます

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『』

『銀狼』2021.10.6

冷えた夜の底で
貴方の夢を見る
眠っても眠れずにいる
ここは孤独の銀狼

何も壊さないから
そっとしておいてよ
淋しさの形をなぞる
満月が僕を見る

揺蕩って
ただ あの日に帰りたかった
貴方のせいだ 貴方のせいだ
愛を奪っていく
成り果ててしまった灰が
胸にたまって
息もできぬ程

冬の雲に潜む
真空で息をする
歩けど歩けど行き止まり
ここは孤独の銀狼

死は恐れな

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『』

『雪解』2023.2.7

君を待つのは
雪を待つのと同じだ
ピアノを調律するように
正しさを覚えてゆく
ちっとも嬉しくないんだ

昨日を縫いつける
僕に価値などないけど
それでも生きている
ただ生き存えている

全部君の所為だ

白く降る
この何かを夜に
踊る 言葉を書く
忘れていいのに なんて
笑うなよ 笑うなよ
間違ったこの想いが
いつか君を傷つけたら
信じてるよ 声の代わりに
雪が降る

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『』

『夢が崩れる』2023.2.25

泣いてしまいたかった
いっそ自分の為だけにって
やけくそになった心でまだ
貴方のこと想ってる

名前をつけてしまえば
枠におさめてしまえば
ありふれた感情になるって
優しくない嘘だ

いつか忘れる言葉で声で
貴方を想った私も忘れてしまおう

最低な私を上手く言葉にできない
こんなはずじゃなかったってしもやけした心が痛い
触れられない話もできない そんな距離で

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