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夏休みだ!書き物をしよう企画2022

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読書メモ:「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」(後半)

読書メモ:「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」(後半)

芳澤比奈子、伊崎真弓、高橋基文、米須清貴、(司会)宮崎令子/長妻雅彦「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」『歴史地理教育』2022年2月号(935号)、4~13ページ。

目次1.社会科って何を学ぶ教科
2.小学生は歴史をどう見ているか
3.地域から民衆の歴史を学ぶ
4.授業で子どもが問いを立てる
5.教科書にない北海道と沖縄の歴史
6.地域から問うか、教科書から問うか
7.

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「公共」の導入:近代立憲主義の原理

「公共」の導入:近代立憲主義の原理

登場人物紹介ミリアル(ミ):生徒っぽい人
アリアル(ア):先生っぽい人

「自由」ってなんだ?ミ:私たちって自由なんでしょうか?

ア:なにを突然

ミ:いや、学校では私たちの自由は憲法で保障されてるーとか教えられたけれども、実際はアルバイトは許可制!とか、髪の毛はいじっちゃダメ!とか不自由な部分が多いと思うのよね

ア:それはあなたがまだ高校生だから、というのもあるのではないか?じゃああなたの思

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今日は時間がなかったので…

 私が公共の授業でだしている、社会科通信をアップします。何かの参考になれば!

授業実践:「ジェンダーについて考えよう」の授業 ー絵本を活用した公共の授業ー

授業実践:「ジェンダーについて考えよう」の授業 ー絵本を活用した公共の授業ー

 勤務校では、1年生に公共の授業は配当されている(2単位)。5月末におこなわれる第1回考査までの授業は、以下のような構成で行なった。

 学年はじめの時期ということもあって、話し合い活動を意識的に多く取り入れて、クラスの親睦が深まるような仕掛けをたくさんおこなった。たとえば、「私たちの生きる現代社会」の単元では「日本の未来は明るい?くらい?」について意見交流を行わせたり、「青年期について考えよう」

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読書メモ:「中学校社会科歴史的分野と「歴史総合」をつなぐ」

読書メモ:「中学校社会科歴史的分野と「歴史総合」をつなぐ」

飯塚真吾「中学校社会科歴史的分野と「歴史総合」をつなぐー「世界史探究」「日本史探究」ともつなぐー」『歴史地理教育』2022年3月増刊号(937号)、18~23ページ。

目次1.問題提起ー配当時間から「歴史総合」を考える
2.学習指導要領における「中学歴史」、「探究科目」に求められている学び
(1)中学校社会科歴史的分野
(2)「日本史探究」・「世界史探究」
3.「探究」の基礎としての「歴史総合」

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読書メモ:「中学校社会科公民的分野と高等学校「公民科」の関連性についての考察」

読書メモ:「中学校社会科公民的分野と高等学校「公民科」の関連性についての考察」

島本優朗「中学校社会科公民的分野と高等学校「公民科」の関連性についての考察ー「公共」における経済学習の一試案ー」『歴史地理教育』2022年3月増刊号(937号)、106~111ページ。

目次1.「公共」の特徴について
2.中学校社会科公民的分野での経済学習
3.「政治・経済」との関連
4.高校「倫理」との関連
5.「公共」でどのような経済学習が可能か
まとめ

本稿の概要 本稿は、中高各段階にお

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読書メモ:「三十年戦争における「宿営社会」ー『ある傭兵の手記』を中心にー」

読書メモ:「三十年戦争における「宿営社会」ー『ある傭兵の手記』を中心にー」

渋谷聡「三十年戦争における「宿営社会」ー『ある傭兵の手記』を中心にー」『社会文化論集 : 島根大学法文学部紀要社会文化学科編』1、27〜42ページ、2004年。

目次1.はじめに
2.『ある傭兵の手記』
 1.『ある傭兵の手記』の資料的価値とその成立状況
 2.ある傭兵の空間的・社会的移動
  (1)戦争の第二段階 デンマーク・ニーダードイツ戦争 1624〜29年
  (2)戦争の第三段階 スウ

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自己紹介

自己紹介

Twitterの教育アカウントはこちら→ https://twitter.com/lapislapis141

はじめまして、Lapisです。
今回は自己紹介やらこのnoteの目的やらを書きます。

どんな人?高校で地歴・公民科を教えています。教員生活は10年未満です。
教員業界では、若手〜中堅くらいの経験年数です。
専門は世界史…なんですが、今年度の1年生から世界史必修はなくなり、歴史総合と向き

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なぜここにいるのか

なぜここにいるのか

先生のいちにち プロフィール欄にも書いたように、私は高校で社会科の先生をしています。今は夏休みでゆとりのある生活ができていますが、それ以外の授業がある日の一般的なタイムスケジュールは以下の通りです。

 0700 出勤して、その日の準備など
 0820 朝会(ここから定時)
 0850 授業はじまる(いちにち4コマが最大値、空き時間は休憩や雑務など)
 1520 授業おわる
 1650 ここまで定

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読書メモ:「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」(前半)

読書メモ:「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」(前半)

芳澤比奈子、伊崎真弓、高橋基文、米須清貴、(司会)宮崎令子/長妻雅彦「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」『歴史地理教育』2022年2月号(935号)、4~13ページ。

目次1.社会科って何を学ぶ教科
2.小学生は歴史をどう見ているか
3.地域から民衆の歴史を学ぶ
4.授業で子どもが問いを立てる
5.教科書にない北海道と沖縄の歴史
6.地域から問うか、教科書から問うか
7.

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読書メモ:「戦争体験を継承するためにー私たちを励ますもの」

読書メモ:「戦争体験を継承するためにー私たちを励ますもの」

今野日出晴「戦争体験を継承するためにー私たちを励ますもの」『歴史地理教育』2022年8月号(943号)、4~9ページ。

目次1.「文化の裂け目」を意識する
2.教師にも生徒にも戦争体験が心に届かない
3.なぜ戦争体験を継承するのか

本稿の概要 著者の今野日出晴は、岩手大学の教授である。専門は、歴史教育・社会科教育・歴史叙述・現代史と紹介されており、近著には『歴史学と歴史教育の構図』(2008年

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