Lapis

高校で地歴・公民を教えています。

Lapis

高校で地歴・公民を教えています。

マガジン

  • 冬休みだ!論文を読もう企画2022

  • 夏休みだ!書き物をしよう企画2022

最近の記事

〈遺跡紹介〉サルディニア内陸部のローマ遺跡

桑山由文「〈遺跡紹介〉サルディニア内陸部のローマ移籍ーーフォルドンジアヌスから見るローマ帝国の属州支配」『西洋古代史研究』20、2020年、pp.81〜89。 目次 1 ローマ帝国とサルディニア島 2 フォルドンジアヌスのローマ遺跡 3 ローマ帝政期サルディニアのかたち:豊かさと厳しさ 要旨  本稿はサルディニア島中西部に位置する都市フォルドンジアヌスの遺跡を紹介し、ローマによるサルディニア支配の実態を探ることで、帝政期ローマの属州統治のあり方を考える一助を提供することを

    • 対話の作法を身につけて歴史を学ぶスパイダー討論

      本田典之「対話の作法を身につけて歴史を学ぶスパイダー討論ー第一次世界大戦の学習から」『歴史地理教育』948、pp.42〜47、2022年。 目次 はじめに 1 スパイダー討論の概要 2 実践報告 (1)事前学習ーテーマを伝える (2)授業当日①ー対話を見守る (3)授業当日②ー振り返りには口を出す 3 生徒の反応から考えるスパイダー討論の意義 4 スパイダー討論の課題と、それでも実施する価値 概要  スパイダー討論が「主体的・対話的で深い学び」を実現するにあたって非常に有

      • 3世紀におけるゴート人の侵入

        井上文則「3世紀におけるゴート人の侵入」『西洋古代史研究』13、pp.1〜23、2013年。 目次 はじめに 1.3世紀のゴート人侵入の研究史ーその性格を巡ってー 2.ゴート人侵入についての史料 3.ゴート人の侵入ーその歴史的経過ー 4.ゴート人の形成と侵入 おわりに 要旨  本稿は軍人皇帝時代のローマ帝国に侵入した外敵のうち、ゴート人に注目して考察を行っている。特に3世紀におけるゴート人の侵攻の性格がどのようなものであったのか、さらにそもそも当時のゴート人とはどのような

        • このままでいいの?日本のSDGs

          高橋真樹「このままでいいの?日本のSDGs」『歴史地理教育』946、2022年、pp.4〜9。 目次 1.SDGsのわかりにくさ 2.おさえておきたい二大コンセプト 3.17ゴールは並列ではない 4.「日本のSDGs」はサステイナブル? 5.教員・学校も授業だけでなく実践を 要旨  SDGsの本質が日本で正確に伝わっているとは言えない。その理由の一端に、SDGsそのもののわかりにくさが関係しているが、SDGsには持続可能な社会を目指すための方向性を確認するツールとしての役

        〈遺跡紹介〉サルディニア内陸部のローマ遺跡

        マガジン

        • 冬休みだ!論文を読もう企画2022
          9本
        • 夏休みだ!書き物をしよう企画2022
          11本

        記事

          リキニウス統治下のドナウ川流域諸州と軍隊

          大清水裕「リキニウス統治下のドナウ川流域諸州と軍隊ーブリゲティオ銘板再考ー」『滋賀大学教育学部紀要』64、2014年、pp.83-94。 目次 はじめに 1.リキニウスとドナウ川流域諸州の総督たち 2.リキニウスとドナウ川流域の軍隊 3.ディオクレティアヌス時代のドナウ川流域の防衛網 おわりに 要旨  ブリゲティオ銘板とは、コンスタンティヌス帝とリキニウス帝によって発布された法文を記録した青銅版である。その内容は、両帝が兵士たちに対して免税特権を保障したものであり、この時

          リキニウス統治下のドナウ川流域諸州と軍隊

          ムギとイネの起源を考える

          千葉保「ムギとイネの起源を考える」『歴史地理教育』945、pp.16-21、2022年。 目次 1 植物はどこから 2 ムギの起源を考える 3 イネの起源を考える 要旨  「いまの中学生は、学校の授業だけではなく、授業などでの学習で、いわば学び漬けにある状況です」という一文から本稿ははじまる。塾や学校はテストの点数を上げることを至上命題としており、生徒はそのような「学びの新鮮さ」のない学習に飽き飽きしている。このような現状にある生徒の心を、教員はどのように切り開けばよいか

          ムギとイネの起源を考える

          共和政末期ローマの内戦とヌミディア王国

          大清水裕「共和政末期ローマの内戦とヌミディア王国ーユバ1世の挑戦と挫折ー」『滋賀大学教育学部紀要』70、pp.71〜85、2020年。 目次 はじめに 1.ヌミディア王国ローマ (1)ヌミディア王家とポンペイウスおよびカエサル (2)「ローマ国民の同盟者にして友」 2.ユバ1世の軍隊 (1)前49年のヌミディア軍 (2)前46年前後のヌミディア王と軍隊 3.ヌミディア王支配下の人々 (1)マウレタニア王の攻勢と王都キルタの陥落 (2)ガエトゥリ人 (3)ザマ・レギア (4)

          共和政末期ローマの内戦とヌミディア王国

          ニカラグア革命の「英雄」による、独裁と腐敗の過程

          柴田大輔「ニカラグア革命の「英雄」による、独裁と腐敗の過程」『歴史地理教育』944(特集:強まる権威主義 危機に瀕する民主主義)、2022年、10〜15ページ。 目次 はじめに 1.2021年の大統領選挙 2.対立候補を押さえ込む法令制定 3.2018年の反政府運動 4.ダニエル・オルテガ氏の変遷 5.憲法改正し、大統領再戦の道を開く 6.ベネズエラの資金提供と腐敗 7.独裁の完成と、現地の風景 要旨  ニカラグアでダニエル・オルテガ大統領の独裁化が著しい。本稿はオルテガ

