由維

ねこがすきなアラサーちゃん。不登校児から中卒フリーター→短大→書くしごとに。とにかくし…

由維

ねこがすきなアラサーちゃん。不登校児から中卒フリーター→短大→書くしごとに。とにかくしなないように生きている。

マガジン

  • ロミオとのこと

    愛猫ロミオへの想いを綴りました

  • 創作物

    過去の創作物をブラッシュアップしたりして。あたらしいものも、書けたらいいな

  • エッセイ的なもの

    なんでもないけど、好きなこととか考えてることとかを書いてみました。

  • 読書から考える

    読んだ本からヒントを得て、即アウトプットしてみた記事たち。

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まだうまく息ができない

新年早々インフルエンザに罹り、出社できなかったので読めていなかった本を読んだ。 『猫がいなけりゃ息もできない』村山由佳著 これは実家から借りている本で、ほんとう…

由維
4年前
13

2代目・せかいいちのねこ降臨

ロミオが旅立って、2年が過ぎた。 半年ほどまえ、実家で保護猫を迎えた。 ロミオと別れたときにわたしは、「着替えて戻ってくるかもしれない」と思ったけれど、実際、ロ…

由維
2年前
2

まえがみ

四限の授業が終わった。1時間後に控えたデートのために、メイクを直さなくちゃと大学のなかでいちばん広くてきれいなトイレに行くと、ばったり綾子と出くわした。 私は鏡…

由維
3年前
4

しあわせホルモン

にゃーお。 にゃー。にゃーん、にゃーお。 猫だ。猫が誰かを呼んでいる、でも気づいてもらえないんだろう。その声はどんどん大きくなって、わたしはたまらずマンションの…

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3年前
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ルール違反

おめでとう。きみは一人前になった。 もうぼくに頼らなくても生きていけるんだ。それは決まってるんだ。なぜなら、ぼくは未来を知ってるから。だから安心してほしい。 も…

由維
4年前
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人を動かすのって、結局『優しさ』では?

HSPかな?と思ったのは2年ほど前だったと思う。わたしは意地っ張りでプライドの高い頑固者なので、この気質を「人より劣っている」とは思わなかったけれど。HSPにかかわる…

由維
4年前
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「今日も頑張れる」ために必要なのが、人生の目的。

今回も、読んだ本をヒントに自分の考えを広げてみました。 今回読んだのは『言語化力~言葉にできれば人生は変わる/三浦崇宏著』。雑念だらけでこういった本にはあまり縁…

由維
4年前
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27年みつけられなかった自分を発見した。

ずいぶん間が空いてしまって悔しいかぎりです。具体的な目標を決めて書こうと思う自分と、義務を課すことで気持ち的に負担をかけたくないという精神衛生最優先の生き方をし…

由維
4年前
24

凛々しさの理由

ロミオの月命日がやってきた。この1ヶ月間、ほんとうに長く感じた。歳を重ねるにつれて、時の流れは着実にスピードを上げているけれど、この1ヶ月はとても長かった。それ…

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4年前
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ポジティブになんかなりたくない

昨日たまたま、ポジティブになりたいと思わないという話をしていた。 暗いのが下で、明るいのが上みたいな言い方されるとちょっと腹が立っている自分がいる。でもそれは自…

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4年前
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所有物

私の住まいは東京のはずれにある。はずれ、とひとくちに言ってもいろんなレベルのはずれがあると思うが、自分で言うのもなんだが結構なはずれである。 都心に行くにも移動…

由維
4年前
8

冴ゆる夜

今年は冬の訪れが遅いですね。寒いけれど、まだダウンの出番が数えるほどしかないわたしです。今回は初めて創作(俳句)を投稿します。 冬の俳句「冴ゆる夜」 君を待つ間…

由維
4年前
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神さまにえらばれて

聖夜に、わたしの愛猫ロミオが虹の橋へと旅立った。 わたしは中学3年生のとき、学校に行けなくなり、ひきこもりで、死にたいけれどそんな行動力もないくらい弱っていた。 …

由維
4年前
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まだうまく息ができない

まだうまく息ができない

新年早々インフルエンザに罹り、出社できなかったので読めていなかった本を読んだ。

『猫がいなけりゃ息もできない』村山由佳著

これは実家から借りている本で、ほんとうは愛猫ロミオの生前に、こころの準備として読んだらと渡されていたのだ。だけど、なかなかわたしはページを開くことができなかった。

こころの準備なんてできたら、ロミオが逝ってしまう気がしたのだ。

それで、ロミオを見送り、生活のうえではもう

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2代目・せかいいちのねこ降臨

2代目・せかいいちのねこ降臨

ロミオが旅立って、2年が過ぎた。

半年ほどまえ、実家で保護猫を迎えた。

ロミオと別れたときにわたしは、「着替えて戻ってくるかもしれない」と思ったけれど、実際、ロミオは着替えて帰ってきてはいない。

ハチはとってもかわいい。
警戒心が強くて、わたしと初めて会ったときはキャリーのいちばん奥からおびえた瞳でこちらを見つめるだけだったし、譲られてきた日はなにも口にしなかったらしい。

いっしょに住むわ

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まえがみ

まえがみ

四限の授業が終わった。1時間後に控えたデートのために、メイクを直さなくちゃと大学のなかでいちばん広くてきれいなトイレに行くと、ばったり綾子と出くわした。

私は鏡に映ったほうの綾子に笑いかける。バッグを置いてメイクポーチを取り出していると、

「髪、染めたぁ?」

綾子はリップをひきながらそう言った。いつもの高く甘ったるい声。すごくかわいい。顔を上げた瞬間、彼女は私から彼女自身に視線を戻す。それに

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しあわせホルモン

しあわせホルモン

にゃーお。

にゃー。にゃーん、にゃーお。

猫だ。猫が誰かを呼んでいる、でも気づいてもらえないんだろう。その声はどんどん大きくなって、わたしはたまらずマンションの部屋から出た。寒いけど、すぐそこだし。これはよっぽど、何かを要求しているにちがいない。

