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■地方移住

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心が折れた3月

心が折れた3月

2024年3月は心の折れる音がした月だった。

家族全員で2回も風邪を引いた。
たかが風邪ごときで・・・と侮ることなかれ。Iターンの地方移住家族にとって風邪は天敵だ。
実家は遠い。近所に親戚はいない。咳が苦しそうな鼻の詰まった子供をどこに預ければ?
人と会う予定も、楽しみだった旅行もキャンセルして、夫と子供の看病に追われた。
趣味に打ち込む時間や心の余裕がない。一人になれる場所がない。ボリボリお菓

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パートの面接に落ちたこと

パートの面接に落ちたこと

実は昨年末、パートの面接に落ちてしまった。

ある方から「ここ、あなたに合っているのでは?」とすすめていただいた求人。

これまでの経験と照らし合わせて響き合うところがあった。

元々の情報は正社員だったが、アルバイトとパートも募集しているという。

しかも週二~三日からOKとあって、俄然やる気が出たのだ。

仕事をすれば子供を預ける口実ができ、自分の時間も増えるのでは…という魂胆もあった。

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水面下で

水面下で

2024年になって早くも半月が経つ。

日記にも書いてきた通り、先週は怒涛の一週間だった。

夜中に子供が何度も嘔吐して救急外来へ。便秘が原因と思われたが、翌日には下痢をして小児科へ連れていった。

その夜、今度は夫が激しい腹痛と嘔吐、悪寒に見舞われ、数日間身動きがとれなくなった。

二人とも胃腸炎との診断で、夫のほうはウイルス性の可能性があると告げられたようだ。

二人暮らしだった頃なら、ただ夫

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大都市で生きていくための知恵

大都市で生きていくための知恵

以前、これまで大都市(特に東京)で生きていく人生しか描けていなかった、ということを書いた。

子供の頃のことを思い返すと、東京へ買い物に行った折など、家族(特に母)からいくつかの「大都市で生きていくための知恵」を授けられていた。今回はそれらについて書いてみようと思う。

●人混みを横切るには斜めに歩く
最初に教わったのはこれではないかと思う。

我が家がよく買い物に出ていたのは新宿だった(だから今

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首都圏の旨味

首都圏の旨味

長いこと、自分は田舎出身の田舎者だと思って生きてきた。

家を継ぐとか、お墓を守るとか、ともすればそういう「古い価値観」にからめとられそうになる場所としての、田舎。

だから母は、娘であるわたしが田舎を抜け出せるよう、自らを犠牲にした、というような言い方をすることがあった。例えば、あまり父方の実家になじませないとか、地元ではなく東京の学校へ進学するように仕向けるとか・・・

だから、実家から東京の

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【妻目線】地方移住に抵抗がなかった理由

【妻目線】地方移住に抵抗がなかった理由

移住に関する本や雑誌をめくっていると「反対する妻を説得するには」、「家族ときちんと話し合おう」などの記述を見かける。

我が家の地方移住のキーパーソンになったのは夫だ。具体的にいうと、夫の転職にわたしが仕事を辞めてついてきた形である。しかし事後承諾ではなく、移住の一年ほど前に夫からあらかじめ「地方の採用試験に応募しようと思っているが、どうか」という相談があった。相談を受けて、わたしはすぐその場で賛

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東京に8年間暮らしてよかったこと、課題だったこと

東京に8年間暮らしてよかったこと、課題だったこと

3年ほど前まで東京に暮らしていた。家族が転職して地方移住した今も東京は好きだし時々懐かしくなるけれど、東京にいたころより充実している部分もあるので、今のところ帰りたくなってはいない。

この記事では、就職をきっかけに東京で8年間暮らしたわたしが、東京暮らしのよかったことと課題だったことを整理してみたものである。



東京暮らしのよかったこと

「最先端」の近くで暮らせているという幸福感それほ

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【小ネタ】上京と地元

【小ネタ】上京と地元

今日は小ネタを。

TOWER RECORDSのサイトにこんなページがある。

上京する時に聴きたい曲のリストと、

地元に帰ろうソングのリスト。これが帰省なのか、それともUターン就職など住む場所を完全に移すという意味での「帰る」なのかはちょっと分からないのだが。

それぞれのリストを見ていて気付いたのは、上京ソングなら3曲知っているが、地元に帰ろうソングは1曲しか知っている曲がなかったということ

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じっとしている訳には

じっとしている訳には

今日は「東京に8年間暮らしてよかったこと、よくなかったこと」というタイトルの記事(近日公開)を書こうと思っていたのだが、末尾に載せようと思っていた文章が思いのほか長くなってしまったため、独立させることにした。

東京から地方移住してはやくも三年目、年が明ければ四年目になる。

地方移住後の生活は、楽しいこともあれば思い通りにいかないこともある。しかしそのどちらも、東京時代を否定する…東京を懐かしま

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最近の読書から 2冊

最近の読書から 2冊

学生時代などは、読んだ本、目を通した本のすべてについて何らかのコメントを残していて、我ながら当時のバイタリティには驚かされる。最近ではそんなこともめっきりしなくなり、書影をスマホカメラで撮影して残しておくだけでも精一杯の状態だ。

なのでこの記事は、最近読んだ本(どちらも通読はしていないし、拾い読み、読みさしなのだけれど)のなかでハッとさせられた部分だけでも書き残しておこうとするものである。

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過去の植木、未来の植木

過去の植木、未来の植木

移住、移住、移住ってよく言ってるけど、今のあなたのアイデンティティー、そこにしかないわけ?移住してたって、そのことを強調しないで、もう次のステージに行ってる人、たくさんいるでしょ?

…という声が、つい最近、自分のなかで聞こえた。

冒頭の言葉で怖がらせてしまった人がいたら、申し訳ない。これは完全にわたしからわたし自身へ向けた内なる声であることをまずお断りしておく。

実家で暮らしていた頃(子供の

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主婦に向いている人、いない人

主婦に向いている人、いない人

既婚男性が退職すると「無職」と呼ばれるが、既婚女性が退職すると「主婦」と呼ばれる。なんだか変だ。男性が無職と呼ばれる時の「一人前の男なら仕事をしていて当然」みたいな重い感じも嫌だけれど、女性は仕事を辞めてもやるべきことがある、みたいなイメージも相当のものだ。

でも最近では「主婦なんて事実上の単なる無職」などと揶揄の意味で使われることもあるので、主婦を無職と呼ぶか否か論争に加わるならば、それがどん

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「なつかしい」

「なつかしい」

2023年8月は岡山市で「みんなの表町書店」という一箱書店の企画に参加した。

ちょうど「青春18きっぷ」の利用期間だったこともあり、準備から数回のお店番、撤収までを、電車で一時間ほどかけ、毎回瀬戸大橋を渡って通った。

たくさんの「おとなりさん」に囲まれたわたしの一箱は、売上という点では決して抜きんでることはできなかったけれど(ただし自作のZINEが補填しなければならないほど売れ、最終日までに完

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