『』

『雪解』2023.2.7


君を待つのは
雪を待つのと同じだ
ピアノを調律するように
正しさを覚えてゆく
ちっとも嬉しくないんだ

昨日を縫いつける
僕に価値などないけど
それでも生きている
ただ生き存えている

全部君の所為だ

白く降る
この何かを夜に
踊る 言葉を書く
忘れていいのに なんて
笑うなよ 笑うなよ
間違ったこの想いが
いつか君を傷つけたら
信じてるよ 声の代わりに
雪が降る


春を待つのは
君を待つのと同じだ
駅のベンチ 風もなく
曖昧を形にする
きっとこんな感じだろうな

明日を声に出す
どうせ同じ日々だから
それでも生きている
生き存えている

今も寂しいままで

春が降る
手を伸ばしても尚
届くわけもない
なら 壊してしまおうか なんて
笑うなよ 笑うなよ
ありもしない日溜りに
いつも君を見紛うのさ
愛してるよ 言葉の代わりに
花が降る


どうしようもない人生だ どうしようもない僕だ
季節を越えても
別れも言えない 美しくなれない
それでも 僕はせめて
心に嘘はつかずに

君が征く
この日々と僕は
踊る 言葉を書く
忘れてもいいのに なんて
笑うなよ 笑うなよ
間違ったこの想いで
今日も君を描こう
愛してるよ 心の代わりに
歌にして




特に意味があったわけではない
冒頭の
君を待つのは
雪を待つのと同じだ
というフレーズだけが書かれていた

だから雪を書きたかっただけだ。


美しい詩をずっと書いていたい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?