遊泳舎

遊泳舎は、「心に飛び込む出版社」です。「物」としての本の価値をもう一度見つめ直し、出版…

遊泳舎

遊泳舎は、「心に飛び込む出版社」です。「物」としての本の価値をもう一度見つめ直し、出版の可能性を信じた本づくりを行うため、平成最後の年の瀬に、武蔵野市の小さなアパートの一室で産声を上げました。noteでは「ふたり出版社」という働き方や、日々の業務の中で感じたことなどを綴ります。

マガジン

  • 編集手帖

    遊泳舎が携わった本の製作秘話や、読者の方へ向けた想い、出版業界のことなどを綴ります。

  • 特集『名前のないことば辞典』

    書籍『名前のないことば辞典』(出口かずみ 著)に関する記事をまとめています。

  • 特集『26文字のラブレター』

    書籍『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)に関する記事をまとめています。

ストア

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    Letter Book [Ever Green × Midnight Blue] オリジナルマスキングテープ

    『Letter Book [Ever Green × Midnight Blue]』の絵本ページをモチーフにしたマスキングテープです。 ノートスペースの飾りとしてはもちろん、写真や贈り物を貼り付けたりと、使い方は工夫次第。 仕様:15mm幅 × 約5m --- 『Letter Book 想いを繋いで贈る本』特設ページ https://yueisha.net/letterbook/ Letter Book [Ever Green] 想いを繋いで贈る本 https://yueisha.theshop.jp/items/76874483 Letter Book [Midnight Blue] 想いを繋いで贈る本 https://yueisha.theshop.jp/items/76874546
    400円
    YUEISHA WEB STORE
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    Letter Book [Midnight Blue] 想いを繋いで贈る本

    あなたがつくる世界に一冊だけの本。 家族、恋人、友人、同僚、ペット——。 大切なあの人に愛と感謝をこめて、想いをつづる12ページの手紙&絵本。 ●Letter Bookとは? 方眼入りのノートスペースに、言葉や写真、イラストで自由につくる贈り物。 裏面は文字のない絵本。移ろう季節や風景が、あなたの想いを美しく彩ります。 ●Letter Bookの使い方 オリジナルのプレゼントとして誰かに贈ったり、思い出を形に残す方法として自分のために作ったり、使い方は自由、そして無限大です。 12面あるページも、アイデア次第で手紙やアルバム、地図や寄せ書きとさまざまなアイテムに変身します。 絵:林ゆいか 判型:A5判変形(ハードカバー・蛇腹製本) ISBN:978-4-909842-12-1 --- 『Letter Book 想いを繋いで贈る本』特設ページ https://yueisha.net/letterbook/ Letter Book [Ever Green] 想いを繋いで贈る本 https://yueisha.theshop.jp/items/76874483 Letter Book [Ever Green × Midnight Blue] オリジナルマスキングテープ https://yueisha.theshop.jp/items/76874648
    2,200円
    YUEISHA WEB STORE

記事一覧

「読む」だけで終わらない本をつくる

編集者として本の制作に携わっていると、本とは「読む」だけのためにあるのだろうか、と考えさせられることがあります。もちろん、本は記された文字情報を読むものであるこ…

遊泳舎
7か月前
30

「学べる」のに「面白い」。そんなずるい本があってもいい

みなさんは、文章を書くのが得意ですか? この質問に、胸を張って「はい」と答えられる人は、なかなかいないのではないでしょうか。 現にこの文章を書いている私も、これ…

遊泳舎
1年前
110

地方から本を届ける、これからの出版社の形 / 遊泳舎は2022年1月に高知市へ移転しました

2022年1月末、遊泳舎は私(代表の中村)の故郷である高知県高知市に本社を移転しました。 遊泳舎は、2018年11月に東京都武蔵野市で創業した「ふたり出版社」。私は高知、相…

遊泳舎
2年前
23

もしもあなたに悩みがあるなら、一冊の本を贈りたい

仕事がうまくいかない、恋人ができない、コンプレックスが克服できない……。生きていると様々な壁にぶつかることがあります。そんな悩みに押しつぶされそうなとき、みなさ…

遊泳舎
2年前
22

『名前のないことば辞典』制作秘話③

2021年2月に刊行した遊泳舎7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニーク…

遊泳舎
3年前
10

『名前のないことば辞典』制作秘話②

2021年2月に刊行した遊泳舎7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニーク…

遊泳舎
3年前
7

『名前のないことば辞典』制作秘話①

2021年2月に、遊泳舎の7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』を刊行しました。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を…

