流山 青衣

はじめまして、こんにちは。あおいと申します。 短編小説を投稿しています。 (文字数は、…

流山 青衣

はじめまして、こんにちは。あおいと申します。 短編小説を投稿しています。 (文字数は、400字詰め原稿用紙20枚程度です) よろしくお願いします。

記事一覧

短編小説【アカエイのたたり】

《あらすじ》 北の太平洋に面した川瀬という街を訪れた男は、アカエイを祭る神社に興味を持った。川瀬では、アカエイを神の使いとしていたが、空梅雨になると多く発生して…

流山 青衣
6日前
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短編小説【箱入り娘】

《あらすじ》 東京で働いていた私は、父が倒れたせいで、不本意ながら実家に戻る。ワイン用のブドウ栽培と醸造を行っていた父は、ブドウを娘のように溺愛していた。それに…

流山 青衣
1か月前
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短編小説【田々井村から】

《あらすじ》 山村の田々井村から都会に出てきた私は、あるとき地図を拾う。都会は美しく、ふるさとは違う。そう思いながらも、自然豊かな情景が書かれた地図に興味をひか…

流山 青衣
2か月前
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短編小説【落着のとき】

《あらすじ》 夫の病気平癒を願って、山深い法馬寺に参拝する、私。しかし、祈りは夫のためではなく、私のために祈っていた。夫がいなくなったら、どうなるのだろう。揺れ…

流山 青衣
3か月前
410
短編小説【アカエイのたたり】

短編小説【アカエイのたたり】

《あらすじ》

北の太平洋に面した川瀬という街を訪れた男は、アカエイを祭る神社に興味を持った。川瀬では、アカエイを神の使いとしていたが、空梅雨になると多く発生してしまい、川瀬の人々を困らせていた。男は、神の使いであるアカエイの尾を切ってしまうが…

     
       『アカエイのたたり』

 あの年は空梅雨で始まった。と言っても、晴れることはなかった。
 雨が降らずとも、曇天の日が多く、時

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短編小説【箱入り娘】

短編小説【箱入り娘】

《あらすじ》

東京で働いていた私は、父が倒れたせいで、不本意ながら実家に戻る。ワイン用のブドウ栽培と醸造を行っていた父は、ブドウを娘のように溺愛していた。それに辟易していた私は、葛藤と悪戦苦闘をしながらブドウ栽培に向き合い、やがて、収穫の時を迎える。

     
       『箱入り娘』

 年が明けて、穏やかな晴天が続いた。東京では記録的な少雨だというのが、耳に入った。休日になり、昼食をと

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短編小説【田々井村から】

短編小説【田々井村から】

《あらすじ》

山村の田々井村から都会に出てきた私は、あるとき地図を拾う。都会は美しく、ふるさとは違う。そう思いながらも、自然豊かな情景が書かれた地図に興味をひかれる。地図がきっかけで、田舎の美景を目にした私は、田々井村にもそれがあったと気づきはじめる。

       『田々井村から』

 大学の門を出ると、秋の虫が鳴いていた。田舎では毎日鳴いていたから、うるさかった。都会だと珍しいからか、新鮮

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短編小説【落着のとき】

短編小説【落着のとき】

《あらすじ》

夫の病気平癒を願って、山深い法馬寺に参拝する、私。しかし、祈りは夫のためではなく、私のために祈っていた。夫がいなくなったら、どうなるのだろう。揺れる思いの中で、参拝することに意味を見出した私は、やがて救われる。

    
       『落着のとき』

 法馬寺は、山深い。森の奥にひそむ寺は、周囲を寄せつけないものがあった。杉林に囲まれた境内は、昼間でも光が閉ざされ、森閑としてい

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