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授業実践:「ジェンダーについて考えよう」の授業 ー絵本を活用した公共の授業ー

 勤務校では、1年生に公共の授業は配当されている(2単位)。5月末におこなわれる第1回考査までの授業は、以下のような構成で行なった。

第1回考査までの授業構成

 学年はじめの時期ということもあって、話し合い活動を意識的に多く取り入れて、クラスの親睦が深まるような仕掛けをたくさんおこなった。たとえば、「私たちの生きる現代社会」の単元では「日本の未来は明るい?くらい?」について意見交流を行わせたり、「青年期について考えよう」の単元では「ジョハリの窓」をやらせたりした。
 さて本稿では、第1回考査までの授業の総括ともいえるであろう「ジェンダーについて考えよう」の授業を紹介する。SDGsの考え方の広まりとともに話題にあがることが多いLGBTQ+だが、勤務校で昨年おこなわれた人権講演会は、このLGBTQ+がテーマであった。40人に1人は自分の身体の性別に違和感を覚えている人がいる、というデータには驚いた。それと同時に、ジェンダーについて授業で取り上げる際には細心の注意を払わなければ、という意識も増した。
 
 さて、本稿ではジェンダーについての授業を紹介するが、江田伸雄の論考に強く影響を受け、その実践を参考にした。まず生徒に、以下の動画をみせた。

 女の子らしく走る、とはどういうことなのかを問うたCMである。これについてどのようなことが言いたいCMなのかを生徒に考えさせて、グループで感想を共有させる。そして今回と次回は「ジェンダー」について学習することを生徒に伝えて、「社会的意味合いから見た、男女の性区別」というジェンダーの定義を紹介した。
 次に、生徒に絵本の読み聞かせをさせた。今日の班長は下の名前をアイウエオ順にしたときに一番あとにくる人、で今日の班長を決めさせて、生徒に以下のリストから自由に絵本を選ばせた(司書の先生に助けていただいて、実際に生徒に選ばせたものはもっと数があったのだが、現状リストに残っているのは以下の通りである)。

絵本のリスト

 生徒は本を選んで、その本を読む。長い絵本と短い絵本があったので、時間管理の面で課題は見つかったが、生徒はそれなりに楽しそうに絵本を読んでいた。
 読み聞かせがおわったら、今度はその絵本のキャッチコピーを考えさせて、そのうえでポップを作成させた。1時間目の残りの時間でポップを作る作業をさせて、次回までに完成させてくることを宿題とした。

 2時間目、まずは1時間目と同じグループで集まらせて、生徒同士で作ってきたポップを見せ合う活動からはじめる。その活動がおわったら、新しいグループに生徒を再構成する。そして持ち寄ったポップを使って自分の絵本のプレゼンをさせた。ポップのプレゼン→グループの再編成を2〜3セットやって、おおよそ全ての絵本のプレゼンを生徒は聞くことができた。
 最後に生徒にジェンダーについて分かったこと/分からなかったことを書かせて、本授業のまとめとした。

簡易指導案

 授業者に聞いてみたいこと!分からなかったこと!などがありましたら、お気軽にDM(Twitter)やコメントください!!勉強させてください!!!

参考文献
江田伸雄「ジェンダー平等を考える授業 ー自分らしく走る」『歴史地理教育』 2020年10月 No.915

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