遊泳舎
3年前
13

「ネット全盛時代でも求められる本」を目指す出版社が辞典をつくったら“絵本みたいな辞典”ができた

遊泳舎が目指す本づくりのカタチの一つに「ネット全盛時代でも読者に求められる本づくり」があります。それは近年、インターネットで検索すれば、瞬時に、しかも膨大な情報…

遊泳舎
3年前
13

「本をつくる」だけが出版社の仕事じゃない

私たち出版社は本をつくることを生業としています。遊泳舎の場合、雑誌は刊行していないので、これまでに売り出した商品の100%が書籍です(書籍と雑誌の違いについてはこ…

遊泳舎
3年前
52

デザインはあなどれない

本づくりにとって大切な「デザイン」 弊社が本づくりを行う上で大事にしていることのひとつに「デザイン」があります。デザインはいわば本の顔であり服装です。初対面の人…

遊泳舎
3年前
181

関わる人が増えるほど、本は成長してゆく

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、note…

遊泳舎
4年前
17

どうすれば手にとってもらうきっかけを作れるか

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、note…

遊泳舎
4年前
10

遠回りしたからこそ訪れた出会い

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、note…

遊泳舎
4年前
8

「思いついたまま」で終わらないために

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、note…

遊泳舎
4年前
15

出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、note…

遊泳舎
4年前
9

たった3か月でボロボロになった本。つくった本を手に取ってもらう喜び

7月某日。 一冊の本を持って、啓文堂書店府中本店を訪問しました。 その本とは、今年の4月に遊泳舎から発売した『くらやみ祭ってナンだ?』。東京府中市にある大國魂神社の…

遊泳舎
4年前
6
「読む」だけで終わらない本をつくる

「読む」だけで終わらない本をつくる

編集者として本の制作に携わっていると、本とは「読む」だけのためにあるのだろうか、と考えさせられることがあります。もちろん、本は記された文字情報を読むものであることには違いありませんし、一般的にはその役割がもっとも大きいと思います。しかし、本にはもっと多くの可能性があると信じてきました。

これは、弊社が創業した当初から唱えつづけてきた、本づくりにおけるテーマです。「心に飛び込む出版社」と銘打ってい

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「学べる」のに「面白い」。そんなずるい本があってもいい

「学べる」のに「面白い」。そんなずるい本があってもいい

みなさんは、文章を書くのが得意ですか?

この質問に、胸を張って「はい」と答えられる人は、なかなかいないのではないでしょうか。
現にこの文章を書いている私も、これまでに仕事を通してさまざまな文章を書く機会がありましたが、迷いなく頷ける自信はありません。

学校の作文に始まり、手紙、履歴書、業務メール、あるいはSNSへの投稿もそうでしょう。人は生きている限り、文章から逃れることはできません。そのくせ

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地方から本を届ける、これからの出版社の形 / 遊泳舎は2022年1月に高知市へ移転しました

地方から本を届ける、これからの出版社の形 / 遊泳舎は2022年1月に高知市へ移転しました

2022年1月末、遊泳舎は私(代表の中村)の故郷である高知県高知市に本社を移転しました。
遊泳舎は、2018年11月に東京都武蔵野市で創業した「ふたり出版社」。私は高知、相方の望月は大分の出身ということもあり、創業当時から「いつかは地方に移転・移住するのもアリだよね」とぼんやり話していました。現在、日本の出版社は8割が東京に集中しています。そのため「現実的には大変なのかなぁ」と考えていたものの、い

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もしもあなたに悩みがあるなら、一冊の本を贈りたい

もしもあなたに悩みがあるなら、一冊の本を贈りたい

仕事がうまくいかない、恋人ができない、コンプレックスが克服できない……。生きていると様々な壁にぶつかることがあります。そんな悩みに押しつぶされそうなとき、みなさんはどうやって解決に向かいますか?

今の時代、多くの人がまず試すのが「インターネットで検索する」ことではないかと思います。指先ひとつ、ほんの数秒で、分かりやすくまとめられた情報や、同じように悩む誰かの声にたどり着ける。ネットは悩みに対する

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『名前のないことば辞典』制作秘話③

『名前のないことば辞典』制作秘話③

2021年2月に刊行した遊泳舎7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニークな動物たちのイラストとともに楽しめる「絵本のような辞典」です。

本書の制作陣である、著者の出口かずみさん、デザイン担当の荒木純子さん、編集者の谷口香織さんの3名による鼎談を、全3回にわたってお届けする企画。

最終回となる今回は、カ

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『名前のないことば辞典』制作秘話②

『名前のないことば辞典』制作秘話②

2021年2月に刊行した遊泳舎7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニークな動物たちのイラストとともに楽しめる「絵本のような辞典」です。