にゃーあ。にゃお。にゃーん。

ほとんど叫ぶみたいに、見慣れた猫が大声をあげていた。よくこのあたりで見かけるハチワレ猫、わたしはもうだいぶ前から、

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ルール違反

ルール違反

おめでとう。きみは一人前になった。

もうぼくに頼らなくても生きていけるんだ。それは決まってるんだ。なぜなら、ぼくは未来を知ってるから。だから安心してほしい。

もう会えないけど、ずっときみを守っていく。だけど、きみにぼくの姿は見えないだろう。悲しまないで、なんて無責任なことばはかけられない。

やさしいきみを見てきたから、ぼくの旅立ちをずっと悲しむことなんてわかってる。それにこれからの人生でも、

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人を動かすのって、結局『優しさ』では?

人を動かすのって、結局『優しさ』では?

HSPかな?と思ったのは2年ほど前だったと思う。わたしは意地っ張りでプライドの高い頑固者なので、この気質を「人より劣っている」とは思わなかったけれど。HSPにかかわる本はいくつか見たけれど、「ラクになれる」とか「自分を好きになる」とか「明日から変わる」とか、ちょっとわたしには違うかなっていうものばかりだった。

なんにせよわたしは自分のことは好きだ。もっと自分やそれに近い人の気質を知りたいとは思っ

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「今日も頑張れる」ために必要なのが、人生の目的。

「今日も頑張れる」ために必要なのが、人生の目的。

今回も、読んだ本をヒントに自分の考えを広げてみました。

今回読んだのは『言語化力~言葉にできれば人生は変わる/三浦崇宏著』。雑念だらけでこういった本にはあまり縁がなかったわたしだったが、SNSで気になっていた存在の三浦さんの本ということで迷わず手に取った。

わたしは書くことが好きで、言葉が、とりわけ日本語が大好き。ライターをはじめてから3年半くらいだが、短大で日本語学や創作、日本語教育などを学

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27年みつけられなかった自分を発見した。

27年みつけられなかった自分を発見した。

ずいぶん間が空いてしまって悔しいかぎりです。具体的な目標を決めて書こうと思う自分と、義務を課すことで気持ち的に負担をかけたくないという精神衛生最優先の生き方をしたい自分とがせめぎあっています。

三連休で遊ぶ予定を立てていたのに(適当に駅前の桜を見て我が家でまったりするという最高のプラン)扁桃が炎して外から見てもわかるほどのパンパンリンパになっているのでおじゃんになって泣いています。悔しいから書く

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凛々しさの理由

凛々しさの理由

ロミオの月命日がやってきた。この1ヶ月間、ほんとうに長く感じた。歳を重ねるにつれて、時の流れは着実にスピードを上げているけれど、この1ヶ月はとても長かった。それだけわたしのなかで咀嚼に時間がかかっているということだろう。

ロミオの写真を見た人は口をそろえてこう言う。

「凛々しいね」「キリッとしてるね」「イケメンだね」

そして、わたしは得意げになる。

よく、キツイ顔をしていた捨て猫が愛情を受

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ポジティブになんかなりたくない

ポジティブになんかなりたくない

昨日たまたま、ポジティブになりたいと思わないという話をしていた。

暗いのが下で、明るいのが上みたいな言い方されるとちょっと腹が立っている自分がいる。でもそれは自分のものさしであるから、相手に理解してほしいなら説明するべきなのだろう。

なにより私は暗い自分が大好きだ。暗いことが、自分を嫌いということとは違う。他者評価を低く見積もるとか、能力に自信がないこととそれはまったく別なのだ。「明るいほうが

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所有物

所有物

私の住まいは東京のはずれにある。はずれ、とひとくちに言ってもいろんなレベルのはずれがあると思うが、自分で言うのもなんだが結構なはずれである。

都心に行くにも移動時間が長いうえ、終電の時刻が早いので、飲み会などがあっても二次会にすら行けたためしがない。酔いがまわり、いい気分になってきたくらいで帰路につく。もっとも、私はそういった賑やかな場が苦手だから、その場から離脱するいい言い訳にもなった。おかげ

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冴ゆる夜

冴ゆる夜

今年は冬の訪れが遅いですね。寒いけれど、まだダウンの出番が数えるほどしかないわたしです。今回は初めて創作(俳句)を投稿します。

冬の俳句「冴ゆる夜」

君を待つ間にセーターの毛玉とる

マフラーを巻いてふくらむ後ろ髪

彷徨える綿虫髪にとまりけり

嚔(くしゃみ)して世間話を聞きかえす

シャンパンの泡は消えゆき星冴ゆる

梟の声に家路を急ぎけり

ストーブを焚いてフィギュアスケート観る

靴下

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神さまにえらばれて

神さまにえらばれて

聖夜に、わたしの愛猫ロミオが虹の橋へと旅立った。

わたしは中学3年生のとき、学校に行けなくなり、ひきこもりで、死にたいけれどそんな行動力もないくらい弱っていた。

勉強しか取り柄がないのに学校に行けなくなったわたしは、生きている意味を失い、食欲もなく、あっという間に7キロ痩せた。

学校の紹介で受けていたカウンセリングのカウンセラーの方にアニマルセラピーを勧められ、そのときに迎えたのがロミオだっ

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