          ニカラグア革命の「英雄」による、独裁と腐敗の過程

          大清水裕「北アフリカにおけるローマ皇帝礼拝の展開」

          大清水裕「北アフリカにおけるローマ皇帝礼拝の展開 ーカルタゴとその周辺都市を中心にー」『滋賀大学教育学部紀要』67、2017年 目次 はじめに 1.アウグストゥス期のカルタゴにおける皇帝礼拝 (1)カルタゴ再建とローマ皇帝礼拝のはじまり (2)カルタゴ出土の祭壇と首都ローマ 2.カルタゴ植民市の附属地と皇帝礼拝 (1)トゥッガ出土碑文 (2)「二重都市」トゥッガ 3.アフリカ・プロコンスラリス属州の皇帝礼拝 (1)属州単位での皇帝礼拝のはじまり (2)フルノス・マイウス市

          大清水裕「北アフリカにおけるローマ皇帝礼拝の展開」

          今日は時間がなかったので…

           私が公共の授業でだしている、社会科通信をアップします。何かの参考になれば!

          今日は時間がなかったので…

          授業実践:「ジェンダーについて考えよう」の授業 ー絵本を活用した公共の授業ー

           勤務校では、1年生に公共の授業は配当されている(2単位)。5月末におこなわれる第1回考査までの授業は、以下のような構成で行なった。  学年はじめの時期ということもあって、話し合い活動を意識的に多く取り入れて、クラスの親睦が深まるような仕掛けをたくさんおこなった。たとえば、「私たちの生きる現代社会」の単元では「日本の未来は明るい?くらい?」について意見交流を行わせたり、「青年期について考えよう」の単元では「ジョハリの窓」をやらせたりした。  さて本稿では、第1回考査までの授

          授業実践:「ジェンダーについて考えよう」の授業 ー絵本を活用した公共の授業ー

          読書メモ:「中学校社会科歴史的分野と「歴史総合」をつなぐ」

          飯塚真吾「中学校社会科歴史的分野と「歴史総合」をつなぐー「世界史探究」「日本史探究」ともつなぐー」『歴史地理教育』2022年3月増刊号(937号)、18~23ページ。 目次1.問題提起ー配当時間から「歴史総合」を考える 2.学習指導要領における「中学歴史」、「探究科目」に求められている学び (1)中学校社会科歴史的分野 (2)「日本史探究」・「世界史探究」 3.「探究」の基礎としての「歴史総合」 4.「問いを表現する」授業とは 5.「中学歴史」と「歴史総合」をつなぐ 本稿

          読書メモ:「中学校社会科歴史的分野と「歴史総合」をつなぐ」

          読書メモ:「中学校社会科公民的分野と高等学校「公民科」の関連性についての考察」

          島本優朗「中学校社会科公民的分野と高等学校「公民科」の関連性についての考察ー「公共」における経済学習の一試案ー」『歴史地理教育』2022年3月増刊号(937号)、106~111ページ。 目次1.「公共」の特徴について 2.中学校社会科公民的分野での経済学習 3.「政治・経済」との関連 4.高校「倫理」との関連 5.「公共」でどのような経済学習が可能か まとめ 本稿の概要 本稿は、中高各段階における公民分野の比較検討を通じて、「公共」でどのような学習が可能か、学習指導要領と

          読書メモ:「中学校社会科公民的分野と高等学校「公民科」の関連性についての考察」

          読書メモ:「三十年戦争における「宿営社会」ー『ある傭兵の手記』を中心にー」

          渋谷聡「三十年戦争における「宿営社会」ー『ある傭兵の手記』を中心にー」『社会文化論集 : 島根大学法文学部紀要社会文化学科編』1、27〜42ページ、2004年。 目次1.はじめに 2.『ある傭兵の手記』  1.『ある傭兵の手記』の資料的価値とその成立状況  2.ある傭兵の空間的・社会的移動   (1)戦争の第二段階 デンマーク・ニーダードイツ戦争 1624〜29年   (2)戦争の第三段階 スウェーデン戦争 1630〜34年   (3)戦争の第四段階 スウェーデン・フランス

          読書メモ:「三十年戦争における「宿営社会」ー『ある傭兵の手記』を中心にー」

          読書メモ:「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」(後半)

          芳澤比奈子、伊崎真弓、高橋基文、米須清貴、(司会)宮崎令子/長妻雅彦「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」『歴史地理教育』2022年2月号(935号)、4~13ページ。 目次1.社会科って何を学ぶ教科 2.小学生は歴史をどう見ているか 3.地域から民衆の歴史を学ぶ 4.授業で子どもが問いを立てる 5.教科書にない北海道と沖縄の歴史 6.地域から問うか、教科書から問うか 7.歴史学習の最後は平和学習 ※ 本稿は1日目と2日目で別々の小学校教員を招いて座談

          読書メモ:「生活科から社会科へ、そして小学校の歴史教育の可能性を語る」(後半)

          自己紹介

          Twitterの教育アカウントはこちら→ https://twitter.com/lapislapis141 はじめまして、Lapisです。 今回は自己紹介やらこのnoteの目的やらを書きます。 どんな人?高校で地歴・公民科を教えています。教員生活は10年未満です。 教員業界では、若手〜中堅くらいの経験年数です。 専門は世界史…なんですが、今年度の1年生から世界史必修はなくなり、歴史総合と向き合う教員生活になりそうです。 大学・大学院では古代ローマのことを研究していまし

          自己紹介