遊泳舎
遊泳舎が携わった本の製作秘話や、読者の方へ向けた想い、出版業界のことなどを綴ります。
書籍『名前のないことば辞典』(出口かずみ 著)に関する記事をまとめています。
書籍『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)に関する記事をまとめています。
みなさんは、文章を書くのが得意ですか? この質問に、胸を張って「はい」と答えられる人は、なかなかいないのではないでしょうか。 現にこの文章を書いている私も、これまでに仕事を通してさまざまな文章を書く機会がありましたが、迷いなく頷ける自信はありません。 学校の作文に始まり、手紙、履歴書、業務メール、あるいはSNSへの投稿もそうでしょう。人は生きている限り、文章から逃れることはできません。そのくせ、学校では日常生活に応用できる実践的なことまでは、深く教えてくれなかった記憶があ
2022年1月末、遊泳舎は私(代表の中村)の故郷である高知県高知市に本社を移転しました。 遊泳舎は、2018年11月に東京都武蔵野市で創業した「ふたり出版社」。私は高知、相方の望月は大分の出身ということもあり、創業当時から「いつかは地方に移転・移住するのもアリだよね」とぼんやり話していました。現在、日本の出版社は8割が東京に集中しています。そのため「現実的には大変なのかなぁ」と考えていたものの、いざ引っ越してみると意外となんとかなるものだと感じています。 この2年でリモート
仕事がうまくいかない、恋人ができない、コンプレックスが克服できない……。生きていると様々な壁にぶつかることがあります。そんな悩みに押しつぶされそうなとき、みなさんはどうやって解決に向かいますか? 今の時代、多くの人がまず試すのが「インターネットで検索する」ことではないかと思います。指先ひとつ、ほんの数秒で、分かりやすくまとめられた情報や、同じように悩む誰かの声にたどり着ける。ネットは悩みに対する応急処置としては非常に有用です。 ただ、明日の天気や夕飯の献立と違って、調べれ
2021年2月に刊行した遊泳舎7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニークな動物たちのイラストとともに楽しめる「絵本のような辞典」です。 本書の制作陣である、著者の出口かずみさん、デザイン担当の荒木純子さん、編集者の谷口香織さんの3名による鼎談を、全3回にわたってお届けする企画。 最終回となる今回は、カバーづくりで直面した葛藤や、作り終えた今の気持ちについてのお話です。 (第1回
2021年2月に刊行した遊泳舎7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニークな動物たちのイラストとともに楽しめる「絵本のような辞典」です。 本書の制作陣である、著者の出口かずみさん、デザイン担当の荒木純子さん、編集者の谷口香織さんの3名による鼎談を、全3回にわたってお届けする企画。 第2回目となる今回は、コロナ禍でのリモート打ち合わせの強みや、意識した本全体のリズム感とバランス、そし
2021年2月に、遊泳舎の7冊目となる書籍『名前のないことば辞典』を刊行しました。「わくわく」「もじもじ」「だらだら」といった擬音語や擬態語などのオノマトペ、感嘆詞を、ユニークな動物たちのイラストとともに楽しめる「絵本のような辞典」です。 本書は『悪魔の辞典』『ロマンスの辞典』『言の葉連想辞典』につづく「YUEISHA DICTIONARY」シリーズの第3弾でもあります。「言葉を楽しむ」をテーマに制作してきたこれまでのラインナップを踏襲しつつも、ターゲットや本の切り口など、
遊泳舎が目指す本づくりのカタチの一つに「ネット全盛時代でも読者に求められる本づくり」があります。それは近年、インターネットで検索すれば、瞬時に、しかも膨大な情報から、答えとも思える情報が得られる時代になりつつあり、本の在り方を問われているからです。 “言葉を楽しむ辞典”をテーマにした「YUEISHA DICTIONARY」シリーズも、これからの本の在り方を模索した結果、生まれた作品だと言えます。 今回は、シリーズ第4弾として2021年2月に刊行した『名前のないことば辞典』(著
私たち出版社は本をつくることを生業としています。遊泳舎の場合、雑誌は刊行していないので、これまでに売り出した商品の100%が書籍です(書籍と雑誌の違いについてはこちら)。 では、出版社は本以外のものは一切つくらないのでしょうか? そんなことはありません。商品の100%が本だとしても、売り物ではない「本以外」のものを日々制作しています。 書店に本を知ってもらうための「注文書」 出版社がつくった本は、書店で販売されます。食品ならコンビニやスーパーマーケットで、家電なら家電量販
本づくりにとって大切な「デザイン」 弊社が本づくりを行う上で大事にしていることのひとつに「デザイン」があります。デザインはいわば本の顔であり服装です。初対面の人と出会ったとき、外見によって第一印象が決まるように、デザインを蔑ろにしてしまっては、せっかく良い内容でも伝えられずに終わってしまうかもしれません。 もっとも、デザインに正解はないし、私たちも未だに本をつくるたび、試行錯誤の連続です。それでもなるべく読者の方が手に取りたくなるような、自室の本棚に飾っておきたくなるような
12月6日に発売を迎える『26文字のラブレター』(遊泳舎 編/いとうあつき 絵)。書店営業に行くと、「都々逸? 珍しいですね」と言われることがよくあります。そこで、noteでは全5回にわたる連載企画「『26文字のラブレター』制作記録」と題して、どのように本書が誕生したのか、その経緯や想いなどを綴っていきたいと思います。 ・第1回「出会いは学生時代。10年越しに生まれた企画」 ・第2回「「思いついたまま」で終わらないために」 ・第3回「遠回りしたからこそ訪れた出会い」 ・第4
7月某日。 一冊の本を持って、啓文堂書店府中本店を訪問しました。 その本とは、今年の4月に遊泳舎から発売した『くらやみ祭ってナンだ?』。東京府中市にある大國魂神社の例大祭「くらやみ祭」を取り上げたイラストガイドブックです。 啓文堂書店府中本店は、府中駅前にあり、大國魂神社から最も近く、本書籍を最も多く売っていただいている書店。今回、改めて『くらやみ祭ってナンだ?』を持って行ったのは見本誌の交換のためです。 発売から約3か月が経ち、その間にたくさんのお客さんに手に取って試し
私は一冊の本に決まった読み方があるとは思っていない。作り手の思惑なんて無視して、読者の方それぞれが好き勝手に楽しんでくれるのが理想なのだ。だから、私のつくる本の多くは書店ごとに置かれている棚がちがったり、読者層もバラバラだったりする。 明日、発売日を迎える『言の葉連想辞典』も、まさに何通りもの読み方・使い方ができる本だ。しかし、そういう本は時に「どんな本なのか分からない」と思われてしまうこともある。だから、今回はこの本のテーマのひとつでもある「言葉との出会い」について、書い