本書の制作陣である、著者の出口かずみさん、デザイン担当の荒木純子さん、編集者の谷口香織さんの3名による鼎談を、全3回にわたってお届けする企画。

第2回目となる今回は、

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『名前のないことば辞典』制作秘話①

『名前のないことば辞典』制作秘話①

2021年2月に、遊泳舎の7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』を刊行しました。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニークな動物たちのイラストとともに楽しめる「絵本のような辞典」です。

本書は『悪魔の辞典』『ロマンスの辞典』『言の葉連想辞典』につづく「YUEISHA DICTIONARY」シリーズの第3弾でもあります。「言葉を楽しむ」をテーマ

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「ネット全盛時代でも求められる本」を目指す出版社が辞典をつくったら“絵本みたいな辞典”ができた

「ネット全盛時代でも求められる本」を目指す出版社が辞典をつくったら“絵本みたいな辞典”ができた

遊泳舎が目指す本づくりのカタチの一つに「ネット全盛時代でも読者に求められる本づくり」があります。それは近年、インターネットで検索すれば、瞬時に、しかも膨大な情報から、答えとも思える情報が得られる時代になりつつあり、本の在り方を問われているからです。
“言葉を楽しむ辞典”をテーマにした「YUEISHA DICTIONARY」シリーズも、これからの本の在り方を模索した結果、生まれた作品だと言えます。

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「本をつくる」だけが出版社の仕事じゃない

「本をつくる」だけが出版社の仕事じゃない

私たち出版社は本をつくることを生業としています。遊泳舎の場合、雑誌は刊行していないので、これまでに売り出した商品の100%が書籍です(書籍と雑誌の違いについてはこちら)。

では、出版社は本以外のものは一切つくらないのでしょうか? そんなことはありません。商品の100%が本だとしても、売り物ではない「本以外」のものを日々制作しています。

書店に本を知ってもらうための「注文書」
出版社がつくった本

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デザインはあなどれない

デザインはあなどれない

本づくりにとって大切な「デザイン」
弊社が本づくりを行う上で大事にしていることのひとつに「デザイン」があります。デザインはいわば本の顔であり服装です。初対面の人と出会ったとき、外見によって第一印象が決まるように、デザインを蔑ろにしてしまっては、せっかく良い内容でも伝えられずに終わってしまうかもしれません。

もっとも、デザインに正解はないし、私たちも未だに本をつくるたび、試行錯誤の連続です。それで

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関わる人が増えるほど、本は成長してゆく

関わる人が増えるほど、本は成長してゆく

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、noteでは全5回にわたる連載企画「『26文字のラブレター』制作記録」と題して、どのように本書が誕生したのか、その経緯や想いなどを綴っていきたいと思います。

・第1回「出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画」
・第2回「「思いつい

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どうすれば手にとってもらうきっかけを作れるか

どうすれば手にとってもらうきっかけを作れるか

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、noteでは全5回にわたる連載企画「『26文字のラブレター』制作記録」と題して、どのように本書が誕生したのか、その経緯や想いなどを綴っていきたいと思います。

・第1回「出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画」
・第2回「「思いつい

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遠回りしたからこそ訪れた出会い

遠回りしたからこそ訪れた出会い

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、noteでは全5回にわたる連載企画「『26文字のラブレター』制作記録」と題して、どのように本書が誕生したのか、その経緯や想いなどを綴っていきたいと思います。

・第1回「出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画」
・第2回「「思いつい

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「思いついたまま」で終わらないために

「思いついたまま」で終わらないために

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、noteでは全5回にわたる連載企画「『26文字のラブレター』制作記録」と題して、どのように本書が誕生したのか、その経緯や想いなどを綴っていきたいと思います。

・第1回「出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画」
・第2回「「思いつい

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出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画

出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画

12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、noteでは全5回にわたる連載企画「『26文字のラブレター』制作記録」と題して、どのように本書が誕生したのか、その経緯や想いなどを綴っていきたいと思います。

・第1回「出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画」
・第2回「「思いつい

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たった3か月でボロボロになった本。つくった本を手に取ってもらう喜び

たった3か月でボロボロになった本。つくった本を手に取ってもらう喜び

7月某日。
一冊の本を持って、啓文堂書店府中本店を訪問しました。
その本とは、今年の4月に遊泳舎から発売した『くらやみ祭ってナンだ?』。東京府中市にある大國魂神社の例大祭「くらやみ祭」を取り上げたイラストガイドブックです。

啓文堂書店府中本店は、府中駅前にあり、大國魂神社から最も近く、本書籍を最も多く売っていただいている書店。今回、改めて『くらやみ祭ってナンだ?』を持って行ったのは見本誌の交換の

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