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音楽について考える

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おもちゃと芸術の違いは?-ウィル・リメル

おもちゃと芸術の違いは?-ウィル・リメル

おもちゃと芸術の違いは?-Will Rimel

「おもちゃとは何か、芸術とは何か、その違いは何なのか?」-Will Rimel

ウィル・リメルの奇妙で漫画的な人物は、おもちゃのようなイメージを通して個人的な物語を探求しているのだ。

ウィル・リメルのおもちゃへの興味は・・・

ウィル・リメル(Will Rimel/アメリカの彫刻家)の母親と妹は、ミニチュアの椅子、ゾウ、有名なサンタ クロースの

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interview Àbáse - Laroyê: カンドンブレからバイレファンキまで。ブラジルの今を捉えた音によるドキュメンタリー

interview Àbáse - Laroyê: カンドンブレからバイレファンキまで。ブラジルの今を捉えた音によるドキュメンタリー

Abaseは謎のプロジェクトだった。

僕は2019年にリリースされた『Invocation』で知った。アフロビートへの造詣の深さが聴こえてくるし、演奏もプロダクションもクオリティが高く、すぐに愛聴盤になった。ただ、Abaseを主宰するSzabolcs Bognárの活動拠点がUSでもUKでもなく、ハンガリーってこともあり、彼がどんなミュージシャンなのかの情報はほとんどなく、よくわからないままだっ

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interview Shaun Martin - Empire Central:僕らダラスのシーンの合言葉は"Music for Booty&Brain"

interview Shaun Martin - Empire Central:僕らダラスのシーンの合言葉は"Music for Booty&Brain"

スナーキー・パピーの『Empire Central』のテーマのひとつは

だった。マイケル・リーグを始めとした主要メンバーはテキサス州のダラスのシーンで腕を磨き、ダラスでこのバンドをスタートさせた。という話はマイケル・リーグに語ってもらったのだが、ここでスナーキー・パピーの中の“ダラスらしさ=Dallas-ness”をもっと深く知りたくなった。そこで今回はスナーキー・パピーの鍵盤奏者ショーン・マー

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interview Rafael Martini:そもそもブラジルの音楽はシステムから外れた方法で作られている

interview Rafael Martini:そもそもブラジルの音楽はシステムから外れた方法で作られている

 2010年代初頭にブラジルの新世代が発見され、「ミナス新世代」として日本に紹介された。そのきっかけはマルチ奏者のアントニオ・ロウレイロ。彼の音楽の新鮮さはすぐにリスナーの間に広がり、彼と共演しているブラジルの同世代の豊かな才能たちが芋づる式に発見されていった。彼らの何人かは来日も果たしたし、アレシャンドリ・アンドレスやハファエル・マルチニらに関しては日本盤のリリースもあった。2010年代半ばには

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Interview Marcelo Galter:アフロブラジル音楽において重要なのはメロディやリズムだけでなく独特の訛り

Interview Marcelo Galter:アフロブラジル音楽において重要なのはメロディやリズムだけでなく独特の訛り

アマロ・フレイタスのインタビューを機に僕はブラジル北東部バイーア州やペルナンブーコ州のアフリカ系ブラジル人=アフロブラジレイロの音楽をリサーチしている。少しずつではあるがようやく彼らの音楽のことが見えてきた。

そもそも僕は彼の音楽にブラジル音楽のローカルな部分と、現代的でユニバーサルな部分が同居しているところに関心を持っていた。

西アフリカのヨルバに由来するブラジルの宗教音楽カンドンブレがあ

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クリスティン・オッペンハイムのサウンドインスタレーション

クリスティン・オッペンハイムのサウンドインスタレーション

クリスティン・オッペンハイムのサウンドインスタレーションクリスティン・オッペンハイムと作品
クリスティン・オッペンハイム(Kristin Oppenheim,1959- /ニューヨークの画家、映像・サウンドアーティスト、そして、サウンドインスタレーション、パフォーマンス)
クリスティン・オッペンハイムのインスタレーション作品は、音と視覚の融合、そして時間と記憶の関係を探求している。

以下の画像か

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interview Oded Tzur:ラーガは”スケールとメロディーとの挟間にある何か”であり、”可能性の海”

interview Oded Tzur:ラーガは”スケールとメロディーとの挟間にある何か”であり、”可能性の海”

僕はサックス奏者のオデッド・ツールにずっと関心を持っていた。

きっかけは2015年にドイツのENJA/Yellowbirdからリリースされ、国内盤もリリースされた『Like A Great River』だった。

インド音楽にどっぷりハマり、インドにまで学びに行ったオデッド・ツールという名の謎のイスラエル人はサックスの奏法から、音楽のコンセプトまでとにかく斬新だった。これまでに聴いたことのない質

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